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本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」

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「レアリテ 2007年2号」(エクスナレッジ)

芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!

 脱法ハーブによる事件が後を絶たないことに対して、当局の取り締まりが厳しくなってきているが、これによって、「大麻は害がない」と、沖縄県石垣島に拠点を置きつつ、大麻解禁を叫んでいる女優でナチュラリストの益戸育江(旧芸名・高樹沙耶)がほくそ笑んでいる顔が想像できる。なぜなら「脱法ハーブと違って、大麻は害がない」とアピールする、絶好のチャンスが生まれるからだ。

 益戸はテレビ朝日の人気ドラマ『相棒』シリーズで、主演の水谷豊の元女房役を演じていたが、2011年に“脱原発”を理由に『相棒season10』を途中降板。同時に千葉県南房総市から石垣島へ転居した。この時に、所属していたオスカープロモーションを退社した。

 筆者は、益戸がシンガーソングライターの中西圭三と離婚した頃からの顔見知りで、益戸が「エコロジーな暮らしをしたい」と南房総に移住した事情も知っていた。益戸は地元の建設会社を営む有力者やボランティアに支えられながら、南房総にエコハウスやカフェをオープンした。その一方で、男なしでは生きられない性分の彼女は、自然農法家の男性と同棲していた。

 その男性と別れたことが、石垣島に転居した理由ともささやかれたほどだ。これが事実かどうかはともかく、益戸は千葉の有力者やボランティアの善意を踏みにじって、石垣島に転居したのは紛れもない事実。その益戸が、石垣島に渡った途端に、大麻解禁運動を続ける妻子持ちの男性との交際を深めて、「大麻は害がない」と叫び始めた。

 12年7月には、大麻の合法化を目指す「大麻草検証委員会」の幹事に就任。「18歳の頃に芸能界に入って、大麻を吸ったが害がなかった。誰にも迷惑をかけたことがなかった」と自らの体験談を語り、「大麻はアンチエイジングにも最高」と大麻礼賛を繰り返した。その一方で、千葉県にエコハウスを作ったように、石垣島でも宿泊施設をオープンさせた。だが、その宿泊施設は、先日、沖縄を直撃した大型台風で、かなりの被害を被ったという。

 そんなさなか、厚生労働省は東京の池袋で脱法ハーブを吸った男の車が暴走し8人が死傷した事件を受けて、男が吸っていた薬物を薬事法の特例を初めて適用した指定薬物に緊急指定することを発表した。かつて、サイゾーのインタビューでも「(大麻は)免疫力は高まるし、鎮痛作用はあるし、“ハッピー ピース”みたいな感じになるからうつ病にも効くしで、いいことずくめですよ」と語っていた益戸にとって、「大麻は、脱法ハーブと違って害がない」とアピールするいい機会だ。

 大麻の有害性についての議論はここでは置いておくが、益戸がその知名度を生かして大麻解禁運動の広告塔役を買って出た裏で、南房総の人々からの支援に対して不義理をした上に、世話になったオスカーに迷惑をかけるような辞め方をしていることは消せない事実だ。そのような身勝手な人間の大麻解禁の声には、説得力がないのではないか。大麻の効用を訴える前に、社会から、自らの言葉に耳を傾けてもらえるような存在になることが大事なはずだ。
(文=本多圭)





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