論文を書くつらみ

友達が一人もいないので研究しかすることがない

研究者よりむしろヒモを目指しているのだが、若い内に査読なしのシンポジウムに投稿して雰囲気を掴むと良いと言われたので、そのための論文を書いている。卒論まで後二年のモラトリアムがあるので、その間に経験を積みたい。論文を書いていてつらかったことをメモする。むしろ現在進行形でつらい。

論文に嘘が書いてある


サーベイ論文が見つかれば研究の大まかな歴史が掴めてありがたい反面、文意が捻じ曲げられていたり誇張されていたりすることがある。誰かが「論文を読む」とはその論文中のシステムを実装できるくらい理解するということだと言っていた。そのため、サーベイ論文だけ読んでカジュアルに研究するわけにはいかない。サーベイ論文でなくても、孫引きは危険だ。例えば、SOSP'01の"An Empirical Study of Operating Systems Errors"が「バグはコード量に比例する」として引用されていたことがあった。しかし実際は、「コード量の多いカーネルのバグ密度が高かった」というだけで、「バグはコード量に比例する」とまで書かれたわけではなかった。代わりとして、ISSTA'03の"Relationships between selected software measures and latent bug-density: guidelines for improving quality"が挙げられる。ここではよりつぶさにバグ密度の解説がなされている。

英語がわからない

CTFでラスベガスやクアラルンプールに行った時はそれなりに意思疎通できていたので、英語力が皆無というわけではないと思う。だが、世界の公用語は「下手な英語」であって、ちょっと英語が喋れた程度で図に乗るのは愚の骨頂である。大学でTOEFLを受けたことがあるが、受け取りに行くのをサボっていたら結果の保存期間を過ぎてしまったので、何点だったのか分からない。悲惨な結果だったと思う。徐々に英語論文にも慣れてきたが、やっぱり日本語に比べると分かりにくい。そもそも日本語すら碌に分かっていないのだから、当然だ。英語論文を読むときに役立つサービスを教えてもらったのでメモしておく。


英語論文を書くときに役立つサービスもあるようだ。
まだ英語論文を書く必要性に迫られているわけではないのだけど、そのうちお世話になるかもしれない。まだ院進するかどうかもはっきりしていないので、杞憂というか取らぬ狸の皮算用っぽいが。

論文のフォーマットにそぐわない

情報セキュリティは基本的にイタチごっこだ。だが、イタチごっこに囚われすぎてはいけない。ちょっとしたカンファレンスで発表するならまだしも、「やってみた」「はあそうですか」では研究になりにくいと教授から言われた。論文というフォーマットをとるからには中長期的に役立つ汎用的な手法を提案すべきであって、トリビアルな事例ばかり取り上げてそれぞれに対応するのは企業のやることだそうだ。

新規性がなくなる

情報セキュリティをやるならACM CCS, IEEE S&P, USENIX Security, NDSS, RAIDあたりは最低限チェックしておけと言われたので、そうしている。怖いのが、自分の研究内容が数段上の水準で先に発表されること。なので、国際学会が開催される度にビクビクしている。


実際、一度そういうことがあった。そういう時はどうするか?
泣きたくなってくる。卒論を書いている時にこうなったらどうすれば良いのだろう。勢いのある分野に飛び込むと優秀な人間がやってきて殺されてしまうので、ニッチな研究分野を見つけるのが一番なのだろうか。早期にヒモになる算段をつける必要性を感じている。

とっとと書け

「論文を読む」とはその論文中のシステムを実装できるようになるということだ。ザッカーバーグのクソムカつく壁紙にもあるように、完璧を目指すよりまず終わらせなければならない。巧遅は拙速に如かず。自分の場合は拙くも重いので、つらい。


イントロが書けない

絶対に「近年、」から始まる論文を書きたくない。