米 “ロシア領内から砲撃”衛星写真公開7月28日 4時33分
ウクライナ東部でマレーシア航空の旅客機が撃墜された事件で、ロシアへの圧力を強めるアメリカ政府は、ロシアが自国の領内からウクライナ軍に向けて砲撃を加えていることを示す証拠だとする衛星写真を公開しました。
マレーシア航空機の撃墜を巡っては、親ロシア派の関与を疑う欧米やウクライナと、ウクライナ軍が関与したとの見方を示すロシアの主張が真っ向から対立し双方の間で激しい情報戦が続いています。
こうしたなか、アメリカ国務省は27日、情報機関を統括する国家情報長官室が収集した衛星写真を公開しました。
衛星写真は、撃墜事件のあとの今月20日から26日までの間、ウクライナとロシアの国境地帯を撮影したもので、ロシア領内の地面に、多連装ロケット砲が発射された跡が残っている一方、その砲弾が国境を越えてウクライナ軍部隊の陣地に着弾した跡が確認できるとしています。
また、別の写真では、ロシア領内に6両の自走砲が並び、その砲弾がウクライナ軍部隊の陣地に着弾した跡も確認できるとしてロシアが自国の領内から砲撃を加えていることを示す証拠だとしています。
アメリカ政府は、マレーシア航空機の撃墜事件のあとも、ロシアが親ロシア派に対して重火器を提供するとともに、ロシア領内からの砲撃を続けているとして、さらなる制裁を科すことも視野にロシアへの圧力を強めています。
ロシア外相「国際監視団派遣し検証を」
アメリカ政府が、ロシアが自国の領内からウクライナ軍に砲撃を加えていると批判していることについて、ロシアのラブロフ外相は27日、アメリカのケリー国務長官と電話会談し、国際監視団を早急に国境地帯に派遣して検証するよう求めました。
ロシア外務省によりますと、ラブロフ外相は電話会談の中で「ロシアはウクライナとの国境地帯にOSCE=ヨーロッパ安全保障協力機構の監視団を国境地帯に招待し、その到着を待っている」と述べました。
そのうえで、「アメリカ側こそOSCEの監視団による活動を妨げないでほしい」と述べ、国際監視団による検証をアメリカが意図的に遅らせていると主張しました。
ロシアは、逆にウクライナ軍の方がロシア領内に向けて砲撃しているとしており、国営メディアは連日、ウクライナ側から砲撃を受けた国境に近い村の被害を伝えるなどアメリカ側の見方と真っ向から対立しています。
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