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三田医師講演「関東の子どもたちの異常について」書起こし(その3)

 目次



IV 県民健康管理調査と常総生協調査



IV-1 県民健康管理調査ちょっとヘン

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 これがあの県民健康管理調査ですね。福島県の。平成23年度、の白血球の、大人の白血球のグラフです。えぇ、これがとっても分かりにくく書いてありますね。えぇとPDF160何ページある。で、今回のもそれに近いと思うけれども、身長、体重、血圧 ジオテジ(?)、それから中性脂肪、まあ、どうでもいいようなものの中に紛れ込むような感じで、こういうものが出てきています。

 で、不思議とこれをちゃんと見て、「いけない!」といった人があまりこちら側にはいないんですけれども、丁寧に見ていくとちょっとおかしいと思うところです。4148

 今、大人の40歳以下で、これ40歳以上。こんなようなヒストグラフが書いてあります。これは(横軸)白血球の数ですね。2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、こっち(右端)15,000。こっち(縦)が人数ですね。
ここに線(縦線=緑色)引いたのはですね、一般的に使われている日本人成人男性の基準値です。3,900~9,500。えぇ、中央値(縦線=赤)が6,700にあります。4215

 これは、はっきりしたデータで、あの昔の労働省ですか、職場の健診とか人間ドックとかそういうもので、年度ごとにバッチリ出てます。
 それによると、ここ(赤い線の数値)が一番多くて、ここ(緑の線の外)が少なくて、ここ(緑の線の中)が多いと。ここ(緑の線の中に)95%入ると書いてあります。ですから、どうも見てみると(この福島県の23年度のグラフは)左にずれちゃっているんですね。4239

 これは同じ子どもの群ですね。子どもは、そういうはっきりした95%が入るというデータは、いっくら探しても出てきません。それは当然、子どもの定期健康診断なんか無いからですよね。
 で、これは医師会のものを引いてみました、白血球の数。ここ(緑の線内)が基準、ここ(赤い線)が中央値。どうもこっち(左)にずれている。でここが、いろいろ調べてみるとですね、ここ(赤い線)が中央値で、ここ(左の緑線)がマイナス1標準偏差、(右の緑の線が)プラス1標準偏差。ですから、ここに7割ぐらいが入るっていうことなのかと思います
 そうすると(中央ゾーンに)7割、(その左右外側に各々)15%、15%というぐらいという割合かなと思いますけど、もう中央がこの辺ぐらいまでズレていて35%。これが小学生で、ここの基準値の一番下よりも低いのが55%。4331


これらがさらに好中球の、子どものですね。同じようにずれているという事です。
 え、これがリンパ球。リンパ球もやっぱりずれている。
 で、これが一番わかりやすいところでですね、7歳から15歳の男の子の白血球。これは福島県の県民健康管理調査ですね。で、白血球数です。平成23年度でいくと、こういうヒストグラムなんですね。
 で、ここに800人とか600人とか書いてあるんで、一生懸命ここ(縦軸)の何ミリ何ミリって測って、全体の人数から数を出して、割合を僕なりに出してみたのがこれですけど、本来であればここ(赤い線)が中央値ですね。で、ここ(緑の線)が教科書に書いてある、マイナス1SDとプラス1SD、
ですから、いわゆる基準値として書いてあるのはこれ位だと思う。
 で、マイナス2SD(2標準偏差)というところで、この黄色と黄色の(線の間の)ところに95%ぐらい入る。(右の黄色線にマイナスと書いてあるがこれはプラス2SDの間違い)
 大体こういう正規分布というんですかね、左右、本当は対象じゃないかもしれないけれど、こういうモデルというものが考えられる筈です。4442

 ここからここまで(左右2本の黄色の線の間)に95%入るはずのものが、福島県のこの年の男の子たちは、ここからここ(黄色の線の中)の中に入っているのは70%です。ここ(黄色の線の間)から出ているのが30%です。

 大したことないなと思うかもしれないけれど、この中央(赤色の線)の値というのは、やっぱりこの基準からちょっと外れて、本来の中央値よりも2,000とか2,500ぐらい少ないです。4508

 で、ようく見てみるとこの「まとめ」のところに、「白血球減少、好中球減少、リンパ球減少の割合に、年齢区分や性による大きな隔たりはなかった。」…なにか「大したことないじゃないか」っていう文末なんだけども、実は白血球も減っているし、好中球も減っているし、リンパ球も減っているって。これ23年度なので、これは正直に認めているんだ、僕は思います。4538


 ただ、これについて、このあとどうしたっていう話は無いですね。で、今回発表(2014年2月7日第14回県民健康管理調査検討委員会)になったのをみても、どうもこの白血球に関する事っていうのは、多分、意識的に飛ばされているんじゃないか、と思います。
 ええ、論調としてはですねぇ、多分「ストレスが強いから気をつけなさい」とか、「外で遊ばないからメタボリックシンドロームになった」とか、そういう話ですね。大したことじゃないんだけど、こっち(白血球に関すること)の方が、僕は大事だと思いますけどね。4608

 え~と、あそうそう、今の、これですね。
 これがお渡した資料でありますので、後でじっくり見てみてください。青い線が日本医師会の教科書による基準範囲で、中央値。それから黄色いのが、プラスマイナス2SD(標準偏差)。
 ちょっとごめんなさい、この左がマイナス2SDで、右もマイナス2SDって、グラフに書いちゃったのですがプラスです。間違いです。
 で、黒い曲線が平時に期待される分布曲線は僕が勝手に作りました。これ高さもちゃんと人数計算で、福島県の人数と同じようになるように作りました。ですから、ここに収まっていれば、多分ここの集団というのはかなり理想的な健康な集団だと思うけれども、(グラフの形は)「左にずれちゃっているよ」っていうことですね。4700


IV-2 県民健康管理調査と常総生協調査と

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 で、これ(配布資料)の裏側のところから3枚あるんですけど、これがですね、福島県の県民調査を、私なりですね、この基準値内に白血球ね、15歳以下の子どもということで、もう一回数を全部出してまとめ直しましたけれど、三田の計算です。
 基準値内に入っている子が45%(赤)で、基準値より上なのが7%で、基準値の下限より下が48%と。これが福島県民の白血球の分布です。4740

 で、常総生協というところが去年ですね2014年(2014年ではなく2013年が正しい)の1月に、200人の子どもを一気に検査したと、2日間、1日か2日で検査したんですけど。それで見ると、基準値内が半分で、基準値下限より下の人が44%。福島県とそっくりなんですね。
 常総っていうのは、これは読んで字のごとくですけれど、千葉北部とそれから茨城南部です。ここにお渡ししたのの中に、白血球の数が書いてあります。4813

 それから、2個目が好中球ですね。好中球は、その基準値内に入るのは半分まで無くて、下限を下回っているのが40%。これは偶然なんですけれども全く福島県と同じような分布になりました。

 それから最後がリンパ球。
リンパ球はですね、福島県よりも常総の方が悪いんじゃないかってね、1年時間差があるんですけれど、こういうふうに出ました。4842


IV-3 甲状腺よりも血液検査、異型リンパ球

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 ということでですね、
 僕は甲状腺も心配なんです。検査はするべきだと思います。子どもに限らず全年齢の人が少なくても1回はやっておかないと、今後どうなるのかがさっぱり分からないので、全年齢の人が一回はやるべきだと思っていますが、東京というのはそういうことをやってこなかった地域です。
 それからやれるという施設、あるいはそういうテクニックを持っている医者がすごく少ないので、大変なことだとは思いますけど。やろうやろうとひとりで言っているうちに3年経っちゃったんですけれど、今からでもやらないとまずいと思います。4921

 で、それよりも僕は、優先的にやるべきだなのが、もっと簡単に出来ますから、血液検査です。
 白血球の数。白血球の分率と書いてありますけれども、末梢血液像とか白血球分画とかいろんな言い方がありますけれども、何が何%ずつこういうのがあるかと。リンパ球、好中球。好中球は桿状(かんじょう)球と分葉球に分けることもあります。好酸球。好酸球は増えている人が多いと思います。
 で、異形リンパ球というちょっと特殊なものが出るんですけれど、ここにはね、好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球ってのが印刷があるんですけど、この異形リンパ球っていうのは印刷がないんですね。ていうのは、普段こういうのが出るわけがないから、印刷がないんです。でも、この電離放射線則では異形リンパ球が最初から入っている位。これが決め手なんじゃないかと思っています。5020

で、実際に異形リンパ球をはじめとした白血球異常がですね。これわかりますよね、東京湾です。これが東京都です。神奈川県、埼玉県。
で、ここに丸く(赤で示して)してあるのが2011年の末から2012の年春。これは三田医院で検査を始めて3~4カ月間で、白血球異常があると僕が判断した人達の分布です。5052

 これは、これ知ってますよね。皆さんよくご存知の、これが果たして妥当かどうかという話はあるかもしれないけれども、こう流れてきて、松戸、柏、三郷、流山、守谷。こういう所にポトンと落ちた、と。
 で西の方は比較的きれいに保たれた。実は秩父から入ったのもあるともいわれているけれども。
 この、3月から1年以内ですね、1年以内の三田医院受診者で見たときに、異常のある児がこういうふうに集まったんです。
 この辺が三郷ですね、この辺にさいたま市があるのかな。で、三郷とさいたまで仲のいいお母さんたちがいて、ここ(三郷)の児が、さっきから見せているように、ここの児が2回、3カ月診続けても異常が出続けたわけだけど、こっち(さいたま市)は異常が出ていないんですね。
 で、「何かの間違いだと困るからうちももう一回やってください」っていうお母さんもたくさんいました。2回やっても異常は出なかったです。これが1年以内のことです。5158

 これが2012年の末から2013年の春、で、こんなふうです。
 ここが全然いないのは、みんな逃げちゃってうちに来ないからです。あの、治った訳じゃないです。ここの人は来なくなった。
 で、文京区はどうでしょうか、一人いたような気がする。こっちの、多摩とかそれからこっちの横浜とか、神奈川もこの辺ね、さいたま市、川越とか所沢とか、こういうところに、前は2回測ってもいなかったような地域の児から異常が出始めるようになったというのが、約1年前です。5237

 ですから、多分、事故があって1年間というのはホットスポットの所にものすごく強い影響があって、その他は比較的保たれていたんではないかと思うんですけれども、ええ、無頓着な事をしているから――、みんながじゃないですね、行政がですね。無頓着だからこういうふうに広がってしまったというに、僕は考えたいと思います。5303


IV-4 「えんとつ」異常が広がった原因は?

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 これ「えんとつ」っていうの。新聞に折り込まれているチラシみたいなものですけど。小平・村山・大和衛生組合って書いてあります。小平市、東大和市、武蔵村山市、の3つの境い目にある、ええとゴミ処理施設ですね。ゴミ処理とか下水の処理施設がこういう折込みを入れてきました。これ2012年ですね。空間放射線量測定結果、地上高さ1メートル、5回測定の平均値。これはバックグラウンド、ちょっと離れたところの雑木林の中で、だいたい0.05ぐらい。で、ここで測ると0.08とか。ここと違うところの東村山というところのデータは0.1近いのもよく出ています。こういうごみの焼却炉も関係しているかなと思いますね。こんな高い所は僕の住んでいるところのまわりには、普通はないです。これは高さ1メートルですから、多分えんとつから出て空間線量に影響があるんではないかと思います。5415

 これが、ここ新青梅街道というんですね。こっちが新宿でこっちが青梅、小平っていうのはこっちのほうですが、東村山っていうところで子どもの未来を考えるゆるやかなネットワークという所の人が、ここの空堀(からほり)川という川が流れてます。
 あのう、この辺というのは、ほとんど武蔵野台地ですから、川らしい川が流れていないんです。雨が降るとちょっと水量が増えて、雨がしばらく降らないと、チョロチョロチョロというものなんだけど、丹念に調べたらここでも
1マイクロシーベルト近いところが何箇所かあると。これはあの、この地域っていうのは、2011年の事故直後にも調べられていて、こんなに高くなかったんですね。ですから、これ2013年3月ですけど2年間ぐらいのあいだで、かなり汚染が濃縮している場所が何箇所もあったり、きれいだった所が悪くなっている、そういう事実があると。5520



V まとめ



V-1 丸山雅一先生の想い出

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 これはあの、丸山雅一(まさかず)先生という先生で、実は、消化管のX線診断学の大家です。僕のお師匠さんみたいな人です。僕が病院につとめていた時は、胃とか腸のレントゲンの検査が好きで、この先生からいろいろ手ほどきを受けてやってました。ま、レントゲンですね。あの、透視室の中に患者さんが入ってくところ一緒に入って 実はバリウムなんだけど、口から飲ませるんじゃなくて口から細い管を入れて、そこから大きな注射器でバリウムと空気を入れたり抜いたりしながらやるっていう。だいたい一回始めると1時間近くかかる精密検査です。ものすごく被曝します、患者さんはね。で、僕たちは鉛のプロテクターをつけて、その下にはフィルムバッジをつけますけど。やっぱり散乱線っていうのを浴びます。透視をだすと(プロテクターをつけても)患者さんの身体で反射したのが、ほんとに微量なんだけどけっこう飛びます。ファイルムバッチにも一生懸命やった月は、カウントされる位の被爆を僕たちはします。5630

 で、若かったときには、一寸イキがって、被曝に負けずにやってるみたいな馬鹿ですよね。そういう風でしたから、ものすごい被曝しました。この先生はその何倍も被曝していると思います、もう。ええと、僕には子どもが二人いますけれども、上が男で下が女です。このいろんな先生たちと「子どもが産まれました」と言うと、「女の子?男の子?」と聞かれるので、「男の子です」と言うと、「君はまだ浴びがたりないね」と言われました。この先生は女の子二人です。僕の上司も女の子二人です。外科部長も女二人、技師長も女二人。ちゃんと浴びると男の子は産まれないというのが、レントゲンに関わってきた医療者の常識だったんですね。なぜかうちは男が産まれましたけど、他の先生は女2人。5724

 で、とっても怖いと思うのはですね、この先生は僕より15も年が上なんですが、検査をしているときにね、この先生がいくつぐらいでしょう50くらいかな、50ぐらいになったらば、その検査がさっき1時間ぐらかけてやるといいましたけど、15分、20分くらいやるとね、「ちょっと辛いから私は出る」と言って(レントゲン室から)外に出るようになったんですね。身体がほてって目が回るから、もうこれ以上は部屋にいられないっていうことです。5752

 でこれを、「放射線宿酔というのだよ」というふうに言われました。放射線酔いです。僕はまだそういう経験がなかったので、「そんなもんなのかなあ」と思いましたけれども。この先生はそれからほどなくして検査室にもう入らなくなりましたね、外から指示だけをするようになって、5年くらいして腎臓がんになって手術をして、インターフェロンで治ったと思ったらば、食道がんであっという間に死んじゃいました。60歳前に亡くなりました、この先生は。5824

 この先生は世界的に有名な先生です、この先生はね。この先生のお師匠さんは白壁先生っていう、レントゲン診断学を作った先生ですね(白壁彦夫医学博士 順天堂大学消化器内科教授 筆記者注)。バリウムと空気の二重造影っていうのを考案して、世界に広めた先生です。この先生は何十倍も浴びてると思います、この先生、昔のレントゲンの機械でやってましたから。でも白壁先生は80歳くらいまで生きました。普通に亡くなったんですね、ふつうの病気で。だから多分、その放射能というのは、物凄く個人差が大きいと思うんです。あらわれるモノが。僕はそれを身をもって感じました。5902


V-2 僕は・・。マーガレットみたいな花が

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 えー、僕はその基礎的な被曝がすごく多いので、もうこれ以上被曝したくないという気持ちが非常に強いです。何か自分の身体が他の人より蝕まれている感じがして、ちょっと調子悪いですね。何かへんな末梢神経のしびれみたいのが時々出てみたり、皮膚炎、この頭の皮膚炎なんかも治らないし。声も、ほんとはこんな風じゃないんですけれど、ここ1年、2年は一寸悪いんじゃないかと思います。5931

 このあいだ墨田区講演会に来てくれと言われて、この前の通りをね、春日通りを降りて御徒町のところから行ったんですけれど、ぐーっと坂を降りていくと向こうの空気が悪いと、僕は思いましたね。この辺はちょっと高台だから少しいいのかもしれない、うちの方はもっといいわけですけどね。ですから、なめてはいけない相手だと思う。あの、確率的なことなんか言えない、もう個人個人が気をつけないといけない、と、そういうことだと思います。10002

 これ最後のスライドです。これは東京の花です、江戸川区のお庭にある花です。こういうマーガレットみたいな花ですよね。これもそうなんですけど、ちゃんとした花びらってこれくらいしかなくて、なんか筒みたいになっちゃってる、ねじれちゃってるような。で、こういうのが3分の2くらいです、ここのお庭は。で、どうも見ているとマーガレットみたいな花ていうのは 結構こういう形になっているのが、この2、3年すごく多いように思います。ええ、ちょっといやな感じですよね。こういうきれいな花びらもあるわけだから、何人か子どもがいると元気な子もいるけど病気になっちゃう子もいるのかなというような、これが、そういうのの象徴的なものかなと、いろいろ感じて写真をとりました。10056

(これはどこですか?)

 これは江戸川区です。江戸川区の普通の家ですね、あの特別な家ではなくて。あの、道端に土があって植わっているような、だから毎年毎年そこに生えては枯れてっていう、そういうものだと思いますね。

 と、
ちょっと最後はバランバランな話になりましたけど、これが今日のお話です。
(拍手)

(司会:どうもありがとうございました。それじゃあ皆さん紙に質問を書いて頂いて、休憩10分とります。そのあと先生に選んで頂いて、答えたい質問にお答えていただけばいいと思います。それじゃあ、休憩します。)10150















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