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三田医師講演「関東の子どもたちの異常について」書起こし(その1)


《謝辞》
 三田茂先生の講演はUPLAN三輪祐児さんの撮影・編集・WEB-UPにより、私たちは見ることができます。
 また、講演の書起こしにつきましては、「みんな楽しくHappy♡がいい♪」様の先行書き起こし
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3562.html(以下つづく)があり、これを参考にしながら、「放射線被ばくを学習する会」のメンバーが協力して行ないました。
 改めて、三輪様、きーこ様のお二人に、篤く感謝申し上げます。


 目次


I はじめに

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はじめまして、三田です。
えぇと三田医院という、うちのちょっと簡単に自己紹介を。えぇ、小平市です。実はうちの、僕の母の母校です、この湯島小学校ね(笑)。ここもよく来て、あの小さい時にね、来て遊んだ所です。ここの向かいの公園なんかで、いつも従兄弟と一緒に遊んでましたけど。まさかこんな所に、こんな年になってから来るとは思わなかったんですけど(笑)。

まぁ、父があの小平って所で開業したのが50年前。で、医師会やなんかでも活動してまして、万年副会長という会長じゃないのが好きで、副会長やってて、で、父はもう数年前に亡くなりましたけど、僕は跡を継げと言われて、理事をやって15年ぐらいになるんですかね。

まぁ、いろんなことをやってきましたけれども、やはりあの、東京に住む者として、東京があの地震でどうなるかっていうのが、とても気になっていたんです。直下型もあるし、それから東南海地震ですよね。地震の勉強を少しすると、あの浜岡原発ですね、浜岡原発が壊れたときにどうなるかっていうのは、まぁ当然の心配であるわけです。で、浜岡原発が壊れたときに、その放射能、流れて来て、東京に影響が出ると、そういうシナリオというのは当然あるわけで、そんなものは誰が考えてもちょっと調べればいろんなことが出てくると。で、準備してた訳ですけれども、今回浜岡じゃなくて福島で、東京は汚染されてしまったと思います。

でまぁ、準備してたものとしてですね、この、東京の、特に優先順位としては子供たち。子供たちだけよければいいってことではないと思います、全年齢の人ですけれども。優先順位としては子供たちを何とか守りたい、ということで、3年間やってきましたが、まぁ…、ちょっと最初に結論みたいなことになっちゃうけれども、行政は動かせなかった。うーん、教育委員会も動かせなかった。役所も動かせなかったし、保健所もだめだったし、医師会も、別に嫌がられはしなかったけれども、一緒にやってくれる人は誰もいなかったということで、東京でやることに、まぁ限界を感じまして。で来月で、あの、50年続きましたけども三田医院は閉めて、西の方から、東京、あるいは関東のですね、人たちに、ま保養とか、避難とか、そういうのを呼びかける、ようなことをこれからはしてかないと、もう時間的に余裕はないかなと、そう思って、そういう決断をしました。

今日は呼んでいただきまして。えぇと内容に関してはですね、余り打合せもしていないですね。あのぅ医者として、皆さんがちょっと誤解しているかなとか、それからあのぅ、攻める方向性がちょっと違うのかもしれないな、と思うことがありますから、そういうことを知っていただいたほうが、今後の活動をね。それから、全然違うところ一生懸命プッシュしてもしょうがない訳ですから。参考になればいいなと思います。



II まずは甲状腺



II-1 甲状腺エコーの画像の説明

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でまぁ、何はなくとも、まずは甲状腺ですよね。

えぇと、これ、甲状腺のエコーの検査です。
やはりその、浜岡のことを勉強すると、チェルノブイリの時にヨード剤をどう配ったとか配らなかったとか、それから、国際的にいやいや認められているのが甲状腺癌と白血病だけであるとか、そういうことはわかる訳ですよね。

で甲状腺、えぇと、日本人がどれぐらいの甲状腺癌になるかというと
えぇ、やはりその、ヨードの摂取量から考えて、チェルノブイリほどではないんじゃないかっていうふうになんとなく僕は思ったし、今でもそうなのかなって何となく思ってます。だから甲状腺を見なくていいって言ってるんじゃないですね。甲状腺ばっかり気にしてちゃいけないっていうふうに思うんです。

これが甲状腺の検査です。
これはあの、うーん、8歳ぐらいだったかな、8歳ぐらいの男の子の甲状腺のエコーです。超音波検査です。えぇ、だいたいどこでもこういうふうにやりますけれども。

この、まず、この下を見ていただきますと、首ですね。甲状腺ってのはこの首の所にあるんですけども、甲状腺の部位、部位で、首を水平に切ってます。

えぇ、ここは表面です。で、ここにこう黒く見えてるのが喉ですね。あの、呼吸をする、声が出る所。ここに丸く見えているのが右の頚動脈、総頚動脈。これが左の総頚動脈。

ちょっと見えているのが、頸静脈ですけど。喉があって、この首の両脇の頚動脈、これ、あの、輪切りになっていますけども。

ここの、ここの間にあるこの白い所が、これが甲状腺の右葉、これが甲状腺の左葉。右と左ですね。ここに見えているのが食道。これが胸部。

ここの、あの右葉と左葉を繋いでいる所ですね。
これが水平に切ったところ。で、これが、今度タテに見ると、ここが甲状腺です・・・ここ。

でこっちが甲状腺の頭側、こっちが足側。これが右葉の写真。
これが左葉の、えぇと、矢状断(しじょうだん)というふうに言うんですね、医学的には。タテに切った、ということですね。
こっちが頭側で、こっちが、えーと、足側。これが水平断ですね。


II-2 甲状腺病気の分類

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 えぇ、甲状腺のことを考える時にですね、やっぱり甲状腺の病気のこと、全体像を分かってないと分かりにくし、結節とのう胞という言い方自体にちょっと問題があるんですけれども、その辺のこと簡単に、まぁ、学校の講義みたいな感じになっちゃいますけど、言います。

 まず、甲状腺の病気というのは大きく二つ分けて、びまん性疾患と結節性疾患に別れます。びまん性疾患というのは、甲状腺が全体的にどうなるってことですね。全体的に縮んでしまう、全体的に腫れ上がる、こういうのはびまん性疾患。

 結節性疾患っていうのは、全体が、ではなくて、どっかに何かができます、と。例えば顔を見るとホクロが一つある。こういう感じかな? 全体としておかしいわけじゃないけど、部分的に何かおかしいとこがある。そういうのを結節性疾患と言うわけです。

 今これ話してるのはですね、甲状腺を扱う超音波の学会があります、えぇそれのターミノロジーですね、用語検討委員会というのが、そこで決めてる言い方です。

 えぇ、結節性疾患が今回問題になってるわけです。でこれは、その専門の先生たちによる委員会によると、この結節性疾患をのう胞性結節と充実性結節に分ける、という風になってます。

 えぇ、のう胞性結節なんて何かおかしいんじゃないかってね、感じると思うんです。医学的にはですね、他の臓器もみんなそうです。のう胞みたいなものも結節なんですね。これはびまん性のものに対する結節性のものという意味で、実際に甲状腺の超音波のガイドブックなんかを見ると、こういう分類です。

 のう胞性結節と充実性結節。これが多分、山下先生たちの言う結節(充実性結節を指差す)、これが多分山下先生たちの言うのう胞(のう胞性結節を指差す)に一番近いんだと思います。

 で、これはインチキをやっているというわけではないです、多分。学会が作った本にも、のう胞性結節は2センチぐらいを超えたところで問題が起きると言われている、20ミリですね。充実性結節は5ミリを超えたあたりから問題が起きると言われている。

 ですから、のう胞20ミリ、結節5ミリって言うのはそういうことだと思います。
ですから、のう胞20ミリ、結節5ミリって言うのはそういうことだと思います。

 えぇ、おそらくあの、僕は別に友だちでもないし知り合いでもないんですけど(想像しますと)、のう胞性結節、こう袋みたいになったものを雑だけどのう胞って言っちゃえと。それから、何かそこにクリッとしたものがあるものを、しこりとか結節と言ってしまえと。で、5ミリと20ミリ、これはマススクリーニングのやり方ですね。何千人、何万人ていう人をいろんな検査者が、えぇ、それは多分手技のうまい下手もあるだろうし、機械も多少違うかも知れないし、その日の調子によって超音波ってかなり写り方変わったりしますから、マススクリーニングの手法として、20ミリののう胞性結節と5ミリの充実性結節で、そこから分けて、網を引っかけて、で、そこから絞り込んでいくっていうのが、一番効率が良くって、でぇ、多数の人を検査するのにいいだろうって考えたんだと、僕は思います。

 えぇ、この辺はですね、あのぅ医者って何かむつかしいこと言って煙に巻くみたいに思われちゃうと困るんですけれども、やっぱりこの、言語をですね、単語をちゃんとやっていかないと、あとになって、こう、話が合わなくなってきちゃうので、エッ、ここはこれで押し通させてください。

 のう胞性結節っていうのは、びまん性じゃなくって何かこうクリッとしたものがあった時に、それがそののう胞みたいです、っていうことです。のう胞みたいっていうのは、じゃあのう胞かって言われるとのう胞じゃないんですよね。のう胞っていうのの定義は非常に厳しい定義があります。

 例えば肝臓にはのう胞ができます、すい臓にものう胞ができるし、脳みそにものう胞ができるし、ただ、甲状腺には純粋なのう胞はほとんどできないと言われている。

 だからえぇ、まぁそういうこと言い出すときりがないけど、のう胞性結節と言わせてください。

 のう胞性結節、これはあのぅ、のう胞がどうのこうのって、どっかで調べたら何%あるとか、長崎はどうだったとか、チェルノブイリがどうだったとか、こういう話の、いわゆるのう胞ですけど、これのほとんどは、僕が見てですね、コロイドのう胞と、腺腫様結節と、腺腫様甲状腺腫っていう、こういう診断がつくものです。

 大体この三者は同じものを示してます。腺腫様甲状腺腫っていうのは、英語で言うとアデノマタス・ゴイター(adenomatous goiter)って言うんですけど、そもそもがこういう、超音波なんかがなかった時代に、甲状腺がこう、プクッと腫れてると、目で見て腫れている甲状腺腫、それをよく見てみるとこういうのう胞性結節がたくさんあるものって、こういう意味なんですよね。

で今回は超音波で、さわっても分からない、外から見ても分からないものがたくさん見つかってます。これは、大きさはそうだし、柔らさがまわりとあんまり変わらないと、とても触れて分かるもんじゃないですね。そういうものを超音波的に、あるいは病理学的に分類するとコロイドのう胞だし、腺腫様甲状腺腫っていう、ちょっと気を遣った言い方をすれば腺腫様結節と、まぁ大体こんなようなところですか。

 だから、あの先生に診てもらったら腺腫様甲状腺腫って言われたけど、三田がコロイドのう胞って言ったっていうのは同じことを言ってるわけです。

 のう胞様結節、これは良性腫瘍、がんじゃないような腫瘍、こういう腫瘍、充実性の良性腫瘍にものう胞状の部分ができることがあります。ですから良性腫瘍に伴うのう胞性結節っていうのあります。がんでものう胞性の変化を、えぇ、来すものがあります。

 充実性結節っていうのは簡単に言って良性腫瘍とがんで、クリッとしたものですよね。で、例えばあのぅ、結節小さいうちっていうのは、一様、大体一様なんですけれども、ほかの臓器でもそうですけど、がんていうのは無秩序に増殖しますから、ですから栄養が行き渡らないところは崩れて液状に溶けちゃったりすると、がんに伴うのう胞性変化とか、まぁ、こういうことになるわけですね。

 だから、とても甲状腺の病気をのう胞と結節なんていう風に二つに分けることは無理なんで、さっき言ったように、マススクリーニングの手法として20ミリのう胞、5ミリ結節、ここでズーッと甲状腺扱ってた先生たちは分けてきたし、今回のこともそこで分けることにあんまり問題はないと思います。

 えぇ、ただ、こういうものがあった時には僕は、3ヵ月後、6ヵ月後に調べるべきだとは思いますけどね。



II-3 再びエコー画像の説明

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 で、もう1回これさっきの写真なんですが、これはそのまぁ甲状腺を見ています。え、これはびまん性の変化のない甲状腺です。ここにこうやって黒くクリクリっとあるのが、これがあの、典型的なコロイド嚢胞です。まぁ結節なんですね、これもね。嚢胞性結節。 でこの黒い所っていうのは、あの、このグレーの所ありますよね。これまったく一様(いちよう)のように見えるけれども、顕微鏡で見ると、ここはね、あの、これはスポンジみたいな構造です。

 スポンジみたいな構造の中にコロイドといわれる物質が詰まっている。そこに甲状腺ホルモンが沢山溜まっていて、で血液の中にこれが流れ出して、ホルモンの調節をする訳ですけれども。そういうそのコロイドを含む、そういう何て言うかな、まぁ隙間ですよね。それが大っきくなっちゃったようなもんです、これは。

 ですから新しくできた病気というよりは、甲状腺がちょっと、壊れて、こういうふうに水が溜まったというのかな。水が溜まったっていうんじゃないですね。目に見えるぐらいの大きさになったという、そういうものです

 この白い所っていうのが、今回あの、いろんなところで石灰化と間違われているんですけれども。これはね、あのぅコロイドの中に、ちょっと出血した血液の塊とか、それから中に落ちた細胞の塊とか、そういうものが、こう変性して白くなってるって、いうふうに考えられてます。

 え、タテに切ってもまぁ、だいたい同じような感じですね、こういうふうに。

 こういうその、コロイド嚢胞ですね。だいたい3ミリ止まりだと思いますけど。3ミリ止まりのコロイド嚢胞が多発するっていう子供は、沢山います。3割ぐらい僕の経験ではいます。え、もう検査を始めて2年以上になりますけれども、当初こういうものがあって、僕もこれまで実際見たことがなかったんです。大人の甲状腺にはこういう、こういうスタイルのコロイド嚢胞の多発っていうのは僕は見たことがないです。ですから子供に特有なものだと思います。

 えぇ、だと思います、思いますって、随分いい加減だなって思われるかもしれないけれども。

 実はですね、子供の甲状腺検査ってまだほとんど行われたことないですから、ですから今が、子供の甲状腺のエコー検査の「診断学」の始まりですね。だから、この機会を本当は大切にして、えぇ、もう1年目2年目からどんどんやってくべきだったと思うけど、3年経っちゃったって、まぁそういうことですね。



II-4 内科か外科か

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 えぇともう1回、しつこいです。
甲状腺の病気としては、先ほど言いましたように、びまん性疾患と結節性疾患ってのいうのがあります。

 びまん性疾患ってのはですね、機能異常があるかどうかっていう、そういうような病気ですね。たとえばバセドー氏病とか、それから橋本病とか、こういうものは結節性じゃなくて、びまん性疾患です。
こういうものは内科的な疾患です。

 ですから、内分泌のホルモンの量とか、それの補正とか、そういうことが中心になってくるので、びまん性疾患を扱うのが内分泌内科、あるいは内分泌科、甲状腺科というそういう看板を出してる先生の、主な仕事だと思っていただきたい。

 それに対してですね、今回みんながとっても心配しているのは、この下のこの結節性疾患ですよね。結節性疾患ってのいうのは、イコール腫瘍なのかどうなのかっていうね。腫瘍だったときに、良性なのか癌なのか、まぁこういうことだと思います。

 ちょっとこんなに言い切っちゃっていいのかという(笑い)、そういう意見もあると思うけど、これは僕の、あのぅ診療していて感じることですね。

 結節性疾患を扱う、だから腫瘍の手術をするかどうかってことです。
さっきあの、おっしゃっていたようにニードルバイオプシー、針生検ね。針生検は内科の先生もするかもしれないけども、やっぱりそれを最終的に取る外科の先生の仕事です。

 でこういう結節性疾患、まぁ腫瘍、甲状腺癌、甲状腺腫瘍を扱うのは内分泌内科ではなくって、普通は耳鼻科の先生であり、頭頚部外科の先生です。内分泌外科っていうふうに名乗っている先生もいるかもしれないです。

 ですから今回子供の甲状腺のことを、「内分泌」って看板を出してる先生に「診てくれ、診てくれ」って言うのはちょっと無理があると、思うんです、実はね。

 で僕なんかも、僕はあの、大学は信州大学なんです。菅谷先生の学校です。あの、同級生に聞くと、菅谷先生に教わって講義面白かったっていうんですけど、僕はよく覚えていないんですけど、実は(笑)。菅谷先生の一応教え子っていうことになってます。

 で、とても厳しいです、信州大学は。甲状腺に関して。
これは、長野県っていうのは甲状腺疾患の多発地帯だったんですね、海がないから。だから地方性の甲状腺腫なんて、こんな大きな写真なんかをよく見せらましたし、試験も厳しかった。

 で東京に帰ってきて、卒業して帰ってきて、病院で甲状腺のことをちょっと困ったときに、まわりを見てみると、東京にはね、甲状腺の病気が得意な人はあまりいないんですよ。



II-5 甲状腺まとめ

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 えぇと、あ、こっち跳んじゃいました。すみません。じゃ、これいきますね。

 えぇと、まず甲状腺がんという病気。これは、今、子どもの甲状腺がんの問題になっているけれども、えぇ、高齢者の病気、なんですね。あるいは、今までは、そういう理解だった。だから甲状腺がん、40代で、無い事はないんだけれど、あの、甲状腺がんを扱い慣れている先生たちは、「放っておいても、だいじょうぶなんだよ。もうちょっと待ってもだいじょうぶだよ。」っていう感じです。甲状腺がんは進行してから手術してもだいじょうぶである、あった、今まではね。

 だから「ちょっとグリグリしたものが大きくなってきました。」と、そういうのをすぐに甲状腺、内分泌内科などの先生に見せても、「こういうのはまだ学会のガイドラインではいいんですよ。」って言う。「どんどん大きくなっても、大きささえ大きくなければいい。」みたいなことを、平気で、今までは言われました。

 小児医は甲状腺疾患の経験がない。これはね、ほとんどないと思います、小児科医には。えぇ、上に書いてあるように甲状腺がん自体が高齢者の病気であるし、小児科が診る甲状腺疾患というと、さっきのびまん性の機能性障害ですよね。甲状腺機能低下症とか、バセドウ氏病とか、まぁ、それくらい。

 で、「私は小児甲状腺の専門です。」っていう小児科の先生と、今回何人か話をしましたけれども、「甲状腺がんは診た事がない。」と、みんな言っています。それから、小児甲状腺の専門医の先生は、「超音波を触ったことがない。」と、みんな言います。当然、自分で器械を持ってないです。ですから、小児科の先生に「子どもなんだから、甲状腺を診てくれ。」というのは、やっぱり無理なんです、これは。

 えぇ、東京は甲状腺疾患が少ない土地であった。さっき言ったとおりですね。 病院に入って見回してみると、誰も甲状腺のことをよく知らない。で、こんなに大きな都市で、何千万もこの地域に住んでいるのに、「伊藤病院」くらいで事足りてたんですね。こんなところに、病院ひとつで足りていいわけがないけれども、やっぱり、その、東京には甲状腺疾患が少なかったので、東京の医者というのは、甲状腺に対してのセンスは悪いと僕は思います。

 それから、甲状腺エコーは発展途上。これはあのぅ、デジタルの器械が出始めてどれくらいになるんでしょうか?10年くらいになるのかな。で、それまでのアナログの器械と今のデジタルの器械は、見え方がまったく違います。それから、デジタルの機器というのは、テレビでも何でもそうだけれども、まぁ、4年、5年経つと、もう世代が違うんですね。ですから、昔の10年、15年前のいろんな論文と比べてどうだというのは、ちょっとナンセンスなんじゃないかと思います。

 「じゃあ、比べようがないじゃないか。」と言われちゃうかもしれないけれども、比べようがないですね、今ね。だから、昔の事と比べているよりは、みんなでこれからどんどんどんどん検査をして、症例を積み重ねていくっていう事が大事だと思います。大事だと思って、僕はずいぶん訴えたつもりなんですけれど、なかなか乗ってくれる医者はいませんでした。

 えー、甲状腺がんはヨウ素のみが原因ではないらしい。やっぱりヨウ素が原因だっていうふうにベースはそうなんでしょうけど、IAEAもそう言っていうだろうし、WHOもそう言っているかもしれないけれども、ベラルーシとかウクライナに行った先生、僕はちょっと暇がなくてまだ行ってないですけど、行った先生たちが、向こうのドクターと話をして来ると「どうもヨウ素だけじゃなくて、セシウムとか他の核種も関係しているらしい」って、向こうの先生たちは思っているみたいです。ですから、ヨウ素だけなんだから、っていうことで話を進めるのは、前提として僕は間違いじゃないかと思うんですね。

 放射能が甲状腺腫瘍に与える影響。これは、もともと高齢者の病気で、たぶん、若い時に小さいのが出来たのが、だんだんだんだんゆっくりゆっくり大きくなると、しばらく進行してから手術して、たとえば「リンパ節転移があってから手術をしても、多くの甲状腺がんが大丈夫なんだよ。」っていう、そういう感覚が、今まで甲状腺を扱って来た先生たちにはあるんですけど、今回被ばくしましたからね、僕たちは、大いに。

 子どもたちだけではなくて、甲状腺腫瘍、たとえば、30年かけてようやっと表在化するようながんが、もしかしたら半年で大きくなっているかもしれない。それから、ある程度大きくなっても転移しなかったようものが、小さい時点で転移しているかもしれない。

 あの、甲状腺の検査もそうですけれど、子どもたちだけではいけないと思います、いろいろ調べるのは。全年齢が調べるべきです。で、うちに子どもたちが心配で連れて来るお父さん、お母さんのエコーもやっています。千何百人、延べにすると、2000人以上はやっているんですけれど、複数回やっている人もたくさんいますから。

 東京近郊あるいは関東地方ぐらいですかね、の子どもに関して言えば、子どもの甲状腺の、さっき言った結節性の疾患ですね、のう胞みたいなもの以外の充実性結節、ですから良性腫瘍も含めて腫瘍は僕はほとんど診た事がないです。

 大人の、お母さん、お父さんには、もう癌が何例も見つかっています。40才ぐらい。で、一番若い人は30代のお母さんで、6ミリぐらいの癌です。で、リンパ腺は腫れてないと思ったんだけれども。耳鼻科の先生にね、えー、内分泌じゃないですよ、耳鼻科の先生に頼んで手術をしてもらったら、リンパ節に転移していました。

 ですから、今後は、こういうその、「今までの常識とは違うかもしれない。」という目で見ないと、甲状腺に関してもですね、たいへんイヤな思いをするかもしれない、と思います。

 えぇと、甲状腺にみなさん一番興味があるかもしれないけれど、甲状腺の話はこれくらいで、終わりにさせてください。
















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