宮古支局長 阿部浩明
2014年7月28日05時53分
壊滅的な被害を受け、3年1カ月ぶりに全線開通した岩手県の三陸鉄道。津波で流失し、復旧が最後となっていた北リアス線島越(しまのこし)駅(田野畑村)の駅舎が今月中旬に新築され、27日に窓口営業を再開した。
駅周辺にあった100軒ほどの民家はすべて流された。がらんとした空間に、ドーム形の屋根をもつメルヘンチックな洋風の駅舎だけがぽつんと立つ。4カ月前、三鉄復活を祝う歓声に包まれ、大漁旗が揺れた島越地区は、いまはすっかり静まりかえっている。
被災住民の多くは内陸部や高台団地に移転。地区の人口は約160人(27%)減った。自宅が標高約23メートルにあり、駅周辺でただ1軒流失を免れた早野さち子さん(62)は「これが震災後の現実なんだと実感しています」とつぶやいた。
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