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【政治】

首相外遊1億5000万円補填 29カ国訪問 予算不足

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2014年1月21日 朝刊
 
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 安倍晋三首相は就任後の約一年間で、延べ十三回、二十九カ国を訪問した。「月一度は外遊、一度は被災地視察」という首相の目標を励行したもので、異例のハイペースだ。このため準備していた予算が足りなくなり、他の支出項目から一億五千万円を補填(ほてん)することになった。これだけ税金を使いながら、中韓両国の首脳とは会談できず、訪問国の中には大きな外交課題のない国も多い。 (首相官邸取材班)
 首相の外遊は二〇〇七年以降、ほとんどが年七〜九回で、安倍首相の十三回、延べ二十九カ国は突出して多い。今月も中東・アフリカ四カ国を歴訪。今週からはスイスとインドを立て続けに訪れる。二月には冬季五輪中のロシア・ソチの訪問を計画している。
 外務省は一三年度、首相分の外遊予算として約四億円を盛り込んだが、すでに予算をオーバー。同省の他の予算から一億五千万円をかき集めて対応することになった。同省によると、過去に例がないという。
 首相が外遊する際には、渡航費や滞在費以外にも多額の税金が使われる。首相はアジア、中東、アフリカなどを訪問すると、円借款などの資金協力を表明することが多い。さらに今月の中東・アフリカ歴訪でも二千百億円の円借款を約束した。円借款は将来、返済される資金だが、税金であることには違いはない。
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は十七日の記者会見で「各国からわが国への理解、支持が表明され、経済関係が強化される。極めて大きな成果がある」と意義を強調したが、関係改善が求められている中国と韓国への訪問はゼロで、首脳会談も一度も実現していない。
 外遊の目的にも批判がある。東京電力福島第一原発事故の収束のめどさえ立っていないにもかかわらず、首相は原発輸出を成長戦略の柱と位置付け、トルコなどを訪れて売り込んで回っている。
 


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