八つ当り!? 絶不調のフジテレビ・亀山社長が視聴率調査を批判
え、そんな問題?と唖然としていると、今度は“オワコン”といわれているテレビがいかに今も影響力をもってるかを強弁するこんな発言も。
「たとえばHUT(総世帯視聴率)が65%だとすると、5000万人、6000万人が見ていたと単純に言えませんが、少なくとも数時間で同時に数千万人を間違いなく集めているわけです。そんなメディアは他にありますか?」
なんだか新橋の居酒屋で愚痴と過去の栄光話を交互に語っている窓際サラリーマンみたいで悲しくなるが、そんな読者をおいてきぼりにして、ひとりで勢いづいた亀山社長はこんな提案をするのだ。
「だから、今の視聴率では測れないですが、いったいどれくらいの数字を見たのかを出してみませんか?」
さらに、亀山社長はこうたたみかける。
「でも、その数字を言えない仕組みに今はなっているんですよ。だから、電通さんだったら、こういう本をお書きになるんだったら、テレビの未来を僕なんかにお聞きにいらっしゃるんじゃなくて、むしろそういうところに一緒に危機感を持ってほしいんですよ(笑)」
こ、これって、もしかして電通批判? たしかに視聴率調査は、電通の“子会社”のビデオリサーチが独占しており、その調査方法が実態を表していないという批判はしばしば聞かれてきた。だが、まさか民放キー局の社長からそんな批判が飛び出すとは……。そこまでフジテレビは追い詰められているということなのだろうか。
もっとも、亀山社長の指摘は的を得ている部分もある。視聴率至上主義がテレビというメディアをつまらなくしてきた部分は絶対にあるし、マーケティングという観点から見ても、現在、50代以上の中高年に支えられている世帯視聴率でCM価格を決めるというのは明らかにナンセンスだ。
だが、フジテレビが絶好調だった1980年から2000年代、その視聴率をもっとも重視していたのが当のフジテレビではなかったか。数字をとるためには手段を選ばず、売れっ子タレントを囲い込み、似たような番組ばかりを量産。しかも、自分たちの視聴率を誇示し、番組の中でまで「視聴率三冠王達成!」などと喧伝したのもフジテレビだった。それが自分たちが低迷したとたん、“視聴率のやり方がおかしい”といいだしても、あまり説得力はないだろう。
だいたい、亀山社長は今も数千万人がテレビを見ているなんて本気で思っているのだろうか。亀山社長のいうとおり、ほんとうに全数調査をやったら、逆に「え、テレビってそんな数の人間しか見てなかったの?」と業界が凍りつくような数字がはじき出される気がしてならないのだが……。
(酒井まど)
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