高1同級生殺害:「人を殺してみたかった」容疑の少女供述
毎日新聞 2014年07月28日 21時15分(最終更新 07月29日 02時30分)
長崎県佐世保市の高1同級生殺害事件で、殺人容疑で逮捕された女子生徒(16)が「人を殺して解体してみたかった」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で分かった。女子生徒は過去に小動物の解剖を繰り返すなどの問題行動があったといい、長崎地検などが精神鑑定を検討している。女子生徒は「(殺害に使った)工具などは事前に自分で買った」とも供述しており、県警は計画的だったとみて入手経路を調べる。【大場伸也、鈴木一生】
県警によると、殺害された松尾愛和(あいわ)さん(15)は27日未明、女子生徒が1人で暮らす同市内のマンションの部屋で遺体で見つかった。室内からのこぎり(刃渡り約25センチ)や包丁、金属製のハンマー、首を絞めたとみられるひもが見つかった。
女子生徒と松尾さんのトラブルは把握されていないといい、女子生徒は「殴ってから首を絞めた。すべて私が1人でやりました」などと、淡々と取り調べに応じている。謝罪や反省の言葉はないという。事件直前の26日夕には、松尾さんと2人で佐世保市内で買い物などを楽しんだと話している。県警は28日、女子生徒を長崎地検佐世保支部に送検した。容疑は26日午後8時ごろ、マンションで松尾さんの後頭部を工具で多数回殴り、ひもで首を絞めるなどして殺害したとしている。
◇勾留後、家裁送致
長崎地検佐世保支部に28日、殺人容疑で送検された女子生徒(16)は、裁判官が認めれば勾留(最大20日間)され、取り調べの後、家庭裁判所に送致される。
家裁は専門家が非行原因や心理状態を調べる少年鑑別所に収容するなどして調査する。家裁が精神鑑定が必要と判断すれば、手続きをいったん中断して、鑑定留置に入る。勾留期間中に検察側が鑑定を実施するケースもある。それらの結果を基に、家裁は審判開始の可否を決定するが、女子生徒は14歳以上であることから刑事罰の対象となる。審判で刑事処分相当と判断されれば検察に送致(逆送)され、検察が起訴するかどうかを決める。
起訴されれば、成人と同様に裁判を受け、殺人罪の場合は裁判員裁判となる。逆送されない場合は少年院送致や保護観察などの保護処分がある。