中国の格差社会が深刻 ジニ係数0.73で「貧しい人はさらに貧しく」=中国メディア


 北京大学中国社会科学調査センターは25日、「中国民生発展報告2014」を発表し、所得分配の不平等さを測る指数とし、貧富の格差を表すとされるジニ係数が0.73に達したと報告した。  中国では1%の家庭で中国全体の財産の3分の1以上を保有しており、貧困層に属す25%の家庭で中国全体の財産のわずか1%前後を分け合っている状況だという。人民日報が25日付で報じた。  ジニ係数は0以上1以下の数値で表され、1に近いほど格差が大きいことをあらわす。記事は、報告書が「中国の富の分配の不平等さが深刻化している」と指摘したことを紹介、都市と農村部の格差といった要素が不平等をもたらす主な原因だと分析されていると伝えた。  さらに、富の分配における特徴として、「体制内(中国共産党の内側の人間の意味)で仕事をしている家庭は体制外の家庭よりも明らかに財産の保有額が多く、その増加幅も体制外の家庭よりも大きかった」と指摘。続けて、共産党との関わりの有無が財産の保有額に影響を及ぼしていると論じた。  また、「中所得層に属す家庭の財産保有額の伸び幅が大きかった」とする一方、低所得層と高所得層の伸び幅は比較的小さかったと伝えた。  記事は同報告を発表した北京大学の謝宇教授の発言として、「富の分配における不平等をはじめとする経済的格差はもはや無視することのできない社会問題だ」と指摘。中国で頻発する社会問題の根源である可能性があり、「豊かな人はさらに豊かになり、貧しい人はさらに貧しくなる」という悪循環を招く恐れがあると警鐘を鳴らした。(編集担当:村山健二)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)