【コラム】盗作の悪習を断ち切る勇気、韓国にはあるのか(朝鮮日報)
 記者はかつて学術担当だったころ、論文の盗作・盗用問題に大きな関心を持ち、数年にわたり実際の事例を摘発・取材して記事を書いていたが、その反応はさまざまだった。 (中略)

 しかしある時期、盗作・盗用の取材はやめることを決めた。際限がないからだ。その大きなきっかけとなったのは、高級官僚など公務員になるためには必ず読んでおかねばならない法律関係の総論や概論の類だ。これらの本を見ると、どれも多数説、有力説、少数説というくくりで法解釈などについて説明されている。これはある法律の条項に対する学界の解釈だが、調べてみるとこのやり方は外国のものをそっくりそのまま受け入れたものだった。例えば韓国の民法は日本の民法を参考にしているが、この日本の民法もドイツの民法を参考に作られている。法学研究者はこれを「継受法」と呼んでいる。つまり法律体系そのものを外国からそのまま受け継いでいるということだ。

 このように韓国の民法は日本の民法を基本にしているため、法解釈も韓国よりも先を進む日本のものをそのまま持ってきて使っている。そこで日本の民法関連の書籍をあらためて確認すると、多数説、有力説、少数説がどういうものか分かった。何らかの法解釈が行われた場合、その解釈を支持する日本の法律学者の実名が明記されているが、これは多い場合で10人、次に5−6人、その次は2−3人だった。韓国は日本の本を「継受」しているのだから、明記されている日本の法律学者の実名とその数がどうしても問題になる。ここで驚くべき「創造性」が発揮されていた。韓国では日本の書籍に十数人が明記されていれば多数説、5−6人なら有力説、2−3人なら少数説に生まれ変わっていたのだ。

 要するに韓国の法律学者たちは法解釈についてしっかりと研究してこなかったため、最初から多数も少数もあり得ないのだ。さらに深刻な問題は、このことについて指摘すると「教科書や受験参考書まで問題視するのか」などと堂々と言い返してくることだ。大学の中は言うまでもなく、法律関係のさまざまな本を読んで官僚試験に合格し、実際に政府で働いている人間たちもこのような実情を誰もが知っていた。

 このような現状の中、最近になって閣僚候補や国会議員候補たちの間で再び盗作・盗用疑惑が浮上している。もちろん彼らも盗作・盗用など大した問題ではないと考えていたはずだ。「誰も分からないだろう」から始まり「なぜ自分だけを問題にするのか」に至る盗作・盗用ストーリーのパターンは一日も早く断ち切らねばならない。それができない限り、創造や創意はいつまでもたってもはるか遠い先のことだ。
(引用ここまで)

 韓国の成文法が基本的に日本のもののパクりであるというのは、韓国ウォッチャーにはよく知られた事実です。
 それが故に、ごく最近まで韓国の法律書はハングルのみの記述をしない(できない)聖域でもあったのです。確かノ・ムヒョン時代に法律書もすべてハングル表記にするという恐ろしい決定がされてしまったと記憶しています。

 それはもうよく知られた事実でした。
 けど、法解釈までまんま日本のパクリであったとは……。

 パリバゲットのパクリ話を書いたときに「トレイとトングでピックアップしていく日本の方式」と書きましたが、あれはオープンフレッシュベーカリーという日本発祥の方式なのだそうです。コメントで情報をいただきました。ありがとうございます。
 ヨーロッパであの方式を見たことがなかったので、日本発祥だろうなとは思っていたのですが。

 こういったことが韓国では顕著なのですね。
 でも、それは特別なことではなく、宗主国の優れた方式を導入するというのは旧植民地によく見られる風景なのですよ。
 アフリカのいくつかの都市で「え、ここってフランスなの?」みたいな経験をしたという話も聞きます。
 逆に伝えた側では滅びた方式が、伝播された側の国で生き残っているなんていうのもよくあることではありますね。

 ただ、それをアフリカの旧フランス植民地では「これはフランスからやってきたものです」と、普通に言うでしょうね。
 インドで「アフタヌーンティーの起源はインドにある」なんてバカな話もしないでしょう。

 韓国起源説というのは、こういった社会・文化の幹までもが他国(主として日本と中国)に依存してしまっているという現状から目を背けるための心理的反応であるということになるのでしょう。

 自分たちの心の中で抱いている「偉大な韓国像」と、現実における「しょぼくれた韓国像」。
 その差を埋めるための作業が韓国起源説にあるのですね。
 実際の自分たちはこんなにしょぼいけど、本来の自分たちはこんなにすごいっていうね。
 ま、ちょっと可哀想かなとは思うのですが、そういう哀れに見られているという事実がまたコンプレックスを刺激するのだろうなぁ……。