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webほんのしるべ編集部+瀬名秀明「文系人間のための〈科学本棚〉」

2014年07月27日

だめだ

 だめだ、やはり先ほどの文章中で、一部のSFファンのなかにはこのようなルールがあるのではないか、と書いたことに対し、決めつけないでくれ、とか、SFファンを馬鹿にしているのか、という批判が出てしまう。
 がんばって冷静に、慎重に書いたつもりだったのですが、どうすればいいのかもうわからないです。批判なさる方々が何をどのように考えていらっしゃるのか、どうしてもわからない。本当にごめんなさい。
 何を書いてもだめなら、すべて私が悪いです。死ねといわれれば死にますし、もうSFファン・SF関係者の皆さんとは絶対にコンタクトしませんから許してください。「しばらくおつきあいを辞退」と書きましたが、「死ぬまで永久に辞退」とするので、どうか許してもらえないでしょうか。怖くて、気持ち悪くてたまりません。疲れました。
 これでブログの書き込みを終了し、あとは業者さんに全体を削除していただくまで、そのままにいたします。
 申し訳ありませんでした。

瀬名秀明
posted by 瀬名秀明 at 22:25| ちょっとしたお知らせ | 更新情報をチェックする

改めてお詫び申し上げます

 仙台に戻って参りました。7月25日の深夜にお詫びし、削除した文章を、訂正線つきで再掲しました。おそらく批判された方は、一度アップした文章を削除することは、たとえ謝罪があったとしても証拠隠滅を図ったのと同様であり、陰湿で卑怯な行為だと感じられたのだと思います。私はそこまで考えが至りませんでした。心からお詫び申し上げます。


 今回の件につきまして、皆様にご迷惑をおかけし、不快な思いをさせてしまったことを、改めてお詫びいたします。本当に申し訳ありませんでした。

 まず私は、今回の日本SFファングループ連合会議総会における「星新一賞を応援する」議案の結果について、充分確かめることなく誤った情報を書いてしまいました。この議案が却下されたと聞き違え、その勘違いを各方面に確認しないままブログに断定的に書いたことで、ご迷惑をかけてしまいました。これはまったくもって私の軽率な過ちでありました。関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。本当にすみませんでした。

 そして感情に流され、つい(*2)のように、無関係なSFファンの皆様のお心を傷つけ、皆様のせっかくの楽しい想い出を壊す文章を書き記してしまいました。これはすでに述べましたように、完全に私の過ちであり、失言でした。
 なぜこのような文章を書いてしまったのか、懸命に振り返ってみると、おそらく私は暗黒星雲賞を頂戴し、ホールの皆様から大きな拍手をいただいたことで、ようやく多くのSFファンの方々と一体になれた、同じ気持ちを共有できた、と感激し、その高揚が残っていて、つい自分本位の意見を他のSFファンの方々にも無意識のうちに押しつけてしまったのだと思います。「自分は無関係なのだから、瀬名のいう『皆さん』のなかに私を巻き込まないでくれ」というお怒り、ご批判はもっともであり、心からお詫び申し上げます。本当に申し訳ありません。
 こうした文章は、第53回日本SF大会なつこんの参加者の皆様のみならず、なつこんの開催・成功にあたって懸命な努力をなさったスタッフの皆様、ボランティアの皆様のお気持ちをも踏みにじる暴言であったと反省しています。重ねて心よりお詫び申し上げます。

 また、(*1)の文面が、一部のなつこんボランティアの方のお心を傷つけるものだとはわからず、不快な思いをさせてしまいました。私は中立的な文章として書いたつもりだったのですが、一部の方にはこれが、暗にスタッフの不備を批判する陰湿な内容の文章だと感じられたようです。そうした読み方ができることへの配慮が足りませんでした。私の文章力のまずさに原因があったと思います。申し訳ありませんでした。

 続いて、私にはまだ詳細がわからず戸惑っているのですが、上述のこと以外にも、私はなつこんにてボランティアの方に不快な思いをさせてしまったようです。尊大な態度でその方に接してしまったようなのですが、申し訳ありません、どうしても該当する出来事が思い出せません。
 なつこんでは「スタッフ」(運営側)と「ボランティア」(大会参加者が自主的に登録して、一時的に企画を手伝う)の方々がいらっしゃいました。なつこんスタッフの方によれば、本日未明の時点まで、スタッフMLで私への苦情は出ていないとのことなのですが、ボランティアの方には私のわからない大きな粗相があったのかもしれません。具体的にご指摘いただければ……とこちらから申し上げても、きっとそれ自体がその方にとっては大きなご負担となるでしょう。ですからここで改めてお詫びいたします。本当に申し訳ありませんでした。


 その他、さまざまなお怒りのお言葉、ご批判を2ちゃんねるSF板の方々より頂戴しました。
 そうしたお叱りに対し、こうしてお詫びを申し上げること自体が、また別のご批判の対象になっています。「瀬名はスルー力がない」というものです。
 ふだんならスルーしていたでしょうが、私は今回、GoH(ゲストオブオナー)のひとりとしてなつこんに参加させていただきました。私の役目は、名前も知らないSFファンの方々と会話し、楽しい時間を共有し、想い出をつくり、私から感謝の気持ちを述べることでした。
 2ちゃんねるSF板に文章をお寄せになる方々は、おそらくSFファンなのだと思います。ですからGoHとして、なつこんに関してそうした方々を不快にさせてしまったことについては、たとえ匿名掲示板の方々であろうと、ここで心を込めて謝罪するのが道理だと感じた次第です。
 こうした考えにはご異論もあろうと存じます。またこの場で2ちゃんねるSF板の方々のお言葉を取り上げること自体、そうした方々のお気持ちを傷つけている可能性も考えました。私がこのようにブログを書き連ねること自体、自己正当化の行為であり、ただの自己憐憫でエントリーを書いているとのご指摘もありました。さすがに後者のご批判を見たときには悲しくて涙が出そうになりました。
 ですから個々の文章には言及せず、最近私が考えてきたことを述べ、改めてお詫びといたします。
 以下に書く内容によって、「また瀬名はSF業界を批判している」と捉えられてしまうかもしれません。ですがどうしても避けて通れないので、すみません。決して批判目的ではないのだということをわかってください。

 私が考えるに、一部のSFファンには、大きく次のふたつのルールがあるのだと思うのです。

・自分たちは自分たちの常識内で仲良くやっているのだから、そこに余所の常識を持ち込んだり、ましてやそれによって混乱をもたらしたりすることはルール違反である。

・自分(たち)のプライドを傷つけ、ましてやその経緯を衆人のもとに晒すことは、重大なルール違反であり、一生かかっても償うことができないほどの過ちである。このルールを犯した者は、どんな謝罪があろうと、永久に許すことはできない。

 以上の推測は、たぶん、それほど的外れではないと思うのです。これらのルールは私の道徳・倫理規範からは大きく外れるものなのですが、おそらく一部のSFファンの方々にとっては絶対に侵すことのできない規律なのではないでしょうか。
 私はふだんから、おのれの道徳観に基づいて行動してきました。私は作家になってから、おのれの道徳・倫理規範に照らして卑怯だと思えるような行為は、一度もしたことはなかったと思います。ですが道徳・倫理規範は世界のなかで一様ではありません。私にとって道徳的な行為が、一部の方々にとってはとても卑劣で、目障りなものに見えたかもしれません。そうした可能性について、確かに私は充分な配慮を欠いていました。
 たとえば私がこのブログで他者の実名を挙げてときおり批判を展開したことは、2番目のルールを激しく侵していたでしょう。日本SF作家クラブを改革しようとしたことは、1番目のルールに抵触したのだと思います。瀬名がひとりで暴走している、と当時ご批判を受けましたが、このルールの重要性を私がきちんと見抜けなかった(甘く見ていた)からでしょう。
 つまりなぜ私がいま多くのお怒りやご批判を受けているのかと考えると、私のこれまでの行動が、そうした皆様の規範に対して尊重の念や配慮に欠けていたからだと思うのです。
 私は最初ホラー作家としてデビューしましたが、いつの間にかSF分野に入る作品を書くようになっていました。SFコミュニティの方々とのおつきあいもできてきました。そうしたとき、私はSFコミュニティのなかにある道徳規範をもっと早くに察知し、擦り合わせてゆく必要があったのです。私はその努力を怠っていたのです。
 そのことにいまは気づきました。本当に申し訳ありませんでした。今後はなるべく皆様の活動範囲から姿を消すことに努めるので、どうか許していただけないでしょうか。

 ひとつだけ、これも自己正当化だ、といわれてしまうでしょうが、述べさせてください。
 私・瀬名は「根回し」ができないため多くの人に迷惑をかけているのだ、というご指摘が複数ありました。しかしそれはちょっと違うと私は思っているのです。
 私も必要に応じて「根回し」という社会的行為をすることはございます。たとえば日経「星新一賞」において、いくつか著名な学術団体からのご協力は、私が直接その団体の有力者に連絡してうまく理事会に諮ってもらうようお願いしたり、あるいは団体内で力のある人をご紹介いただき繋いでいただいたり、といった、いわゆる一般的な「根回し」の上で成り立ったものです。これらは決してあくどい手法を使っているわけではないので、常識的な社会道徳の範囲内だと思っています。SFWJ50のときも、私は会長という立場を有効に「利用」することで、協力団体様との関係をうまく保つよう努めました。いくつかのイベントは、そうした「根回し」が効いたはずです。SFWJの多くの会員にとっては雲の上の存在である著名な作家会員にご協力をいただきたいときは、企画担当者ではなく私が直接電話やメールしてお願いしたこともありました。つまり「根回し」が必要なときは、トップの人間として、あるいはチームメンバーのひとりとして、常識の範囲内でおこなってきたつもりです。
 ただ、ご承知のように「根回し」というのは相手が「こいつは私の仲間だ」と思ってくださらないとできないものなので、SFコミュニティのなかで「仲間」と思っていただけない私が変に「根回し」をしてしまうと、逆に「瀬名はひとりで暴走した」「ルールをわきまえず勝手な行動をして迷惑だ」ということになってしまい、糾弾されかねない。なのでそうした場合、「仲間」のひとりでない私は、文章化されたルールに則り、正攻法で行くしか方法がなかったのです。
 むろんその前に、SFコミュニティのなかで有力であると思われる人物にコンタクトし、私自身は後方に引きながら、その人を引き立て、その人に各方面へご調整いただく、ということもよくやりました。むしろそれを第一選択としたほうが多かったです。しかしそれでもうまくいかなくて、私が行動するほかない、というときもありました。日経「星新一賞」の協力を日本SFファングループ連合会議に諮っていただいたのは、(私の側から見れば)そうした最後の手段のひとつであったことをご理解いただきたいのです。
 ただここでも倫理観の違いが、やはり一部の方々のご不満を募らせてしまったものと思います。また以前には、どうしても私自身の道徳観に鑑みて承諾できない「根回し」を求められることもあり、そうしたものは苦慮の末「できない」とお断りすることもございました。それらも一部の方々が重んじるルールを軽視した卑劣な行為に映っただろうと思います。繰り返しますがこれは批判目的の文章ではありません。価値観の違いがご迷惑をおかけする結果となったことをお詫びしたいのです。本当に申し訳ありませんでした。

 今回、皆様のご投票により「暗黒星雲賞・ゲスト部門」を頂戴しました。それは本当に嬉しいことだったのですが、このような事態を招いたいまとなっては、もういただいた表彰状や副賞を見ることができません。皆様のご厚意を無にしてしまうことは誠に申し訳ないのですが、頂戴したものは実行委員会様へ返送したいと思います。どうか2位の市長様にお渡しいただけないでしょうか。それが難しければ、本当につらく、身を裂かれる思いですが、(辞退)というかたちで、こちらで処分させてください。すべて私自身の過ちが原因です。関係者の方々にここでもご迷惑をかけ、不快な気持ちにさせてしまうことを、深くお詫びいたします。

 たくさん書きましたが、すべて今回は私の過ちにより生じた混乱であり、責任のすべては私にあります。
 デビューしたてのころ、「こんな科学的に誤った小説を書いて金を儲けるような学生を育てた、東北大学の教育は問題だ」という趣旨のご批評を、ある雑誌で頂戴してとても悲しい思いをいたしました。
 今回とこれまでの件について、すべては私・瀬名秀明個人に責任があり、私の出身地や、私の両親・妹・親族などはまったく無関係であることを、どうかご理解ください。私はいまも一部の方々のお怒り、ご批判の声が怖くてたまりません。私の家族の心もばらばらになってしまうのではないかと怯えているのが正直なところです。
 いまここで皆様に土下座をいたします。ですからどうか、もう許してください。これまでのすべてについて謝罪いたします。本当に申し訳ありませんでした。ですからどうか私の家族に安心の日々をください。


 このブログページを含め、私のウェブページは、2005年に業者さんに頼んで体裁をつくっていただいたものです。その業者さんに再び頼んで、近日中にすべてを削除していただくようお願いします(私自身では操作がうまくできないので)。
 本日をもって、SF関係者の皆様とはしばらくおつきあいを辞退させていただければ幸いです。本当に申し訳ありませんでした。

瀬名秀明
posted by 瀬名秀明 at 20:01| ちょっとしたお知らせ | 更新情報をチェックする

削除したこと

どうも以前に批判のあった文章を、昨夜お詫びして削除したことが、自分に都合の良い印象操作をおこなって同情を惹こうとしたとの新たなご批判が多いようです。正直なところ、その対応は、私の道徳観とまったく違うので非常に困惑していますが、それがご希望の謝罪方法であれば、本日帰宅してからその部分を再掲しますのでどうかお許し下さい。ほかにもあればご指摘下さい。
瀬名秀明
posted by 瀬名秀明 at 12:06| ちょっとしたお知らせ | 更新情報をチェックする

2014年07月26日

教えてください

いま東京にいて、スマホで投稿しています。
昨夜、お詫びの文章を載せてから、更新していませんでした。
SFファンへの批判の追記が出てると騒ぎになっているようなのですが、どのことでしょうか。
また私がSF大会のボランティアの方に失礼な行動をとって怒らせてしまったとのこと、申し訳ありません、どうしても具体的にどの行為なのかわからず、戸惑っています。私が気づかなかった粗相があったのかもしれません。企画名を教えていただけませんか、改めてその方にお詫びしたいので。
このブログの内容が偽善的だとか、暗黒面をさらしたとか、ご批判の多くが私には理解できずにいます。SFファンの一部の方々とは倫理観が大きく異なるので衝突が起こりやすいことは以前から理解していますが、科学者の方々とのおつきあいで、これほど批判を受けたり怒らせたりしたことは一度もないので、どうお付き合いすれば喜んでいただけるのか本当にわからないのです。
両親も一部のSFファンの方々のご批判には以前からかなり心を痛め、怖がっていて、もうSFとは関わらないでくれといつもいわれることに、私自身もやり切れない気持ちでいます。
何が皆様のお心に障るのかわからないことが多いので、このブログは帰宅次第閉鎖しますし、なるべく皆様の活動範囲には顔を見せないよう努めたいと思います。それで許していただけないでしょうか。
このようなとき、知り合いのSF関係者からご支援をいただけないことは経験上わかっているので、ウェブ上では私が孤立し、私への賛同者がいないかのように見えてしまうことも承知しています。そのことも覚悟し、ひとりで対応いたしますから、SF大会の行動でどこが悪かったのか、どのように謝罪すればご納得いただけるか、ご教示お願いいたします。

正直なところ、この19年間、どんなことをしても批判をいただくので、ずっと怖くて仕方がありませんでした。一部の方のお考えがSF界全体を示すものではないと頭では理解していても、やはり多かれ少なかれ皆同じではないか、と感じて怖くなることがあります。そのくらい一部の方々のお怒りは本当に怖く、これはおそらく私の両親も同じだと思います。両親にも安心させてあげたいです。どうか謝罪の方法をご教示ください。お願い申し上げます。
瀬名秀明
posted by 瀬名秀明 at 21:45| ちょっとしたお知らせ | 更新情報をチェックする

2014年07月25日

第53回日本SF大会なつこん スーベニアブック寄稿文

 以下、第53回日本SF大会なつこんのスーベニアブック(大会参加者がもらえる大判の冊子)に寄せた文章です。

ご挨拶
ゲスト・オブ・オナー 瀬名秀明

 こんにちは。あるいは、はじめまして。皆様と科学の街〈つくば〉でお目にかかれますことを、とても嬉しく思っています。
 佐藤竜雄様とともにゲスト・オブ・オナーとして参加させていただくことになりました瀬名秀明です。光栄なことで、本当にありがとうございます。しかしGoHとは何をする人のことなのでしょう? コニー・ウィリスの文庫『空襲警報』を取り出してきて、付録の「二〇〇六年世界SF大会ゲスト・オブ・オナー・スピーチ」を読んでみました。
 最初にウィリスはこう語っています。「ゲスト・オブ・オナーに選ばれることがすばらしいのは、作家になるのを助けてくれた人たちみんなに感謝するチャンスが与えられるからです」と。少し先の方にはこんな言葉もあります。「それに加えて、これだけの年月、小説を書きつづけるのに力を貸してくれた人々みんなに感謝するチャンスも与えられます」と。まさにその通りだと思いました。これから二日間、私はここにいらっしゃる、SFが大好きで、科学が大好きで、楽しいことに本当に夢中になれる皆様へ、多くの感謝の気持ちを伝えるために、このつくばへ参った次第です。
 一九八五年、私が高校生だったころ、つくばで科学万博がありました。残念ながら私は行けませんでしたが、ちょうど進路を決める時期だったので、私の学年では筑波大学がとても人気だったのです。後年になって「日本ロボット学の父」と呼ばれる早稲田大学の故・加藤一郎先生の伝記絵本を書いたとき、加藤先生たちがつくった「WASUBOT」などのロボットを紹介しました。「WASUBOT」はオルガンを弾くヒト型ロボットで、科学万博の開会式ではNHK交響楽団と協演したのです。「これからは一家に一台、マイロボットの時代が来る」「よい秘書ロボットをつくるには、相手の心がわかることが大切。今後ロボット研究者は生物の心の進化を学ぶべきだ」と、加藤先生は当時としては極めて斬新な思想を打ち出しました。「WASUBOT」も、音楽芸術という人間らしい活動≠ノ協調作業できるロボットをつくりたいという願いから生まれたものでした。私はいまでもロボットに関する講演会で「WASUBOT」が演奏している映像を見せることがあります。ほんの数分間ですが、みんなじっと耳を傾け、ロボットと人間の未来に想いを馳せてくれます。講演後「あのビデオには感動した」と伝えて来る人も少なくありません。
 つくばはいまロボット特区です。私もぜひこのつくばでセグウェイに乗ってみたいものです。筑波大学に所属する人工知能やバーチャルリアリティの研究者の方々とは、これまで何度もお話しする機会がありました。私の小説はそうした科学者・工学者の方々、未来を見つめている多くの方々との対話から生まれてきたものです。
 SF大会とは何でしょうか? もちろん知人と旧交を温める絶好の機会でもあります。でも、もしあなたが初めてSF大会に参加なさるなら、ぜひ私についてきてみてください。皆様への感謝の気持ちを込めて、丁寧にひとつひとつの企画に参加したいと思います。そして初めての方は、この二日間でひとつでも何か発見をして、それを胸に抱いて帰っていただきたい。好奇心を取り戻してほしいのです。なぜって、それこそ私たちが、SFを大好きになったいちばんの理由なのですから。
 そうそう、つくばには隠れた名所があります! 映画『パラサイト・イヴ』の一部は筑波大学で撮影されました。三上博史さんと葉月里緒奈さんがキャッキャウフフとじゃれ合って大学構内の木立を駆ける、あの伝説のシーンは筑波大で撮られています。いまもあるのかな? ぜひアビーロードで記念写真を撮るように、そこで真似してみてくださいね。
posted by 瀬名秀明 at 14:42| ちょっとしたお知らせ | 更新情報をチェックする

2014年07月24日

「暗黒星雲賞」を受賞しました

 第53回日本SF大会なつこん、佐藤竜雄監督といっしょに無事ゲストオブオナー(GoH)を務めて帰って参りました。実行委員会の皆様、ご来場の皆様、パネリストの皆様、本当にありがとうございました! 
 なんと開会式や公式パーティ、閉会式の司会は、前日の夕方に急遽決まったという、声優・ナレーターの遠近孝一(とおちかこういち)さんでありました。ちょうど今回のなつこんのために、佐藤監督の『学園戦記ムリョウ』を拝見し、とてもよかったと感じていたところだったので驚きました。遠近さんは『学園戦記ムリョウ』で、主人公のハジメくんやムリョウくんの同級生、トシオくんを演じておられたのです。自分が初めてSFを好きになった「あのころ」を思い出させてくれる、すてきな作品でした。
 初日は10時頃会場に着いて、オープニングのリハーサル。私が開会の辞を述べようとすると、悪の組織がやってきて中断され、それを地元の戦隊、時空戦士イバライガーの皆さんが助けてくれる、という段取りになっていました。構成は漫画家のうるの拓也さんでしたが、その場でイバライガーブラックさんたちが次々とアドリブで構想をブラッシュアップ、私の見せ場もつくってくださったのです! この開会式はおかげさまで大好評でした。

 それで、2日目の企画をすべて終えて、閉会式の会場に行くと、もう始まっている。どこへ行けばいいのか事前の指摘もなかったのでうろうろしていたら、スタッフの方が駆け足で訊いてきてくださいました(*1)。曰く、「開会式は瀬名さんの言葉で始まったので、閉会式は佐藤監督とやるから、瀬名さんは会場の観客席でご覧になっていてください」とのこと。はいわかりましたと会場の後方におとなしく座っていたのですが、大会恒例の「暗黒星雲賞」贈賞式になって、突然ゲスト部門で私・瀬名の名前が呼ばれ、本当にびっくりしました(後で聞いたらスタッフの仕込みではなかったそうで、会場にいられたのは偶然でした)。

 ということで、私・瀬名秀明、「暗黒星雲賞・ゲスト部門」を受賞いたしました!
 大きな拍手で迎えていただき、ちょっとうるっときてしまいました。いや、正直いって、日本SF作家クラブの会長になるよりよっぽど嬉しい。表彰状の「攫われても挫けることのなかった」云々は、イバライガーチームの機転のおかげですし、なつこん実行委員会の皆様と、会場にいらっしゃったSFファンの皆様の、温かなお心遣いあってこその受賞でした。本当に感謝いたします。
 これからはプロフィール欄に「暗黒星雲賞受賞」と書こう。
 閉会式が終わった後、声優・女優・歌手の池澤春菜さんとちょうどすれ違ったので「ぼくも暗黒星雲賞を取りました」と伝えたら、「後輩になったわね!」と笑顔で返していただきました。

 翌日はオプショナルツアーのセグウェイ体験に参加。佐藤監督も打ち上げの席でいっていましたが、「最後は楽しかったので、終わりよければですね」。本当に楽しい、充実した2日間半を過ごさせていただきました。
 ちょうど『パラサイト・イヴ』を自宅に籠もって書いていた大学院生時代から20年。よい記念になりました。皆様に心から感謝いたします。

・暗黒星雲賞の表彰状と、副賞のガマ。手塗りのようです。
IMG_1409.jpg

・遠近孝一さんからいただいた色紙。 あっ、佐藤監督からサインをいただくのを忘れた!
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・総勢17名で寄稿した、660ページの第53回日本SF大会なつこん記念アンソロジー、今岡正治編『夏色の想像力』。本物の創元SF文庫そっくり。(それもそのはず、本当の印刷所と製本所に頼んだのだとか)
IMG_1421.jpg


 そのほか、ツイッターやブログにアップされていたお言葉やお写真の一部です。

佐藤竜雄監督のツイッター
 さて、SF大会。オープニングは瀬名秀明さんが怪人に拉致されようとする衝撃のスタートだったが、司会が遠近孝一くんというのも驚いた(ムリョウのトシオだよ!)。更に驚いたのは夜のパーティーで瀬名さんが学園戦記ムリョウのオープニング(しかも二番)を乾杯の前に朗々と歌われたことである。 From: seitenhyohyo at: 2014/07/20 07:17:16 JST
 もう一人のゲストオブオナー、瀬名秀明さんにサトウの作品を見せたいと言われてムリョウのDVDをお貸ししたのですが、思いのほか気に入っていただいてパーティにて主題歌まで歌っていただいたのは嬉しかったですよ。「初めてSFを好きになった、あの時を思い出させてくれた作品!」とまで言われ! From: seitenhyohyo at: 2014/07/22 02:09:11 JST

暗黒星雲賞について
 今年の暗黒星雲賞のゲスト部門はGoHでもあります「瀬名秀明」様でした。 開会式にて悪の組織に攫われれながらも挫けなかった姿に感動の嵐です。 From: ankoku_kato at: 2014/07/21 18:02:32 JST

・今年の暗黒星雲賞・自由部門を受賞された「タイムテーブル」関係者のおひとり、なつこん実行委員会企画管理担当の甘えびさん、2005年の暗黒星雲賞を受賞された磯部美雪さん。
甘えびさんのfacebook
磯部美雪さんのブログ


 とても楽しかったのですが、ひとつだけ驚いたのは、大会開催期間中におこなわれる日本SFファングループ連合会議の総会で、「日経「星新一賞」を連合会議で応援してほしい」という議題が却下されたこと。星マリナ氏の「SFファン全員から応援してもらいたい」という意向をくんで、私が連合会議の元関係者の方に問い合わせ、どうやったらこの議案が通るのかいろいろ相談に乗ってもらったのです。「GoHからの発案ならさすがにみんないやとはいわないのでは」との話もありましたが、結局日経「星新一賞」の現実行委員会メンバーである株式会社イオの乙部順子さんや連合会議参加グループの小松左京研究会様から議案提出していただくかたちになった、はず。
 星マリナ氏や乙部さんの意向は、つまるところ全国の地方SFコンベンションで日経「星新一賞」のチラシを配ってもらったり、もし積極的にご賛同いただけるならファン団体のウェブページにバナーリンクを貼っていただいたりと、そのくらいのことで充分だったのです。ところが「日本SFファングループ連合会議は特定のイベントを応援しない」という意見が出たそうで、否決。しかもその反対意見を出したのは、星新一賞予備選考委員(牧眞司氏)のご家族(牧紀子氏)だったという……。なんというか、この世界はよくわからないですね……。
 こういうことって書いちゃいけないのかもしれんが(星雲賞の候補に残れなくなるかも??)、人間は信じられないものだなあという、なつこん開催中に唯一唖然とした出来事でありました。
 というわけで、日経「星新一賞」は、べつに日本のSFファンが組織立って応援している賞ではないのだ、ということが、はっきりいたしました。まあ、なあなあの人間関係に甘えて続けるよりよかったのでは。
 これにておしまい。


【追記】

 瀬名さんのなつこんのレポート。全体に微笑ましいのですが、星新一賞がらみでファングループ連合会議に支援を頼んで断られた件については、あいかわらず事情をよくわからずに突っ走って失敗して怒ってる感じが、ちょっとなあ。From: Sakai_Sampo at: 2014/07/24 15:54:30 JST


 あのー。狭いSF業界の事情なんていちいちわからないよ。前半はあえて微笑ましい感じで書いたんだよ。どれだけ下手に出て、頭下げれば気が済んで、納得してくださるのかしら。「あいかわらず事情をよくわからずに突っ走って」とか、かなり心外。いつだって常識通りの段取りを踏んでいるのに。「あいかわらず」って、堺さんはどれだけいままでのことを知っているっていうんだ。
 だいたい「日本のSFファン全体の総意がほしい」などとくだらないことをいってきたのは、ご遺族の星マリナ氏なんだ。星マリナ氏を甘やかして、こんなわがまま娘に育てたのはSFの人たちだろう? それをこっちは何とかして、ご要望に近いかたちに落とし込もうとして、連合会議の元関係者に相談し、乙部さんに受け継いでいただいただけ(そのときは「うまく話をすれば、議案を通過させることは可能だろう」というご意見だった)。
 最初は、私が連合会議に出て、口頭でおねがいしようと思っていた。それで済む話だと思っていた。でも「連合会議に出るくらいならGoHの瀬名さんは他の企画に出てほしい」といわれて、行けなかった。最終的に、当日の議案として出してくれ、資料も事前にほしいといったのは連合会議の方だったと、(はっきりとではないが)私はそう感じていたよ。そうじゃないの? だから乙部さんも事前にチラシなどを連合会議に提出したんだ。ファングループ連合会議が全国のファングループを統率しているわけじゃないことなんて当然知っていますよ。ただ、星マリナ氏のご要望に近いことを実現するなら、他にやりようがないじゃない。

 でもSF関係者の人たちは、星マリナ氏が怖くて、ご本人の前では反論も何もいえないんでしょ。あるいは「自分はたんなる下請けの予備選考委員だ。星賞の運営に口出しする立場にない」とかいって責任逃れするだけなんでしょ。弱虫で、卑怯じゃないか。
 私は3月以降、今回の星賞の受賞作・入賞作を講談社ブルーバックスで出す、できるなら毎年出版しよう、という約束を(乙部さんと)すぐさま取りつけてきたのに、予備選考委員のSF関係者は一社すら出版・雑誌掲載の確約を取ってこられなかったじゃない。(結局、仲間内のつてで、無料公開するのだとか)
 
 世間ごとに常識が違うことは両者ともわかっているんだから、お互いの常識をまず示そうよ。
 単なる業界内の噂話や悪口を信じて瀬名がどうだとかいう人が想像以上に多いらしくて、ほんとに迷惑。

 せっかく楽しいSF大会なので、ずっといわないでいたのだけれど、実は事前に一部の出版社・SF関係者には、こんな感じのお知らせをしていました。公表しますね。

-------------------------------------
△△社 ○○様


いつもお世話になっております。瀬名秀明です。

さて、申し訳ありません、この度、熟慮の末、今後しばらくSF関係の方々とのお仕事を休止させていただきたく、ご連絡を差し上げました。
7月19日、20日開催の日本SF大会終了をもって大きな区切りとし、以降はSF関係の方々とのおつき合いをしばらく休みたいと考えております。

実際には8月末に創元SF短編賞贈賞式が予定されており、そちらには出席予定ですから、すっぱりと7月20日で終わることはありません。
ただ、いまのうちから少しずつお世話になった皆さまに連絡を差し上げている最中で、たとえば懇意にしていただいた□□様ならびに●●様にも連絡を差し上げ、
「了解いたしました」
「瀬名さんのご決断、私も賛成いたします」
とのご理解のお返事を頂戴しました。

(中略)
年刊日本SF傑作選等、SF関係書籍への再録も、しばらくは辞退させてください。


原稿執筆に関しては、SFコミュニティ以外の方々とのつき合いは続けますので、筆を折るわけではございません。
今後、はたして作家として生き残れるかどうかはわかりませんが、以上のように決断した次第です。

突然の勝手なお知らせで誠に申し訳ありません。これまでのご厚情に心から感謝いたします。
ありがとうございました。
--------------------------------------

 ということなのでした。ごくふつうのSFファンの皆様には申し訳ない。
 つい先日来た、某社の『攻殻機動隊』トリビュート書き下ろしアンソロジーのお話も、このために辞退しました。すみません。

 そして。


 東工大のシンポジウムで、星新一賞に尽力されている星マリナさんと乙部順子さんにお会いし、日本SFファングループ連合会議の本来の性格を説明し、ファンになにかを呼びかけたいことがあれば、連合会議総会でいちいちはかる必要などなく、臨機応変に対応できるとお伝えしました。From: ShindyMonkey at: 2014/07/24 16:49:23 JST


 ふーん、牧眞司氏は、瀬名が尽力してるどころか、瀬名がひとりで暴走したとでもいいたいわけですか。それでむかしから知り合いの星マリナ氏には、相変わらず甘いですね。
 それにしても、本日の連合会議に関する牧眞司氏の発言は、「日本SF作家クラブは親睦団体。不文律のほうが会則より大切。会長は黙ってろ」とかいう、ある種の人々にそっくり。どちらも同じく、どうしようもないね。

(*2)こんな話をして楽しいはずがないでしょ。こっちだってうんざり。 なつこんの楽しい想い出はすべてなくなりました。皆さんも、もう楽しい想い出は消えましたよね?


*1 この部分を読んだ一部の人が、「ボランティアを顎で使って、少しの粗相もあてつけがましく書くし 居なかったら走って呼びにいくわ 独裁政治の王様かよ 」「他人は奴隷とでも思ってるのかな」と2ちゃんねるSF板で書いていますが、やはり事実と異なることを大げさに述べていますね。
 ここで走って聞きに行ってくださったのは、武田友則さん。たまたま近くにいらっしゃったのでどうすればいいかうかがい、閉会式の台本を見せると、自主的に走って聞きに行ってくださった。私は感謝しています。それがどうして私が武田さんを「奴隷」扱いしたことになるのでしょうか。
 「でも難しい人なのは周知だったからすごく気を使ったんだよ本当にさ こんなん書かれて下僕じゃあるまいし疲れたよ俺」と書いている人もいます。20日の2次会の席で、「瀬名さんは気むずかしい人だと(業界の一部の人から)事前にいわれていたので気を遣ったが、実際に会ってみるとまるで違って、フットワークも軽くて気さくだったので驚いた」とのお話も伺いました。「気むずかしいというのは単なる噂話でしょう、しかし怒るときには怒ります」と私はその場で述べました。周知といわれるほどつまらない噂話が広まっているということでしょう。誰が広めているのかは知りませんが。
 私の気持ちはスーベニアブックの挨拶文に書いた通りです。この気持ちでSF大会に臨みました。挨拶文を次のエントリーにアップしました。
 「一生懸命気を使ったのに お金の問題にしたくないけど、こちらは有料でボランティアしながら楽しんで あっちは無料でさ」ともありましたが、スタッフの皆様からお気遣いいただいたことは充分に伝わってきていましたし、感謝しています。だから閉会式の後、できるだけスタッフの皆様にはお礼と感謝の気持ちを述べて各所を回りました。私の参加費は無料でしたが、その分程度のお土産(お酒やつまみ、お菓子)は、事前打ち合わせの席や当日に持参しました。それでは足りなかったでしょうか? 
 前日入りして設営準備などもお手伝いできる、と私は以前から河合秀晃さんや今岡正治さんには伝えてありました。ですが19日は9時秋葉原発のつくばエクスプレスで来てほしいとのことだったのでそうしたまでです。事前におっしゃっていただければ、9時に行って設営準備のお手伝いもしたでしょう。2日目2コマ目が空くのならボランティア登録して働きますとも伝えてありました(最終的には企画に出てほしいとのことだったのでそうしましたが)。噂話を聞いて、過剰に私を恐れて気を遣っていたのではありませんか。
 私のプライドが云々とおっしゃっている方に対しては、申し訳ありません、苦笑してしまいました。恐縮ですが(またこう書くとまた悪口をいわれるでしょうが)、鏡のなかのご自分についておっしゃっているのではありませんか。
 私は「何々派閥」などではないので、SFの一部にまつわる子供っぽい社会性やわがまま、臆病さ、卑怯さに関しては(それらは「おたく」の悪い側面が出ているのであって、SF本来の精神とは別物だというのが私の考え)、巽孝之氏であっても、星マリナ氏であっても、牧眞司氏であっても、同様に批判します。問題の根っこは同じだと思えるからです。その点で私のSFコミュニティに対する批判は一貫しています。私は飲み屋で愚痴をいったり聞いたりする方が陰湿な感じがして嫌いなので、ブログに書きます。
 「みじめな老人になって死んでいくようなタイプだなぁ・・・」と書いた方へ。はい、以前ある雑誌に書いたように、そういうのが理想ですね。仲間や友達などなく、ひとりで死んでいきたい。
 これでも瀬名が嫌い、マジでむかつく、という方には、ご自由にどうぞとしか申せません。無意味な噂話や悪口を広めるなといっても無理でしょうから。(2014.7.25)

*2 ご指摘をいただいてわかりました。この米印の部分に載せていた文章は、前段からの勢いで、つい書いてしまった私の失言でした。ここだけは無関係な方々にまで当たり散らしたことになるわけで、完全に私の過ちでした。心から皆様にお詫びし、当該文面(約2行分)を削除いたします。ご指摘をいただいた方々に感謝とお詫びを申し上げます。(2014.7.25)

 それでは。


 最後に、

なつこん連合会議総会「星新一賞を応援する」議案について、事実でない情報が出回っているようである。簡潔に言うと「その議案は継続となり、今後は文書協議(最近はMLを利用)で、どのような協力ができるか内容を検討する」が正確な情報である。どういう経緯で誤解が生じたかわからないが、伝...【以下読み取れず】 From: kuma_ml at: 2014/07/25 01:14:33 JST

今回は時間が押したために、「議案提案者の概要説明」「議案に対する質問・意見発言」をへて「継続(文書協議)」となった議題がいくつかあった。時間配分に関する反省しきりである。代議員のみなさま、すみませんでした。
From: kuma_ml at: 2014/07/25 01:17:06 JST


 という投稿が昨日の深夜過ぎにありましたが、これは本当のことでしょうか。昨日の牧眞司氏の文章では、否決されたことを前提に、東工大で星マリナ氏らと話し合ったように私には読めるのですが。牧眞司氏は牧紀子氏と連絡していなかったということでしょうか。
 私の言葉不足で混乱を招いたかもしれないので、少し詳しく述べます。「大森望☆感謝祭」の際、私は残念ながら体調不良により欠席することになり、そのことを幹事役の牧紀子氏に伝えていました。その前に何度か牧紀子氏とメールのやりとりをしましたが、別途なつこんの企画について牧眞司氏と牧紀子氏に連絡することがあり、連合会議の案件についても伝えていました。
「(前略)「なつこん」開催中に、やはり小松左京研究会提案というかたちで、乙部様から「みなさんで日経「星新一賞」を応援してほしい」という議案が日本SFファングループ連合会議に提出されるはずです(星マリナの要望を叶えるため)。こちらも原案は私が考え、事前に打診し、調整しました。ただし事前に連合会議参加の各ファンダムへの通達はおこなわず、当日提出の議案というかたちを取るのだとうかがっています。」(瀬名から牧眞司氏宛メール。ccで牧紀子氏にも通信)
 そして返信が来ました。以下の部分だけやや文章が硬く感じられたので、ひょっとしたら牧両氏は「自分には連絡がないので変だ」と不審に感じられたのかもしれません。そのときはそう思いました。
「(前略)連合会議の件は初耳です。
連合会議の方面からも、星新一賞実行委員会の方面からも話は伝わってきていません
(連合会議前議長の牧紀子さんも知らなかった様子でした)。
当日の議題というなら、連合会議の代議員のひとたちが検討されるでしょう。」(牧眞司氏から瀬名宛メール。ccで牧紀子氏にも通信)
 ということで、事前に牧両氏には伝えており、「大森望☆感謝祭」でも星賞入選者の参加者の皆様にはご配慮をいただいたとうかがっていたので、当然ながらこの案件もおふたりにはご賛同いただいているものと私は思っていました。ですから、唖然とした、と書いたのです。連合会議の「本来の性格」と異なると思われたのなら、なぜこのとき事前に私や星新一賞実行委員会へ伝えてくださらなかったのでしょうか。
 上記引用のツイッター内容が本当であれば、却下されたとうかがったことと異なるので、連合会議の皆様に謝罪いたします。申し訳ありませんでした。(2014.7.25)
posted by 瀬名秀明 at 19:38| ちょっとしたお知らせ | 更新情報をチェックする

2014年07月19日

なつこん

第53回日本SF大会「なつこん」に、ゲスト・オブ・オナー(GoH)として参加します。光栄なことで、本当にありがとうございます。

第53回日本SF大会「なつこん」ホームページ
・日程:2014年7月19日(土)〜20日(日)
参加料金:2014年6月末まで一般20,000円、7月1日以降当日まで一般25,000円
・会場:つくば国際会議場
星雲賞投票:6月15日まで



プログラム》 ←全体のタイムテーブルはこちら。

Day 1 2014年7月19日(土)

[001]開会式 1F大ホール(12:00-13:00)

[031]なつこんアンソロジー「夏色の想像力」を語る 1コマ目(13:00-14:30)
出演者:瀬名秀明、大森望、理山貞二、倉田タカシ、オキシタケヒコ、高山羽根子、他
 ゆうに600ページ(!)を超えてしまったなつこんアンソロジー「夏色の想像力」について、発売とほぼ同時開催のこの企画。執筆者の皆様にコメントを頂きますが、そもそもどうしてこんな分量になってしまったのか、秘められた思いが解き明かされるはず。

[020]SFの想像力の現在と未来 2コマ目 1F101(14:30-16:00)
出演者:東浩紀、瀬名秀明、大森望
 昨年今年1月、都内五反田のゲンロンカフェにて開催された、東浩紀、瀬名秀明、大森望の三氏によるSFトークが、つくばの地で再び実現します。
 三氏ならではの、SFに対する深い造詣や見識から繰り広げられる興味深い話題をお楽しみください。

[018]「ふしぎ文学館」シリーズの21年を語る 3コマ目 2F201B(16:00-17:30)
出演者:瀬名秀明、日下三蔵
 怪奇、幻想、恐怖小説好きに定評のある出版芸術社の「ふしぎ文学館」シリーズは『夜の虹彩』で21年目・51冊となった。シリーズの大半を手がけた日下三蔵と著者にして読者代表の瀬名秀明がシリーズ21年を振り返りつつ思い出の本、シリーズの魅力を語る。

なつこんパーティ つくば国際会議場 1F エントランスホール(18:00-19:45、開場17:45)
出席ゲスト:瀬名秀明 氏、佐藤竜雄 氏
参加料金:パーティーの参加には、なつこんへの参加登録の他に下記料金が必要です
事前申し込み締切 2014年6月30日(月)必着
成年(20歳以上・アルコール有)8,500円
未成年(20歳未満)、成年(20歳以上・アルコール無)6,000円
事前申し込み締切後、人数に余裕がある場合のみ引き続き当日申し込みとして受付いたします。
成年(20歳以上・アルコール有) 10,000円
未成年(20歳未満)、成年(20歳以上・アルコール無) 8,000円
当日申し込み締切 2014年7月1日(火)〜7月19日(土)予定


・合宿挨拶(21:30)


Day 2 2014年7月20日(日)

[013]瀬名秀明・佐藤竜雄対談(仮) 1コマ目 1F101(9:30-11:00)
出演者:瀬名秀明、佐藤竜雄、櫻井晋
 GoHの対談です。どんな話が飛び出てくるかは、当日来た人だけのお楽しみ。

[027]SFなんでも箱(Anything Box)番外編 2コマ目 2F202A(11:00-12:30)
出演者:池澤春菜、大森望、小浜徹也、日下三蔵、瀬名秀明
 月に一度行われております新宿Live Wire Cafeのイベント「SFなんでも箱(Anything Box)」の番外編。今回は創元SF短編賞審査員の皆様をお招きして、皆様にもっと創元SF短編賞ならびにそこから輩出された作品を知っていただきます。
 もしかしたら、スペシャルなゲストがいらっしゃるかもしれませんよ。→お知らせ

[017]つくばSF特別シンポジウム「サイボーグ・生命・感性の未来」【GoH企画】 3,4コマ目 1F101(12:30-15:30)
 日本SF大会「なつこん」では「サイボーグ・生命・感性の未来」というテーマで、下記のパネリスト、コメンテーターによる特別シンポジウムを行います。科学の街「つくば」ならではの企画です。お楽しみに。
パネリスト:
松原仁様(まつばらひとし)
1959年生まれ、公立はこだて未来大学教授。コンピュータ将棋や「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」など、人工知能・感性工学の分野を研究。
山家智之様(やんべともゆき)
1959年生まれ、東北大学加齢医学研究所教授。人工心臓の開発、バーチャルリアリティの医学応用など、医療とサイボーグ分野を研究。
星野力様(ほしのつとむ) *追記:ご体調不良により残念ながら欠席となりました。星野先生、ぎりぎりまでご検討いただきましたこと心から感謝いたします。事前にご用意くださったプレゼン資料は、星野先生のウェブページにあります。
1938年生まれ、筑波大学名誉教授。先駆的な並列計算機PAXコンピュータを開発。近年はチューリングとエニグマ暗号に関する研究・著書で有名。
榊佳之様(さかきよしゆき)
1942年生まれ、豊橋技術科学大学前学長。2013年度「文化功労者」に選出。ヒトの21番染色体を解読し「ヒトゲノム計画」を推進した世界的リーダーのひとり。
コメンテーター:
瀬名秀明様(せなひであき)
1968年生まれ、作家。『BRAIN VALLEY』で第19回日本SF大賞受賞。「なつこん」ゲスト・オブ・オナー。
司会:
八代嘉美様(やしろよしみ)
1976年生まれ、京都大学iPS細胞研究所上廣倫理研究部門准教授。幹細胞生物学と生命倫理問題に取り組む。

[002]閉会式 1F大ホール(15:30-16:30)



《書いたもの、話したもの》
・第53回日本SF大会 なつこん プログレスレポート1号「G.O.H.紹介」pp.4-5(2013.10.10発行)/Web用 ご挨拶文
・なつこんPR映像 1/2014.6.25公開 →【YouTube】【ニコニコ動画
・なつこんPR映像 2/2014.6.29公開 →【YouTube】【ニコニコ動画
・(幻の)なつこんPR映像 take3(ボツ??)
・(幻の)なつこんPR映像 take4(ボツ??)
・スーベニアブック GoH挨拶文「ご挨拶」
・スーベニアブック 掲載色紙
・今岡正治編『第五十三回日本SF大会なつこん記念アンソロジー 夏色の想像力』/草原SF文庫/頒布価格2,000円(大会参加者は2冊まで1,500円)/新作中編小説98枚「キャラメル」pp.593-655/Cover Illustration=加藤直之
posted by 瀬名秀明 at 21:31| 仕事の記録 | 更新情報をチェックする

2014年07月10日

仕事

【解説】星野之宣『ヤマタイカ 星野之宣スペシャルセレクション』第1巻/潮出版社/2014.5.1/ISBN978-4-267-90611-4/本体1400円/「解説」pp.329-333
【インタビュー】産経新聞/2014.5.14/文化/海老沢類「想像力でひらく「震災後」」p.15
【コメント】アンコール放送 “耳で楽しむ”藤子・F・不二雄の世界〜SF短編・朗読ライブ〜/2014.5.19(月)17:20-18:50/NHKFM 富山県内/「石田太郎さんのこと」 *番組75分+中條誠子アナウンサーと、文学館学芸員・大川原竜一さん、藤子・F・不二雄氏の後輩・成瀬潔さんのトーク。朗読=石田太郎、松田洋治、中條誠子(富山放送局アナウンサー)。ピアノ=西村由紀江。瀬名の部分は再放送。ただし亡くなられた石田太郎さんを偲ぶコメントを寄稿・追加。
【インタビュー】北日本新聞/2014.5.24/文化「文芸・評論」/寺田幹「科学の面白さ 物語に」p.17
【書評】週刊朝日/2014.5.30号/週刊図書館crossover「サイエンス」/「虫好きのツボ≠押す!」p.87


【エッセイ】kotoba/No.16(2014年夏季号、2014.6.6)/特集 生命とは何だろう?「Part6 思想としての生命科学」/「“幹”と“萌芽”としてのいのち SFと科学の狭間で生命を問う」pp.126-129/kotoba執筆陣&編集部が選ぶ より深く特集を読みたい人のための書籍ガイド、文=小泉まみ、荒舩良孝「瀬名秀明さんのおすすめ」p.137
【選評】ミステリーズ!/vol.65(2014.6.13)/第五回創元SF短編賞受賞作決定/「選評」pp.297-299
【エッセイ】「感謝祭」お祝いメッセージ集作成隊『「大森望★感謝祭」お祝いファンジン』/2014.6.21発行, 2014.6.24改訂/発起人★お祝いメッセージ/「大森さんから、五つ星を取るのは難しい。」pp.5 *非売品
【書評】週刊朝日/2014.6.27号/週刊図書館crossover「サイエンス」/「SFの歓びが詰まった傑作選」p.85
【選評再録】大森望・日下三蔵編『年刊日本SF傑作選 さよならの儀式』創元SF文庫/2014.6.27/ISBN978-4-488-73407-7/本体1300円/第五回創元SF短編賞選考経過および選評/(選評)pp.625-629
【書評】図書新聞/2014.6.28(3164号)/「思いやりは「遣り」の部分が重要 心を表す日本語は豊かで、難しい」p.1


【インタビュー再録】SFマガジン/2014.7/SF MAGAZINE ARCHIVE/インタビュアー=大森望「490 1997.4 SFインターセクション 第4回・瀬名秀明 大森望」pp.411-415
【鼎談】SFマガジン/2014.7/東浩紀×大森望×瀬名秀明「トークイベント完全採録 SFと復興 小松左京から考える」pp.562-580
【対談】ロボコンマガジン/2014.7(No.94)/【特集1】ここまで来ている!人間の能力を拡張するBMIとロボットの世界/取材・文=井上猛雄、写真=其田益成、瀬名秀明×池澤春菜「特別対談 ボクとBMIとゴキブリをめぐる大冒険」pp.10-12
【書評】週刊朝日/2014.7.25号/週刊図書館crossover「サイエンス」/「個人の遺伝情報を格安で読む」p.87


【メッセージ再録】伝統的七夕ライトダウン2014キャンペーン/2014.8.2(土), 3(日)/「瀬名 秀明さんからのメッセージ」 *以前のメッセージを再録
【コメント】クイーンダム100号記念号/
【コメント】出川雅邦先生退職記念誌/
posted by 瀬名秀明 at 14:12| 仕事の記録 | 更新情報をチェックする

2014年07月05日

〈オッド・トーマス〉シリーズ最終巻

 ディーン・クーンツの新刊『The City』が届いた。また積ん読になってしまうなあ。最近クーンツは、長編一冊出す度に、それに関連する中編を電子書籍でオリジナル発売するのがパターン。それでしばらくして、ペーパーバックの巻末に入るのであった。中編の方も時間がなくて、あまり読んでない。クーンツは中編がうまいので、ほんとはちゃんとリアルタイムでついていきたいのだけれど。
 おお、そうだ、〈オッド・トーマス〉シリーズ最終巻のアナウンスがもう出ているのであった。タイトルは予想通り『Saint Odd』。いよいよ年末発売かあ。感慨深い。
 なんだかそのときまでに自分の人生がどうなっているかさえわからないが、オッドくんと幸せに年を越せるといいな。
posted by 瀬名秀明 at 22:15| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2014年06月22日

MAGI9 PLAYLAND

 しかし14曲目の「ALGORITHM+LOVE」は、無粋な理系の彼氏に、
「そこはユーグリッド≠カゃない! YOU GRIDではなくユークリッド(Euclid)=I!」
 と、突っ込みを入れさせてしまうような女子の歌なのだと思って聴いている。
 だがまあ、聴いているとむず痒いので、ライブではユークリッド≠ノしてほしいものである……。

#私もメルツェルのチェスプレイヤー≠間違えてメンツェルのチェスプレイヤー≠ニいうタイトルをつけてしまった過去があるので、大きなことはいえない。
 校正・校閲の方々も、見えないときは見えないものなんだよねえ。
posted by 瀬名秀明 at 21:12| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする