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2014年07月29日07:00
ズサンな仕事で暮らしたい!
定期的に盛り上がる中国の工場ズサンすぎ事件。最近ではチキンナゲット用の肉が賞味期限切れ&床に落ちたの拾って再利用&ヨソから買ってきた肉を詰め直して出荷などの鬼コンボで問題となっています。その一件を受けて、すかさず「ウチは国産肉ナゲットです」をアピールし始めたケンタッキーフライドチキンや、すかさず「今日からポテト全サイズ150円です」をアピールし始めた日本マクドナルドなど、国内各社の素早く適切な対応に比べて中国企業は本当にイカンですね。
しかし、僕はちょっと中国に憧れも持っているのです。僕も正直、ズサンにやりたいです。ズサンを基準にしたい。「いつも通りの給料ならそらズサンでしょうなぁ」「ズサンじゃなくしたいならゼニをはずんでもらわんと」「ま、ゼニもろても腕が足りんよって出来まへんけどなぁ」…そんな調子でノラリクラリとやっていきたいのです。
日本人は「ちゃんとしている」ということの価値を低く見積もりすぎではないでしょうか。長くつづく景気の低迷と格差の広がりにより、日本人の「ちゃんとしている」幻想も崩壊しつつあります。ちょっと名簿を手に入れたらソレを売りに行っちゃうくらい日本人も追い詰められてきているのです。名簿売りなども「金が動機」であるならば、もう少し金回りがよければ手を染めなかった犯罪のはず。結果的にそれで200億円ぶんのお詫びを配るのだとしたら、何かがオカシイのではないでしょうか。
成長だの努力だのグローバルだの関係ない。僕は、日本のどこかでつつましく生きて死にたいだけなのです。世界を相手にどうこうしようなんていうグローバル人材の夢に付き合う気はサラサラないのです。ちゃんとしてさえいれば幸せになれる。世界と戦わなくても幸せになれる。そういう国を作り、「世界とは僕が戦うから任せといて!」と言って飛び出していくのが真のリーダーでしょう。それが何故そういうグローバル連中は、「世界基準の人材」とやらを育成して、それを前線に送り込んで後ろから指揮しようとするのか。お前が行って、お前が戦え!後ろから応援してやるから!もちろん負けて帰ってきたら空港でタマゴとか投げつけるぞ!
さぁ、同じ志を持つみなさん、もっと基準を下げていきましょう。一斉に下げていきましょう。お釣りは1回必ず間違える(クレカ使ってくれればコッチだって間違えないのに!)。いつも約束の時間に遅刻する(約束の時間になったら家を出ますので少々お待ちください!)。売ってる商品の性能を知らない(だって興味ないもん!)。全員が万事この調子なら、「ちゃんとしている」だけでも素晴らしい価値となるはず。「働きたくないけど、仕方なくやっている」というスタンス、もっとハッキリ示していきたいものですね。
ということで、ズサン具体例として最近中国で出来上がってしまった「コーナーが直角」の陸上競技場についてチェックしていきましょう。
◆作り方ちゃんと聞いてないもん!それじゃ、できるわけないもん!
今回そのズサンぶりが世界から絶賛を集めているのは、中国は黒竜江省ハルビン市にある清河林区文化体育活動センター。コチラ「文化体育活動センター」という名の通り、陸上競技用のトラック、サッカーなどもできるフィールドを備えた総合運動場だそうです。
↓立派な建物が中国の文化水準を物語る!

おおっ、こりゃちょっとしたメディアセンターくらいありそうだ!
何となく中心線がズレている気もするが、気のせいだろう!
こちら建設にあたりひとつ懸念事項があったとのこと。それは工期の遅れ。何とかトラックは作ったものの、それはまだゴムが敷設できたというだけの段階。ところが、現場はまだそんな状態であるにも関わらず、エライさんが視察にやってくるというのです。さぁ困った。視察までに何とか格好をつけなければと、担当者は「選択と集中」を行ないます。「今から線書かなアカンのか…」「曲がった線を書くの難しいんだよな…」「よし、雰囲気だけ出しとこう」という最底辺のズサンさで…!
↓ふぅー、出来た!

担当:「見たらわかりますやろ」
担当:「陸上のトラックですわ」
担当:「キレイに線引けましたわ」
↓まるで定規でも当てたかのようなキレイな線!

カクッ!カクッ!カクッ!
F1の市街地サーキットでこういうコーナーよく見るわ!
普通、道路ってこういう感じでしょ!

こうして何とか視察に間に合ったトラック。担当者も「ヒドイな」とは自覚しているようですが、幸いにも視察したエライさんからは特に文句などは出なかったとのこと。文句が出ないならば「じゃ、これで」となるのはごくごくごくごく自然な話。逆に、今さら変更を加えたりすれば、それこそ視察時の確認が無意味ですよね。「確認終了=OK」となるほかないでしょう。
↓担当者は検査を重視する!検査さえ通過すればそれでいいという姿勢!

私、作る。
アナタ、検査する。
客、文句言う。
アナタ、検査した。
アナタ、謝る。
↓地元の記者は一応走ってみたりして検証する!

※一見、批評精神があるようで遊んでいるだけです。
※バンキシャの劣化版みたいなスタンスです。
※直角云々以外にも山のようにズサンな箇所がありそうです。

国際的な陸上競技大会を開くつもりは毛頭ないのでしょうが、さすが中国という見事なズサンさには、僕も労働者のひとりとして喝采を送りたいところ。確かに、1周400メートル以上もある線をキレイに引くのは困難ですよね。ましてや9レーンのスタート位置を示す線をどこに引くのかなどというのは、極めて難しい問題ですよね。型紙でもあれば別ですが、イチイチ計算したんじゃ視察には到底間に合わないのです。ならば、直角。これは社会も許容せざるを得ないレベルのズサンさでしょう。コーナーが単身円であるとか二心円であるとか三心円であるとか言っている段階ではないのです。
そのほかにも映像では何となく歪んで見える地面であるとか、そもそも5レーンしかないじゃないかとか、直線走路のスタート位置だの400メートルのスタート位置だのリレーゾーンだのいろいろ線が足りないぞとか、これ絶対水濠とか砂場とか作ってないだろとか、どうでもいいけど観客席ないの?とか、HUNTER×HUNTERのキルアなら「場内すべてが罠だぜ」くらいと言い出しそうな勢いのズサンオンパレード。5分いただければ最低でもMTG48くらいは発見できそうな素敵ズサン空間です。
↓どうでもいいけど、妙にノッペリした芝だな…。

何というか、境界線がやたらキレイというか…。
もうちょっと段差ができたりしないのか…。
↓これは芝生…だよな…?

全部チップ状のラバーを敷いて、緑のペンキをぶちまけた…なんてことはあるまいな…?
ときどき「工事が間に合わなくて緑のペンキをぶちまける」現場があるけど、最初からペンキ前提で建築ってのは聞いたことがないからな…。
↓ていうか、この模様本当に芝か…?

この模様、どうやってできてるか知ってるのかな…?
雰囲気で「こういうもんだ」と思ってるんじゃないのか…?
よくサッカーのスタジアムで芝生に模様が見えますよね。あれは芝生の種類が違うとかではなく、芝刈り機が通ったとき芝を倒すことで生まれる模様です。芝刈り機が進む方向によって芝の倒れる向きが変わり、そこに光が当たったときに影がどっちに落ちるかの違いが生まれるという仕組み。なので、光の反対側から見ると芝の模様は濃淡が入れ替わるのです。
↓ちなみにココは、どっちから見てもセンターライン沿いが暗いな…。

まさか、ペンキじゃないよな…?
タテヨコに交差しながら芝を刈って生まれた奇跡の芝目とかあるのかもしれんな…?

担当者のほうでは「通常のコーナーだと曲がるときに減速する必要があるが、直角だとクイッと曲がれるのでコーナーでの減速がないからむしろ速く走れる」などと申しているようで、当面改善の予定はなさそうです。おおっ、つまり、「これでヨシ」となっているのです。素晴らしい。僕もこういう仕事がしたい。これで最低時給をもらい、ちゃんと仕事をしたら立派な給料がもらえる。そういう社会に生きたい。700円で「ちゃんとした」人間を1時間コキ使えるなどと思われてはたまりませんからね。700円は、コレ程度とお考えください。
↓なお、もともと外枠をカーブさせて作っていた部分では、線が外枠にぶち当たってしまいレーンが減りました!

1周つながってるレーン、1個しかないのかよwww
逆に紛らわしいから、線いらんわwww
↓そりゃチキンナゲットの詰め替えくらいやるでしょう!
詰め替えてくれるだけありがたく思いなさい!
賞味期限?大丈夫大丈夫、食える食える!
線はあとで雰囲気で直しておきますので、修正手間賃をご負担願います!
定期的に盛り上がる中国の工場ズサンすぎ事件。最近ではチキンナゲット用の肉が賞味期限切れ&床に落ちたの拾って再利用&ヨソから買ってきた肉を詰め直して出荷などの鬼コンボで問題となっています。その一件を受けて、すかさず「ウチは国産肉ナゲットです」をアピールし始めたケンタッキーフライドチキンや、すかさず「今日からポテト全サイズ150円です」をアピールし始めた日本マクドナルドなど、国内各社の素早く適切な対応に比べて中国企業は本当にイカンですね。
しかし、僕はちょっと中国に憧れも持っているのです。僕も正直、ズサンにやりたいです。ズサンを基準にしたい。「いつも通りの給料ならそらズサンでしょうなぁ」「ズサンじゃなくしたいならゼニをはずんでもらわんと」「ま、ゼニもろても腕が足りんよって出来まへんけどなぁ」…そんな調子でノラリクラリとやっていきたいのです。
日本人は「ちゃんとしている」ということの価値を低く見積もりすぎではないでしょうか。長くつづく景気の低迷と格差の広がりにより、日本人の「ちゃんとしている」幻想も崩壊しつつあります。ちょっと名簿を手に入れたらソレを売りに行っちゃうくらい日本人も追い詰められてきているのです。名簿売りなども「金が動機」であるならば、もう少し金回りがよければ手を染めなかった犯罪のはず。結果的にそれで200億円ぶんのお詫びを配るのだとしたら、何かがオカシイのではないでしょうか。
成長だの努力だのグローバルだの関係ない。僕は、日本のどこかでつつましく生きて死にたいだけなのです。世界を相手にどうこうしようなんていうグローバル人材の夢に付き合う気はサラサラないのです。ちゃんとしてさえいれば幸せになれる。世界と戦わなくても幸せになれる。そういう国を作り、「世界とは僕が戦うから任せといて!」と言って飛び出していくのが真のリーダーでしょう。それが何故そういうグローバル連中は、「世界基準の人材」とやらを育成して、それを前線に送り込んで後ろから指揮しようとするのか。お前が行って、お前が戦え!後ろから応援してやるから!もちろん負けて帰ってきたら空港でタマゴとか投げつけるぞ!
さぁ、同じ志を持つみなさん、もっと基準を下げていきましょう。一斉に下げていきましょう。お釣りは1回必ず間違える(クレカ使ってくれればコッチだって間違えないのに!)。いつも約束の時間に遅刻する(約束の時間になったら家を出ますので少々お待ちください!)。売ってる商品の性能を知らない(だって興味ないもん!)。全員が万事この調子なら、「ちゃんとしている」だけでも素晴らしい価値となるはず。「働きたくないけど、仕方なくやっている」というスタンス、もっとハッキリ示していきたいものですね。
ということで、ズサン具体例として最近中国で出来上がってしまった「コーナーが直角」の陸上競技場についてチェックしていきましょう。
◆作り方ちゃんと聞いてないもん!それじゃ、できるわけないもん!
今回そのズサンぶりが世界から絶賛を集めているのは、中国は黒竜江省ハルビン市にある清河林区文化体育活動センター。コチラ「文化体育活動センター」という名の通り、陸上競技用のトラック、サッカーなどもできるフィールドを備えた総合運動場だそうです。
↓立派な建物が中国の文化水準を物語る!
おおっ、こりゃちょっとしたメディアセンターくらいありそうだ!
何となく中心線がズレている気もするが、気のせいだろう!
こちら建設にあたりひとつ懸念事項があったとのこと。それは工期の遅れ。何とかトラックは作ったものの、それはまだゴムが敷設できたというだけの段階。ところが、現場はまだそんな状態であるにも関わらず、エライさんが視察にやってくるというのです。さぁ困った。視察までに何とか格好をつけなければと、担当者は「選択と集中」を行ないます。「今から線書かなアカンのか…」「曲がった線を書くの難しいんだよな…」「よし、雰囲気だけ出しとこう」という最底辺のズサンさで…!
↓ふぅー、出来た!
担当:「見たらわかりますやろ」
担当:「陸上のトラックですわ」
担当:「キレイに線引けましたわ」
↓まるで定規でも当てたかのようなキレイな線!
カクッ!カクッ!カクッ!
F1の市街地サーキットでこういうコーナーよく見るわ!
普通、道路ってこういう感じでしょ!
価格:432円 |
こうして何とか視察に間に合ったトラック。担当者も「ヒドイな」とは自覚しているようですが、幸いにも視察したエライさんからは特に文句などは出なかったとのこと。文句が出ないならば「じゃ、これで」となるのはごくごくごくごく自然な話。逆に、今さら変更を加えたりすれば、それこそ視察時の確認が無意味ですよね。「確認終了=OK」となるほかないでしょう。
↓担当者は検査を重視する!検査さえ通過すればそれでいいという姿勢!
私、作る。
アナタ、検査する。
客、文句言う。
アナタ、検査した。
アナタ、謝る。
↓地元の記者は一応走ってみたりして検証する!
※一見、批評精神があるようで遊んでいるだけです。
※バンキシャの劣化版みたいなスタンスです。
※直角云々以外にも山のようにズサンな箇所がありそうです。
価格:1,620円 |
国際的な陸上競技大会を開くつもりは毛頭ないのでしょうが、さすが中国という見事なズサンさには、僕も労働者のひとりとして喝采を送りたいところ。確かに、1周400メートル以上もある線をキレイに引くのは困難ですよね。ましてや9レーンのスタート位置を示す線をどこに引くのかなどというのは、極めて難しい問題ですよね。型紙でもあれば別ですが、イチイチ計算したんじゃ視察には到底間に合わないのです。ならば、直角。これは社会も許容せざるを得ないレベルのズサンさでしょう。コーナーが単身円であるとか二心円であるとか三心円であるとか言っている段階ではないのです。
そのほかにも映像では何となく歪んで見える地面であるとか、そもそも5レーンしかないじゃないかとか、直線走路のスタート位置だの400メートルのスタート位置だのリレーゾーンだのいろいろ線が足りないぞとか、これ絶対水濠とか砂場とか作ってないだろとか、どうでもいいけど観客席ないの?とか、HUNTER×HUNTERのキルアなら「場内すべてが罠だぜ」くらいと言い出しそうな勢いのズサンオンパレード。5分いただければ最低でもMTG48くらいは発見できそうな素敵ズサン空間です。
↓どうでもいいけど、妙にノッペリした芝だな…。
何というか、境界線がやたらキレイというか…。
もうちょっと段差ができたりしないのか…。
↓これは芝生…だよな…?
全部チップ状のラバーを敷いて、緑のペンキをぶちまけた…なんてことはあるまいな…?
ときどき「工事が間に合わなくて緑のペンキをぶちまける」現場があるけど、最初からペンキ前提で建築ってのは聞いたことがないからな…。
↓ていうか、この模様本当に芝か…?
この模様、どうやってできてるか知ってるのかな…?
雰囲気で「こういうもんだ」と思ってるんじゃないのか…?
よくサッカーのスタジアムで芝生に模様が見えますよね。あれは芝生の種類が違うとかではなく、芝刈り機が通ったとき芝を倒すことで生まれる模様です。芝刈り機が進む方向によって芝の倒れる向きが変わり、そこに光が当たったときに影がどっちに落ちるかの違いが生まれるという仕組み。なので、光の反対側から見ると芝の模様は濃淡が入れ替わるのです。
↓ちなみにココは、どっちから見てもセンターライン沿いが暗いな…。
まさか、ペンキじゃないよな…?
タテヨコに交差しながら芝を刈って生まれた奇跡の芝目とかあるのかもしれんな…?
価格:454円 |
担当者のほうでは「通常のコーナーだと曲がるときに減速する必要があるが、直角だとクイッと曲がれるのでコーナーでの減速がないからむしろ速く走れる」などと申しているようで、当面改善の予定はなさそうです。おおっ、つまり、「これでヨシ」となっているのです。素晴らしい。僕もこういう仕事がしたい。これで最低時給をもらい、ちゃんと仕事をしたら立派な給料がもらえる。そういう社会に生きたい。700円で「ちゃんとした」人間を1時間コキ使えるなどと思われてはたまりませんからね。700円は、コレ程度とお考えください。
↓なお、もともと外枠をカーブさせて作っていた部分では、線が外枠にぶち当たってしまいレーンが減りました!
1周つながってるレーン、1個しかないのかよwww
逆に紛らわしいから、線いらんわwww
↓そりゃチキンナゲットの詰め替えくらいやるでしょう!
詰め替えてくれるだけありがたく思いなさい!
賞味期限?大丈夫大丈夫、食える食える!
線はあとで雰囲気で直しておきますので、修正手間賃をご負担願います!