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介護される人と介護する人がともに65歳以上という「老老介護」が増えてい…
介護される人と介護する人がともに65歳以上という「老老介護」が増えている。国の推計では、2025年には夫婦二人暮らしで世帯主が65歳以上の世帯数が10年の1・2倍、75歳以上だと1・6倍になる。国は介護の在宅化を進めており、老老介護の広がりは避けられない。介護する側への支援を充実させることが急務となっている。
先ごろ公表された2013年の国民生活基礎調査によると、同居する家族が主に介護を担う世帯のうち、老老介護の割合が半分になった。介護される人とする人の双方が75歳以上という世帯も増えている。
介護する人自身の健康状態が「よくない」と思っている割合は、65歳以上では29%、75歳以上では36%となっている。
介護保険はあるのに、利用していないケースも目立つ。「自分たちで何とかやっていける」「他人を家に入れたくない」といったことが主な理由だ。さらに「どんなサービスがあるのか」「どう手続きすればよいのか」など、制度が周知されていない現実もある。
まず、介護保険でできることを平易に伝えて支援につなげることを行政は目指してほしい。
老老介護は、介護する側も骨折や体調不良など「不測の事態」が生じやすい。ならば、支援も臨機応変に提供できるようにしていかなければならない。いつでも施設の宿泊サービスを利用できれば、大いに助かるだろう。
東京都世田谷区では、保健師や社会福祉士による「見守りコーディネーター」が区内全域にいる。民生委員や近所の人からの情報をもとに、見守りが必要になりそうな高齢者の自宅を訪れている。
コーディネーターは訪問先の状況に応じて、利用できる介護保険のサービスを説明したり、研修を受けた区民による「見守りボランティア」の訪問につなげたりする役割を担う。
介護する人が「全部自分で」と抱え込めば、ストレスがたまり、将来への悲観を生む。虐待や殺人に至った不幸な出来事の背景には孤立がある。老老介護に限らず、高齢者がいる世帯を孤立させない世田谷区の取り組みは参考になる。
行政だけが支援の源というわけではない。配食サービスの際にお弁当を手渡す、介護する人を介護者の集いに誘い出す、といった方法でも、孤立は和らぐ。種々の宅配サービス業界、知人友人といった「つながり」にも役割がある。老いの不安を軽くする方策を考えたい。
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