北京=林望
2014年7月27日20時18分
中国軍が7月末から8月初旬まで、渤海、東シナ海、北部湾(トンキン湾)で演習をする。異なる海域で一斉に演習を行うのは異例。実戦を想定した実弾訓練などもあるとみられ、東シナ海や南シナ海の権益確保に向けた強い姿勢を内外に示す狙いだ。
演習は山東省煙台沖の渤海で7月25日~8月1日、浙江省温州沖の東シナ海で7月29日~8月2日、ベトナムとの国境近くの北部湾で7月26日~8月1日に行う。中国国防省は27日、「定例の演習」としながらも「軍事的な闘争の準備を進める重要な意義を持つ」と発表した。
中国軍は今月、内陸部の甘粛省などでも陸軍の防空部隊を中心に大規模な演習を開始。歴史問題や尖閣諸島を巡り対立を深める日本などの動きも意識しつつ、実戦能力の向上を求める習近平(シーチンピン)指導部の指示の下、演習の規模と頻度を上げている模様だ。
演習の影響で国内線は大幅な減便を余儀なくされ、台風などによるフライトの乱れに拍車をかけている。庶民の不満を意識してか、国防省は「民間への影響は限定的。演習がフライトの遅延の主な原因ではない」との談話を出した。(北京=林望)
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朝日新聞国際報道部
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