2014.07.27
日本で革命が起こるはずがない
なぜ日本で何で革命が起こらなかったかと考えると、まず天皇を殺すメリットがない。ごく普通に考えて、天皇制を廃止したならば、天皇制の復活を目指す尊皇派が決起すると思われる。華族だけが天皇の味方ならいいのだが、誰でも尊皇派のサムライになれる。家柄が百姓でも、サムライとして決起するのが可能なのである。
幕末の孝明天皇(公武合体派)が暗殺された疑惑は、たいていの幕末史に書かれており、実際に暗殺された可能性は充分にあり得るが、これは王を断頭台に送るのとは違う。公式にはあくまで病没であり、公然と殺害したわけではない。そもそも暗殺だとしても、都合の悪い孝明天皇を秘密裏に葬り去り、明治天皇(睦仁親王)を担ぐわけだから、天皇制の崩壊などまったく目指していないのである。
こうやって下級武士が明治天皇を担いだというのが、誰でもサムライになれる(天皇の側近になれる)という物語を生んだ。2.26事件はまさにそれが醜悪な形で発露したものである。そもそも下級武士が明治天皇を担いで明治維新を起こしたという物語は必ずしも正確とは言えない。あくまで中山忠能という公家を味方に付けたから可能だったのである。中山忠能の娘の中山慶子は孝明天皇の側室として明治天皇を産んでおり、五歳まで明治天皇は中山邸で育っている。(その後も中山慶子は明治天皇の世話をしている)。要は中山忠能は明治天皇(睦仁親王)の実の祖父である。後の大正天皇も産まれてから七歳まで中山邸で育っているから、中山親子と明治天皇の結びつきは強い。王政復古の大号令の晩に開かれた小御所会議で倒幕の方針が完全に固まったわけだが、この会議の冒頭で開会を宣言したのは中山忠能である。
大室寅之祐という人物が(薩長が本物の明治天皇を殺して)明治天皇になったというデマを信じている人を見掛けるが、仮にそうであるとしたら、最大の山場である小御所会議に中山忠能が中心人物として参加し、開会宣言をするとかあり得ない。明治天皇(睦仁親王)の実祖父の中山忠能を味方に引き込んでいるのだから、殺してすり替える理由がひとつもない。中山忠能は孝明天皇存命時の禁門の変で長州側を支持しているし、この繋がりがあってこその明治維新である。
明治からの日本人は誰でもサムライというのは、要は徴兵制の発想ではあるが、ソビエトが全盛期の頃にマルクス主義者が革命を起こして皇居を焼き討ちにして昭和天皇を殺害したとしても、あの当時なら他に男系皇族がいろいろいるから、そっちを天皇にすればいいだけであり、そうなった場合、軍部がどちらにつくであろうか、と考えると、軍部そのものにマルクス主義が浸透しない限り、かなり革命は困難であると思われる。
たとえば(現実にはあり得ないが)明治維新の時に薩長が天皇制を廃止したら、江戸幕府だって、徹底抗戦したであろうし、ごく普通に薩長が滅ぼされていたと思われる。水戸藩出身の徳川慶喜は尊皇の人であるし、天皇を薩長に確保された段階で江戸城を明け渡すしかなかった。
幕末の孝明天皇(公武合体派)が暗殺された疑惑は、たいていの幕末史に書かれており、実際に暗殺された可能性は充分にあり得るが、これは王を断頭台に送るのとは違う。公式にはあくまで病没であり、公然と殺害したわけではない。そもそも暗殺だとしても、都合の悪い孝明天皇を秘密裏に葬り去り、明治天皇(睦仁親王)を担ぐわけだから、天皇制の崩壊などまったく目指していないのである。
こうやって下級武士が明治天皇を担いだというのが、誰でもサムライになれる(天皇の側近になれる)という物語を生んだ。2.26事件はまさにそれが醜悪な形で発露したものである。そもそも下級武士が明治天皇を担いで明治維新を起こしたという物語は必ずしも正確とは言えない。あくまで中山忠能という公家を味方に付けたから可能だったのである。中山忠能の娘の中山慶子は孝明天皇の側室として明治天皇を産んでおり、五歳まで明治天皇は中山邸で育っている。(その後も中山慶子は明治天皇の世話をしている)。要は中山忠能は明治天皇(睦仁親王)の実の祖父である。後の大正天皇も産まれてから七歳まで中山邸で育っているから、中山親子と明治天皇の結びつきは強い。王政復古の大号令の晩に開かれた小御所会議で倒幕の方針が完全に固まったわけだが、この会議の冒頭で開会を宣言したのは中山忠能である。
大室寅之祐という人物が(薩長が本物の明治天皇を殺して)明治天皇になったというデマを信じている人を見掛けるが、仮にそうであるとしたら、最大の山場である小御所会議に中山忠能が中心人物として参加し、開会宣言をするとかあり得ない。明治天皇(睦仁親王)の実祖父の中山忠能を味方に引き込んでいるのだから、殺してすり替える理由がひとつもない。中山忠能は孝明天皇存命時の禁門の変で長州側を支持しているし、この繋がりがあってこその明治維新である。
明治からの日本人は誰でもサムライというのは、要は徴兵制の発想ではあるが、ソビエトが全盛期の頃にマルクス主義者が革命を起こして皇居を焼き討ちにして昭和天皇を殺害したとしても、あの当時なら他に男系皇族がいろいろいるから、そっちを天皇にすればいいだけであり、そうなった場合、軍部がどちらにつくであろうか、と考えると、軍部そのものにマルクス主義が浸透しない限り、かなり革命は困難であると思われる。
たとえば(現実にはあり得ないが)明治維新の時に薩長が天皇制を廃止したら、江戸幕府だって、徹底抗戦したであろうし、ごく普通に薩長が滅ぼされていたと思われる。水戸藩出身の徳川慶喜は尊皇の人であるし、天皇を薩長に確保された段階で江戸城を明け渡すしかなかった。
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