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 27日午後1時15分ごろ、熊本県多良木町の球磨川で、「水遊び中の親子3人がおぼれた」と、110番通報があった。5歳の娘は近くにいた人たちに救助され無事だったが、両親が流され、死亡した。

 多良木署によると、死亡したのは同町多良木の酪農業源嶋(げじま)光義さん(37)と妻みどりさん(45)。水死とみられる。親子3人で川で遊んでいたところ、ビニール浮具に乗っていた娘が川に落ち、助けようとした両親が流されたらしい。

 3人は流れが緩やかな岸側で遊んでおり、川の中に娘とみどりさんがいたという。川に落ちた娘を追ったみどりさんが流され、助けに行った光義さんも流されたとみられる。川は奥に行くにつれ深くなり、深いところでは3メートルを超え、流れも速いという。

 2人は通報から約45分後までに現場から数十メートル下流の川底に沈んでいるところを消防に救出されたが、その後、死亡が確認された。

 現場付近は岩場が多く、地元では「冒険スポット」とも言われる場所だが、遊泳禁止を示す看板などはない。川遊びをしていた男性(18)は「小さな子どもには危ない場所」と話した。国土交通省の水位データによると、発生当時ごろの同町付近の球磨川の水量はふだんと変わらない状態だった。