2014-07-25
OSCON 2014、まとめ
OSCON 2014 - O'Reilly Conferences, July 20 - 24, 2014, Portland, OR
OSCON (Opensource Convention) は文字通りオープンソースを主要テーマとした大規模なコンベンションだ。
オープンソースはもはや技術というよりも社会的な営みなので、議論される話題やセッションも多岐にわたる。1997年にEric Raymondが「伽藍とバザール」によって発見したLinuxにおける開発方法論のイノベーションは、ソフトウェア産業のみならず、広くハイテック産業そして社会そのものを大きく変えた。
技術によって社会をよくするという楽観主義がインターネットには満ちている。ハッカー精神といってもいい。オープンソースというのはそのハッカー精神が作り出したムーブメントだ。
OSCONは1999年に初めて開催され、その当時はイノベーターやアーリーアダプターによる会議であった。ガードナーのハイプ曲線によれば、キャズムを超え、マジョリティになった。にもかかわらず、オープンソースにおけるイノベーションが持続しているというのは興味深い。
若い世代が、どんどん参加して、新しい企業が当たり前のようにオープンソースを利用して勃興する。エコシステムがそこにはある。
オープンソースを利用するだけではなく、そのコミュニティに参加するのが当たり前のプログラマーが多数いる。
Facebookの新入社員(中途入社の人々)は6週間のBootcampでFacebookの開発プロセスを学ぶということはよく知られている。新入社員の2/3はなんらかの形でオープンソースの開発に関わったことがあり、そのさらに半分はFacebookのThe Hacker Wayに共感して入社を決めたという。ハッカー精神が単なるドグマというよりも、技術者として専門性を高めていくために必須のコンピテンシーになっていると言っても過言ではない。
企業は優秀な技術者を雇用しなければ生き残れない。そのためにはそのような技術者が求める環境を提供しないとならない。一方で、技術者は自分の能力を継続的に高める、持続的学習を必要とする。その文脈の中でハッカー精神やオープンソースでの経験というものが、明示的に求められているということは興味深い。
DevOpsというムーブメントも開発と運用という対立するものではなく、共感による協調作業であり、それはオープンソースが発見した対立ではなく共感というコンテキストにマッチする。
O'Reillyという技術書を出版する会社がOSCONを主催しているというのも偶然ではない。90年代初頭インターネットの黎明期にPerlの参考書やインターネット関連技術書を多数発行し、現場の技術者たちが、その参考書で学び育っていった。そして、そのような参考書で学んだ技術者たちが社会を変えていった。
Linuxによってその有効性が示されたオープンソースの開発方法論が、ソフトウェア産業を破壊的に変革した。
ソフトウェア産業の覇者であったMicrosoftですら、それへの対応を余儀なくされた。IBMはオープンソースへの対応が早かったことで知られているが、それでも組織文化の変化には大変な困難があった。
変化への対応が生き残るためには必須である。それは大企業だけにはとどまらない。個人も同様である。変化を拒否し消えゆく大企業にしがみついて生きていくのか、変化に対応する能力を身に付け自ら選択し生きていくのか。技術者としての能力を高めるためにオープンソースコミュニティに参加し日々変化に対応していくのか。
オープンソースが当たり前になった今こそ、個人としての生き方についても、明示的に言語化し、行動することが重要だと思った。
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