[DTP向け]Source Han Sansの使い方 その3
三点リーダーに注意
様々なリリースをしているSource Han Sansですが、それぞれの言語機能は異なります。その中で、唯一共通していて同じものがひとつだけあります。「三点リーダー」です。
Source Han Sansは日中韓フォントなので、三点リーダーは、上図左側のものがデフォルトです。そして、上図右側は点々が下にずれている欧文用のものです。Source Han Sansには、ラテン系言語にすると三点リーダーが欧文用になる言語機能があります。
実は、これがまともに機能するのはInDesignのみです。
Illustratorの場合
Illustratorは、文字パネルの[言語]に日中韓がなく、デフォルトは「英語:米国」です。私たちがIllustratorで日本語の文字を扱うときは、このデフォルトのままですよね。ところが、Source Han Sansは「英語:米国」だと常に三点リーダーが欧文用になってしまいます。
一番手っ取り早い解決方法として、三点リーダーをラテン系言語以外(アラビア語やヒンディー語など)に設定してしまう方法が考えられます。そうすると日中韓デフォルトの三点リーダーの方になります。
しかし、Illustratorには不具合があって、実はこれもうまくいきません。Illustratorで[言語]の設定が効くのは、行頭の一文字だけです。行頭一文字の言語設定が行末まで影響し、文中や文末で部分的に言語設定を変更しても反映されません。今のところ、根本的な解決方法はありません。
フォントのせい? アプリのせい?
Source Han Sansは、OpenTypeの言語機能を利用して複数言語の切り替えを試みた先進的で画期的なフォントです。そのため、アプリ側の方が後塵を拝する形で言語機能に対応する必要があります。今この時点では、Source Han Sansが使いにくいことは確かです。しかし、それを非難するよりも、Source Han Sansが(DTPだけでなくWebブラウザやシステムも含めて)日中韓の言語環境を先頭に立って牽引する役を担っている点を評価すべきでしょう。