温度Tのときの
鉄中の炭素濃度がx%の
平衡状態のときの組織が示してあります。
平衡状態なので
その温度に保持したときの組織と考えることができます。
例をあげると、
まずオーステナイト(以下、γ)域で保持してγ単相にします。
ここからゆっくり冷却(徐冷という)
した場合の組織をFe-C系平衡状態図から予測できます。
ここで徐冷であるのは
平衡変態(平衡状態を保ったまま変態)しているとみなすためであり、
また実際、徐冷ならほぼ平衡変態になります。
炭素濃度が
0.4%、
0.8%、
1.2%の
3種類のγ単相からの冷却を考えていきます。
まず0.4%の場合、
820℃付近で一本目の線と交わります。
この一本目の線はγからフェライト(以下、α)が
析出を開始する境界線です(昇温の場合はαが全部γになる境界線)。
αとγの相比はこの線と縦軸に近いところにある線の間の
てこの法則により求まります。
さらに冷却していくと二本目の線と交わります。
この線はこれ以下の温度ではγが存在できない温度を示しています。
つまりこの線の直上で残っていたγが、直下で一気に全部αに変わります。
これより冷却しても相、組織は変わりません。
次に先に炭素濃度が1.2%の場合を考えます。
基本的には先ほどと同様です。
γ単相の温度から冷却すると1150℃付近で一本目の線と交差します。
この線はγからセメンタイト(以下、Fe3C)が析出する境界線です。
析出する量はこの一本目の線と炭素濃度6.7%の縦線の間のてこの法則で求まります。
さらに冷却すると先ほどと同じ二本目の線と交差します。
この線の直下で残っていたγは全てFe3Cに変態します。
ここで二本目の線より下で
0.4%の場合はα、
1.2%の場合はFe3Cとなるのは、
0.4%の場合はFe3Cの析出開始線を越えておらず、
また1.2%の場合はαの析出開始線を超えていないためです。
最後に0.8%の場合ですが
3本の線が交わる点(共析点)まではγ単相です。
共析点はαの析出開始線とFe3Cの析出開始線の交点ですので、
この点の直下でγはパーライトというαとFe3Cの層状組織を形成します。
オーステナイト
Fe-C系合金において普通723°C以上の高温度でだけ存在する組織でCを最大2.06%まで固溶でき、やわくかくねばい性質を持っている。
フェライト
α-FeにCを固溶した組織であるが、
その固溶量がきわめて少ない(最大0.020%)ので、
普通α-Feそのものと考えてもよい。
やわらかく摩耗には弱いがねばく、
展延性に富んでいる常温では強磁性体である。
セメンタイト
Fe-C系合金で6.67%Cのところで生ずるかたくてもろい金属化合物である。
延びがぼとんどなく、普通は板状の割れやすい結晶として存在する。
常温ではかなり強い磁牲体であるが加熱して210°~215°Cになると常磁性体に変化する。
この磁気変態点 をA0点という。
パーライト
微細なフェライトとセメンタイトが層状に混合した組織で、
機械的性質はこの2相の中間的なもので、ねばり強い性質を持っている。
はじめまして、私、広島県職業能力開発協会
ものづくり技能マニュアル作成を担当して
おります野口と申します。
金属熱処理職種(一般熱処理作業)における
技能をマニュアル化する仕事に 取り組んで
おります。
ネットで『金属熱処理のあれとこれ! Fe-C系
平衡状態図』を拝見しまして画像がわかりやすく、ぜひ、技能マニュアルに転載させて頂けたらと思いメールを差し上げました。
突然のことで驚かれたと思います。
金属熱処理技能の発展のためご協力お願い
申し上げます。
※大変申し訳ないのですが転載に係わる費用
の発生はございませんので以上を含めまして
ご判断お願い致します。
以上
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広島県職業能力開発協会
ものづくり技能マニュアル作成事業
専任スタッフ 野口 賢治
noguchi@hirovada.or.jp
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