大都市郊外の働く母は「モールと生きる」

百貨店はもういらない!? モールですべてが事足りる

 郊外のショッピングモールは、今や下流ファミリーのたまり場ではない。あらゆる層のニーズを満たし、若者からお年寄りまで続々と押し寄せるパワースポットと化した。中でも人気なのが、「イオンモール」と「ららぽーと」だ。商業施設の巨大化・進化につれて、そこに集う「イオニスト」「ららぽーたー」が増殖している。
 人々は何に魅せられてショッピングモールに行くのか? 人気ショッピングモールの背景を5日連続で分析する。2日目は、東京で働き、郊外で暮らすワーキングマザーに、「モールと生きる人生」を伺う。
1日目「地方都市は『ほどほどパラダイス』になった!」はこちら。

 

DA PUMP、きゃりーぱみゅぱみゅがモールでライブ!

ヒップホップダンスボーカルユニットのDA PUMPが、今年2月から6月まで、イオンモールを中心に全国ツアーを開催した。題して「EVOLUTION TOUR 2014」。これはDA PUMPのバリューが下がったのか? それともイオンモールのバリューが上がったのか? 上がって「トップバリュ」になったのか?

日本が世界に誇るカワイイのカリスマ、きゃりーぱみゅぱみゅも、この7月に3rd アルバム「ピカピカふぁんたじん」の発売を記念して、イオンモール香椎浜(福岡市)やイオンレイクタウン(越谷市)でミニライブと握手会をしている。

「今、ショッピングモールってすごいんですよ! 巨大だし、おしゃれだし、芸能人がライブをやっても全然、おかしくない。私、モール、大好きで毎週、行っています!」と熱く語り出したのは、東京の出版社に勤務するW子さん(30代)だ。千葉に住んでいて、「モールは生活のすべて」と言い切る。

毎週土曜日は家族4人でららぽーとへ

ららぽーと柏の葉

W子さんは毎週土曜日の午後、ららぽーと柏の葉(柏市)に夫と娘2人と車で15分かけて行く。6歳の長女が、ららぽーと内のピアノ教室でピアノを習っているからだ。

W子さんがレッスンに付き添っている間、夫は3歳の次女を子ども用の遊び場へ連れていく。ピアノのレッスンが終わったら、家族4人が合流する。

「私も夫も服が好きなので、服のテナントを見て回って、たいがい散財します。子どもは広い通路をキャーキャー言って走り回っている。夫は疲れて通路のいすでガーッと寝てたりも……」。夫婦で、ららぽーたーなのだ。

夕方になると、ほぼ決まってららぽーとのフードコートにあるスシローへ。「私、土曜日はご飯を作る気がないので、ららぽーとで食べて帰ります」。

ららぽーと内のスシロー

もちろんフードパークにはほかの飲食店もたくさんあるが、「面倒くさいから、毎回スシロー(笑)」。こんな調子だから、ららぽーとを出て別のレストランに車で移動することはまずない。

こうして家族4人が毎月、ららぽーとで消費する金額は7~8万円也(ピアノ教室の月謝7000円を含む)。子どものお稽古事のために毎週、家族でやって来て、服と食事におカネを落としていく。これは、ららぽーと側の戦略の勝利だろう。

ららぽーと柏の葉のクリスタルコート
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