高1同級生殺害:逮捕の少女1人暮らし 校長「ただ驚き」
毎日新聞 2014年07月28日 07時20分(最終更新 07月28日 10時36分)
頭部や手首が切断された高校1年女子生徒の遺体が見つかったのは、同級生の女子生徒が1人で暮らすマンションの一室だった。長崎県佐世保市で27日に発覚した高校1年同級生殺害事件で逮捕された女子生徒(15)は「すべて私がやりました」と認める一方、反省や悔悟の言葉は出ていないという。「なぜ」「2人に何があったのか」。衝撃的な事件に、市民は震えた。【梅田啓祐、尾垣和幸、志村一也】
「悔しい。悲しい。ただただ驚いている」。2人が通う高校の校長は27日に学校で記者会見し、事件について憔悴(しょうすい)し切ったように語った。
校長によると、殺害された松尾愛和(あいわ)さん(15)と逮捕された同級生は中学も同じ学校だった。松尾さんは写真部に所属していたといい「明るくて面倒見がよい生徒だった。1学期は無欠席で学習にも真面目に取り組んでいた」。
2人が通う高校は進学校で、3日前の24日には松尾さん、母親、担任教諭の3者面談があり、松尾さんは「大学は文学部に」と進学希望を話したという。
今後について、校長は「亡くなった松尾さんのご遺族に対し、おくやみを申し上げ、心をこめてケアにあたる。28日に全校生徒を登校させて一人一人の精神状態に配慮したい」と語った。
住民にもショックが広がった。長男が2人と同級生で同じ高校に通っているという男性(53)は「まさか子供の学校でこういう事件があるとは」。長男は部活動で学校に行って事件を知ったといい、帰宅後はショックで寝込んだという。
松尾さんの幼少期を知る青木一嘉さん(79)は「弟が2人いて面倒見の良い子だった。家族も家庭的で幸せそうだった」と沈んだ表情で語った。
2人が通っていた高校の校長によると、逮捕された女子生徒は「校内で唯一、両親と離れて1人暮らししていた」という。「担任やカウンセラーが定期的に連絡を取っていた」とも述べたが、1人暮らしをしていた理由については「少女の特定につながる」として説明しなかった。また、校長は「2人は普通の同級生でトラブルがあったかどうかは把握していない」と語った。
住民によると、逮捕された女子生徒は昨年、病気で実母を亡くし、その後父親が再婚したという。また、父親は「しっかりしているから1人暮らしさせている」と話していたという。