26日放送の「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)で、パネリストとして出演した元産経新聞記者でジャーナリストの山際澄夫氏が激昂する一幕があった。

番組では「激論!集団的自衛権と平和国家ニッポン」をテーマに、司会の田原総一朗氏とパネリストが激論を交わしたが、山際氏は集団的自衛権の行使を容認する立場から国防の重要性を訴えた。

山際氏は番組で「集団的自衛権は国連憲章で認められている」と主張、発言冒頭こそ冷静だった山際氏だが、徐々にヒートアップし始め、「(集団的自衛権の行使に反対する)朝日新聞、毎日新聞、東京新聞は日本をどうやって守ろうというのか!」と、スタジオに響き渡る大声で訴えた。

他のパネリストから反論はあったが、山際氏は「国際社会では集団的自衛権と個別的自衛権の区別すらない」と現状を説明した上で、「憲法があって国が滅んだらどうするんだ!」と興奮した様子で叫んだ。

しかし、実は山際氏のこの発言の前に、司会の田原総一朗氏は山際氏の発言を促そうといったんパネリストの発言を制する素振りを見せていたのだが、山際氏が指示を無視して持論を展開し続けたことに、田原氏はやや不機嫌な表情を見せた。

この後、山際氏は「中国の脅威!北朝鮮の脅威!」と、大きな声で叫んだが、民主党の大塚耕平議員から、集団的自衛権に関してはパネリストらの世代ではなく、若い人が影響を受けることを説明され、「我々の世代がエモーショナル(感情的)な議論にならないように」と、その興奮を鎮めるよう遠回しに指摘されてしまった。

田原氏も「山際さん、あなた話すのはいいんだけどね…」と、他のパネリストが発言しているのを無視して大きな声で持論を述べる山際氏に苦言を呈した。

その後、精神科医の香山リカ氏が安倍首相の「解釈改憲」について疑問を呈すると、山際氏は「冗談じゃないよ!」と猛反論。しかし、山際氏のケタ違いの声量と興奮した様子に、パネリストからは笑い声が漏れる。

さらに山際氏に反論しようとした元防衛官僚・小池清彦氏の発言も大きな声で遮ろうとしたため、周囲から「ちょっと聞いて下さい」「今度は黙りなさい」と注意されてしまった。

山際氏によると、中国の脅威、北朝鮮の脅威に対抗するためには、集団的自衛権の行使を容認した閣議決定は「不十分」なのだという。また、「こんな長い文章で冗談じゃない。何回読んでもわからない。冗談じゃない!」と、実は閣議決定の内容がよくわかっていないことも告白した。

中国や北朝鮮の脅威を主張する山際氏だが、香山リカ氏や大阪国際大学准教授の谷口真由美氏から、現在、日本にどんな脅威があるのかを質問されると、山際氏は再び興奮。「あなたは目にはいらないのか!あの中国の脅威が!」と、周囲を圧倒する凄まじい声量でシャウト。その興奮した様子が滑稽だったのか、パネリストからは笑い声が漏れた。

明らかに冷静さを欠いた山際氏に対して、谷口氏からは「感情的ですよ」「話聞いていただけます?」と注意され、出演していたジャーナリストの堀潤氏も、放送中に「山際さん。。。」とツイートする事態に。堀氏のツイートもあってか、放送中は「山際」がTwitterでトレンド入りも果たしてしまった。


また、日本の安全保障についての議論では、山際氏は「日本は安全保障を無視してきた」「北朝鮮に(拉致被害者が)さらわれていることがわかってからも、誰も助けに行こうと言わない」「たとえ戦いをしてでも奪還するのが当たり前」と強硬な意見を連発。

「アメリカだったら絶対にそういうことはない」と、元米国務省東アジア・太平洋局日本部部長・ケビン・メア氏に同意を求めたが、メア氏はそれには答えなかった。

さらに田原氏に「じゃあどうするの?」と問われた山際氏は、さすがに北朝鮮に対して宣戦布告せよとは言えなかったのか、無言に。しばしの沈黙の後、「奪還するための体制づくりをしなければならない」「圧力を掛けるべき」と主張した。

番組中は、再三に渡って香山氏とは意見が真っ向から対立した。香山氏が自民党の改憲案は個人の自由を規制しようとしていることを問題視すると、山際氏は「国家の防衛があってのことですよ」と、個人の自由よりも国防を優先すべきと主張。

また、香山氏が自衛隊員の自殺者数増加を指摘し、自衛隊員のメンタルケアの必要性を訴えると、山際氏は「そんなことが国防の重要性を損なうものではない」と一蹴。集団的自衛権の行使による国防の方が、自衛隊員のメンタルケアよりも重要であるとした。

しかし、山際氏は意見が対立する香山氏の名前を「香山(こうやま)さん」と呼んでしまい、「香山(かやま)と申します!」と激しい口調で言い返される一幕もあった。

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