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祖父の精子で体外受精、17年で118人誕生

読売新聞 7月28日(月)7時35分配信

 夫婦以外の卵子や精子を使った非配偶者間体外受精の実施を国内で初めて公表した諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町、根津八紘(やひろ)院長)は、これまでに夫婦79組が、夫の実父から精子提供を受け、118人の子どもが誕生したとする結果をまとめた。

 31日、東京都内で開かれる日本受精着床学会で発表する。

 同クリニックによると、1996年11月から昨年末まで、夫に精子がない110組が、夫の実父(50歳代〜70歳代)の精子と妻の卵子で体外受精をした。子どもを得た79組中19組が2回以上出産した。移植1回当たりの妊娠率は38%だった。

 非配偶者間体外受精に関する法規定はないが、日本産科婦人科学会(日産婦)は体外受精を夫婦間に限っている。一方、厚生労働省審議会は2003年、匿名の第三者からの体外受精を認める報告書を出し、兄弟姉妹らからの提供は人間関係が複雑になりやすいなどの理由で当面は認めないとした。

 匿名の第三者の精子を妻の子宮に注入する非配偶者間人工授精では、国内で49年以降、1万人以上が生まれたとされる。日産婦も97年に追認している。

 国内の多くの医療機関では、精子がない夫婦が子どもを望む場合、選択肢として非配偶者間人工授精と養子縁組のみを示している。

 根津院長は「身内からの提供を望む夫婦は少なくない。カウンセリングを重ねて、慎重に行っている。血のつながりがあった方が、提供者家族も含めて良好な家族関係を築きやすい、出自が明確になるという面もある」と話している。

最終更新:7月28日(月)7時54分

読売新聞

 

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