コロラド州では現在、「スターバックスの数よりはるかに多い」(デンバー市民)530以上の販売店に若者らが殺到している。もともと医療用大麻販売店だったザッカーさんの店では、昨年比で約12倍の1日約500人が押し寄せている。これに伴い、店員を4倍の16人に増やした。
解禁に伴い、業界から州政府に転がり込んでくる税収は毎月200万ドル(約2億円)~350万ドルに上り、なお増加傾向にある。
観光業にも変化が起きている。コロラド州はスキー客や自然愛好家に人気だが、デンバー国際空港のインフォメーション係、ジョン・トミルソンさんは、マリフアナ吸引も同時に楽しむ“マリフアナ・ツーリスト”が「確実に増えている」と苦虫をかみ潰したような表情で教えてくれた。
コロラド州でマリフアナは今や、「紛れもなく、カネになる作物」(販売店関係者)なのだ。
一方、解禁に伴う問題も相次いで表面化している。マリフアナを吸引中またはマリフアナの成分が体内に残った状態で車を運転するのは違法だが、こうした違法運転の検挙者数が5月末までに289人に上った。
このため、解禁による税収の大半を教育関係費に投じようと考えていた州政府は、「一部を取り締まりの経費に割かなければならない」(州政府職員)事態となっている。