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こんにちは!アプリマーケティングエンジニアの鈴木です。
これまでのコラムでもご紹介のとおり、ASO(アプリストア最適化)においてはタイトルや説明文、キーワーズなどのテキスト要素に埋め込むキーワード収集と選定が重要です。
今回はアプリストア内検索で露出を増やすことに焦点を当てたうえで、各テキスト要素にキーワード設定を行うちょっとしたコツをご紹介できればと思います。
<目次>
1. アプリストア内検索のためのキーワード設定のコツ
1.1 各テキスト要素とアプリストア内検索との関連性
1.2 メインキーワードとサブキーワードに分ける
1.3 メインキーワードの数について
1.4 各テキスト要素にキーワードを設定する
2. 形態素解析を意識する
3. 最後に
1. アプリストア内検索のためのキーワード設定のコツ
1.1 各テキスト要素とアプリストア内検索との関連性
まずキーワード設定の前に各テキスト要素とアプリストア内検索との関連性を知っておく必要があります。これらの関連性は弊社アプリによるASOの実験で導き出したものになります。
◯:検索にヒットし、検索順位に大きく影響する
△:検索にヒットし、検索順位にはあまり影響しない
×:検索対象とならない
(※2014年7月24日現在。今後アルゴリズム変更の可能性があります。)
<Google Play>
•タイトル(文字数制限:30文字まで)キーワードの含有率(※1)が検索順位に大きく影響します。含有率が高いほど検索順位が上がる傾向があります。
•説明文(文字数制限:4000文字まで)
検索順位にはあまり影響しませんが、キーワードの含有率が微妙に影響する可能性があります。
•プロモテキスト(文字数制限:80文字まで)
検索順位にはあまり影響しませんが、キーワードの含有率が微妙に影響する可能性があります。実験においては一部のアプリで、検索順位が大きく上がった事例もみられました。
<App Store>
•タイトル(文字数制限:255バイトまで)含めたキーワードの検索順位が上がる傾向があります。含有率の影響は見られませんでした。
•説明文(文字数制限:4000文字まで)
検索の対象となりません。
•キーワーズ(文字数制限:100文字まで)
検索順位にはあまり影響せず、含有率の影響も見られませんでした。
※1:含有率とはテキスト要素内に占める特定のキーワードの割合
これらを踏まえた上で、それぞれのテキスト要素にキーワードを設定していきます。
1.2 メインキーワードとサブキーワードに分ける
キーワードを設定する上で、まず収集、選定したキーワードをメインキーワードとサブキーワードに分けます。
ここでいうメインキーワードとはアプリストア内において検索順位を上げたいキーワードです。
サブキーワードとは検索にヒットさせたいキーワード、またはメインキーワードと親和性の高い複合検索のためのキーワードとなります。
1.3 メインキーワードの数について
メインキーワードは収集、選定したキーワードから、さらに一つから三つほどに絞ります。そしてアプリのタイトルにメインキーワードを含める事は必須になります。(Google Play、App Store共通)
なぜメインキーワードを絞るかというと、タイトル名に多くのキーワードを詰め込んだときに、Google Playの場合、キーワード一つあたりの含有率が下がり検索順位が上がりづらくなるためです。
App Storeの場合、キーワードスパムと見なされ、審査が通らない可能性があるためです。
そのため、三つまでに絞るのが良いかと考えています。
サブキーワードは、Google Playの場合は説明文・プロモテキストに、App Storeの場合はキーワーズに含めます。
1.4 各テキスト要素にキーワードを設定する
各テキスト要素に先ほど分けたメインキーワードとサブキーワードを設定します。
<Google Play>
•タイトルメインキーワードを含めます。
含有率が影響するため、メインキーワードの数を少なく絞るほど、含めたメインキーワードの検索順位は上がりやすくなります。また、タイトルの長さをできるだけ短くしたり、同じメインキーワードを複数含めることで含有率を向上させることもできます。
•説明文
メインキーワードとサブキーワードを含めます。
検索の幅を広げられるように、説明文中にできる限り多くのキーワードを詰め込みます。しかし、アプリと全く関係のないキーワードや単なるキーワードの羅列(「、」区切りによる羅列)はスパムとみなされますので注意してください。
•プロモテキスト
メインキーワードと優先順位の高いサブキーワードを含めます。
<App Store>
※今回はアプリストア内検索に焦点を当てているため「説明文」の箇所は省きます。•タイトル
メインキーワードを含めます。
含有率の影響はなく、含めたキーワードの検索順位が上がる傾向があります。そのためタイトルにはキーワードをできる限り多く含められると良いです。しかし、審査に通らないリスクが高まるため注意してください。
•キーワーズ
サブキーワードを含めます。
文字制限100文字を有効に使うため、タイトルに含まれるキーワードはキーワーズには含めないようにします。
2. 形態素解析を意識する
キーワード設定の際に気をつけなければならないことは、アプリストア内検索では、形態素解析し、分割されたキーワードが検索対象となるため、設定したと思っていたキーワードが検索対象とならない場合があることです。
特にApp Storeの場合です。Google Playの場合、あいまい検索などで検索条件が完全一致していなくても、一定のルールのもとで抽出した検索結果を返してくれますが、App Store内検索の場合、検索対象として返してくれないことがあります。
以下に、App Storeでの検索における事例を交え、その際の対策となるキーワーズ設定の例を示します。
①「コーディネート」を形態素解析した場合、
(※形態素解析エンジンはmecabを使用)
App Storeでは「コーディネート」は一つのキーワードとして判定されます。そのため「コーディネート」は検索対象となるが、「コーデ」は検索対象となりません。
「コーデ」というキーワードを検索対象としたい場合には「コーディネート」とは別に「コーデ」も含めなくてはなりません。
→ キーワーズ設定の例:「コーディネート,コーデ」
②「ファッションアプリ」を形態素解析した場合、
App Storeでは「ファッションアプリ」は一つのキーワードとして判定されます。そのため「ファッション」「アプリ」というキーワードは検索対象とならないだけでなく「ファッション アプリ」という複合キーワードの検索対象にもなりません。
•「ファッション」「アプリ」「ファッションアプリ」「ファッション アプリ」を検索対象としたい場合、
→キーワーズ設定の例:「ファッション,アプリ,ファッションアプリ」
•「ファッション」「アプリ」「ファッション アプリ」を検索対象としたい場合、
→キーワーズ設定の例:「ファッション,アプリ」
③「女子力」を形態素解析した場合、
App Storeでは「女子力」は「女子」と「力」の二つのキーワードとして判定されます。そのため「女子」「力」「女子 力」というキーワードは検索対象になります。この場合「女子力」というキーワードも複合キーワードの検索とみなされ検索対象となります。
→キーワーズ設定の例:「女子力」
3. 最後に
ここまでテキスト要素へのキーワード設定方法とちょっとしたコツについて書かせて頂きました。
しかしキーワード設定は一つのアプリにつき一度きりやればいいというわけではありません。
なぜなら、アプリを運用していくなかで、検索経由ダウンロード数の向上に効果があるキーワード、効果がでないキーワードを特定し、キーワードを改善していく必要があるからです。
ちなみにASOのキーワードチューニングをPDCAサイクルで捉えると、今回ご紹介したキーワード設定は一番最初の工程です。
弊社で提供しているApp ScopeのSDKでは各キーワードごとの検索経由ダウンロード数を測定することができ(※Google Playのみ)、上記のPDCAサイクルを回すことが可能です。
キーワード選定に悩む時間も減らせるかと思いますので、興味がありましたらお気軽にご相談ください。
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