【ソフトB】大隣、422日ぶり白星!黄色靱帯骨化症から復活も涙なし
◆ソフトバンク3―2オリックス(27日・ヤフオクドーム)
422日ぶりの白星にも「泣かない」の宣言通り、大隣に涙はなかった。国指定の難病「黄色靱帯(じんたい)骨化症」を乗り越え勝利を手にしたのはプロ野球史上初めてだが、お立ち台でも感傷的にはならなかった。「ここまで支えてくれた皆さんへの感謝の意味を込めてマウンドに上がった」と振り返った。
難病からの復活ストーリー。今季の登場曲に選んだのはヒップホップシンガー・AK―69の「START IT AGAIN」だった。「一度燃え尽きようとも 再起不能でも こいつの火は消えない」のサビに自身を重ね合わせた。初回1死二塁からバトラーに右中間二塁打され先取点こそ許したが、2回以降はテンポよく0を並べ、7回3安打1失点に抑えた。
背中の真ん中付近に残る15センチ程度の手術痕のやや上にも骨化している黄色靱帯が残っている。プレーには支障がなく、手術部が大きいとリハビリ期間が長くなるため昨年6月の手術では除去しなかったが、常に不安とは背中合わせだ。
思い通りに体の状態が上がらず、病気のせいにしてしまう自分が嫌になったこともあった。「手術する前の自分と比べても仕方がない。今の体で100にすればいい」。過去の自分を追い求めることをやめ、心が晴れた。
昨年5月31日の広島戦(ヤフオクD)以来の復活星でオリックスとの首位攻防戦で3タテし4連勝。ゲーム差を1・5に広げた。将来的には同じ病気に苦しむ人の慈善活動も視野に「病気の人の励みになればありがたい」と、活躍して勇気を与える。登板間隔を空けるため28日に出場選手登録を抹消されるが、「まだ1勝しただけ。先発としての仕事を1年間通してできるようになってから」。復活ロードの1歩目を刻んだに過ぎない。(戸田 和彦)