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2014/7/28(月)
<まる見えリポート>危険ドラッグ 県内でも市中販売
【県内で販売されている危険ドラッグとみられる商品】
幻覚、興奮作用がある「危険ドラッグ」が関係する事故が社会問題化している中、県内でも危険ドラッグとみられる商品が市中で販売されている。県や県警は警戒を強めるが、次々と新たな危険ドラッグが出てくるため、規制や捜査に難しさがある。専門家は「販売の自粛を求めていくしかない」と話す。
(県警・岩崎邦宏)
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今月中旬の週末の夜、四日市市内のハーブ販売店を訪ねた。近鉄四日市駅から商店街を抜け、十分ほど歩くと幹線道路沿いにその店が見えた。約十平方メートルの店内には二十種類の商品パッケージが並び、〇・五グラム当たり一律、千円で売られている。
カウンターにいた二十代くらいの男性店員にお勧めの商品を尋ねると、スペイン産というハーブを出した。記者が「これはやばいやつですか」と聞くと、「そんなことないですよ」と答えた。だが、その商品は指定薬物を検出した一例として厚生労働省のホームページに掲載されていた。
記者が店を訪れた十分ほどの間に、三人の男性客が来店。五千円札とメンバーズカードを店員に渡し、ハーブとみられる粉末が入った透明の小袋を複数個受け取って帰る客もおり、固定客がいることをうかがわせた。
店内には誤ったハーブの使い方をしないよう呼び掛ける張り紙があった。「誤った使い方」を尋ねると、「吸引などの人体摂取です。商品はお香です」と店員は言った。
■ ■
県は平成二十四年二月以降、危険ドラッグを扱う店を県内で七店舗確認した。薬事法に基づいて立ち入り検査をこれまでに二十二回実施し、販売の自粛を要請。現在も営業を続けているのは一店舗のみという。
だが、四日市市を拠点に移動販売を手掛ける業者が確認されているほか、店舗についても県幹部は「県が把握できていないだけかもしれない」と話す。
厚生労働省は危険ドラッグを取り締まるため、幻覚作用などがある化学物質を指定薬物として製造や販売を禁止。四月からは所持や使用も禁じた。
指定薬物は二十四年四月には六十八物質だったが、今月十五日現在で千三百七十九物質まで増やし、規制を強化。だが、構造を変えた新たな物質が次々に出てきて規制が追い付かない現状がある。
加えて、「指定薬物が新たに指定されると店舗は商品をほとんど入れ替えるため、店を規制するのは難しい」と、薬物問題に詳しい小森栄弁護士(東京弁護士会)は指摘する。
■ ■
捜査に難しさもある。覚せい剤や大麻と違って簡易検査ができず、鑑定に時間がかかる。実際、松阪署が六月、指定薬物約七十cを所持した男性(35)=起訴猶予処分=を薬事法違反(所持)の疑いで逮捕するまでに二カ月を要した。
県警によると、県内では今年、通報や職務質問で危険ドラッグの疑いがあるハーブが見つかったケースが約二十件ある。いずれも未規制の物質だったため、摘発に至らなかったが、県警幹部は「指定薬物でなくても危険な物質はある」と危惧する。
小森弁護士は「危険ドラッグが社会的非難を受け、好奇心で使う若者は減ってきているだろうが、表に出てこない乱用者はかなりいる」と指摘。「行政や警察にできることは限度があるため、市民活動などあらゆる手段で販売の自粛を求めていくしかない」と話している。
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