過去の夢
書き方が変な感じになっておりますが……。
1つの試しです……。
田中 大地には夢があった、それは航空機のパイロットになりたいという夢だ。 幼児園児や保育園児の男の子なら必ず言い出すような夢、だが大地にとってそれは本気の夢だった。
──そんな自分の過去を思い出しながら、蕎麦屋の主人、過去のクソ餓鬼であった男の攻撃を回避しながら蹴りを的確に入れてゆく。 あのグリーン・ドラゴンに比べてしまえばこの程度の戦いに恐怖など何も無い……アースとして存在している自分はそんなことを考えながら更に思い出は過去にさかのぼっていく。
小学校に上っても、自分の夢はパイロットになることですと言い続けた。 笑われた、馬鹿にされた、厨二には早すぎるといわれた。 でもその夢を一切曲げなかった、勉強をした、運動をした。 勉強だけではダメ、体も鍛えなきゃいけないと幼いなりに分かっていたから。
中学に入った、自己紹介で夢を言えばなおさら笑われた。 そんな夢なんか叶うわけないだろうと。 故に孤立した、イジメにもあった……だが、それがどうした。 成績は学校トップを維持し、将来設計をしっかり立て、毎日走りこんで体を作り……ほんの少しだけゲームをやる、そんな毎日。
──鋭いパンチが飛んでくる……が、まだまだ遅い、そのパンチにキックでカウンターをぶち込む。 クソ餓鬼がたまらず下がったら足を刈って転ばせて追い討ちを入れていく。
中学でも二年の後半にもなると馬鹿にする者もイジメも少なくなった。 成績はトップを維持し、運動でも軒並みトップを奪い、イジメには立ち向かった。 散々自転車に画鋲や釘を打ち込んでパンクさせるような事も繰り返されたのでやむなくぶっ飛ばした……その犯人の両親が怒鳴り込んできたが証拠を突きつけてやって黙らせた……お前達にかかわる時間が惜しいと一蹴した。
高校に入った、県内でもトップクラスの進学校に無事合格し、ここから航空関連の大学に行く人生設計を立てていた。 進学校で面倒な自己紹介も無かったのは幸いだった。 ひたすら勉強し、その合間には必ず運動を行なった。 勉強だけのヒョロイモヤシでは航空機のパイロットなど務まらない。 成績こそトップは取れなかったものの、優秀な成績を収め続けた。 天の才などではない、努力によってだ……天才と言う言葉を何よりも嫌った。
少々やる遊びはゲームだけ……たまにアミューズメントにいって対戦物を少しだけ。 それだけに留め、後は勉強と運動に費やした……全てはパイロットになるため。 だが……。
──そんなことを思い出しながらも戦っていたがこちらはそろそろお終いか。 相手の全ての攻撃を回避し、こちらの攻撃の全てを当てて叩きのめす。 そうして倒れこんだかつてのクソ餓鬼は悔しそうだ……。
現実は非情だ。 誰が言い出したのだろうか、悲しいほどそれは真実だ、自分はそれを思い知っている……自らの体と命で。 それは高校三年の八月だった……横断歩道を渡っていた自分は、一台の乗用車に撥ねられた。 運転手は飲酒運転をしていたらしい……。 全身を強く打ち、両足と右手は骨折、更に内臓もかなりのダメージを受けていた。
幸いにして手術は成功、撥ねられた3週間後に自分は目を覚ました。 目を覚ました直後は何が起きたかすら理解できなかった……体中から伝わる痛み以外は。 それから更に寝たきり生活が続き……骨折などが直り、そこから吐き気を伴うリハビリの日々。 勉強などとても出来なかった。 そして、リハビリも何とか大部分を乗り越え、歩くことは何とか道具に頼らずに出来るようになったある日……俺は夢を永遠に取り上げられた。
「医者として、これらの仕事に就くことは止めさせていただきます」
ドクターストップをかけられた仕事の中に……パイロットの名があった。 殴られた気分になった。 人前であったのにアレほど泣いたのは後にも先にもあの一回きりだった。 全てが水泡に帰した。 今まで努力をしてきたのに、一つの事故で全てが終わってしまった。 命があっただけまし、そんな慰めが何になる。 励ましなどされた所でそんな事は虚しいだけだ。
抜け殻のようになってしまった自分だが、引きこもってもしょうがないので、退院した後、なんとか高校を卒業、受験勉強など一切やっていなかったが、それでもそこそこの大学には無事入学。 大学では勉強4割、遊び6割の生活になっていた。 といっても酒は弱いし、女性関係は持ちたくなかった。 それに博打も面白いとと思えず……遊びはもっぱらMMORPGをやる日々になった。 やりすぎて一年留年してしまったが……。
その大学に入って二年目、ふと鏡で自分の顔を見たことがある。 夢を失ってただ遊んでいる日々。 その鏡に写った自分の目は酷く濁って死んでいるような目をしていた……。 その目をした自分の事は忘れられない。
(あの時の自分の目を……VRの世界の住人相手に見ることになろうとは。 だがはっきりと違うのは、コイツにはチャンスが後一回残っている事だ、そこが自分とは絶対的に違う)
目の前で歯を食いしばって倒れている蕎麦屋の主人、昔のクソ餓鬼を眺める。 こういう手合いには優しい言葉や慰めなんか百回やったって意味が無い、そんなものより一度の痛みのほうがよっぽど届く。
「──俺の勝ちだな。 お前の力なんかそんなもんだ」
あえて乱暴に言う。
「無礼は詫びよう、貴方を煽った事も詫びよう。 だが、一つだけ質問をさせてもらう、それに対する返答は一切いらない」
倒れているかつてのクソ餓鬼は「なんだよ……?」とぼそっと言う。
「こうやって戦って、すっきりしたというなら、それはそれで良い。 だがな、こうして負けた事をほんの少しでも悔しいと思う気持ちがあるなら、もう一度立ち上がって、必死に修行をして『龍の儀』をもう一回やれ。 そうしないと、多分、アンタずっと訳も分からず苦しみ続けて、死んだ目を一生していることになるぞ」
自分が救われたのは今の職場の面々の暖かさに触れることが出来て、ようやくあの死んだような目をしなくなったが……その切っ掛けも、職場の仲間に一発引っ叩いてもらったお陰だったからな。 そこから、ようやく過去の事から少しずつ吹っ切れていって、仕事に集中できるようになった。
──そういう意味を込めた荒療治だったが、後はアイツ本人しだい、いちいち説明をする必要もない。 だが負けて倒れた時の目は活気が戻りつつあった、きっとあいつも立ち上がるだろう。
あえて今まで書いてこなかったリアルの側面を書いてみました。
こういう経験上、放って置けなかったのです。
念のため、ブレードシューズのパーツははずして決闘してます。
スキル
風震狩弓Lv10 蹴撃Lv46 遠視Lv56 製作の指先Lv78 小盾Lv14
隠蔽Lv41 身体能力強化lv61 義賊Lv33 上級鞭術Lv5
妖精言語Lv99(強制習得)(控えスキルへの移動不可能)
控えスキル
木工Lv39 上級鍛冶Lv36 薬剤Lv43 上級料理Lv15
ExP 15
所持称号 妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 竜と龍に関わった者 妖精に祝福を受けた者
二つ名 妖精王候補(妬) 戦場の料理人
同行者 青のピカーシャ(アクア) 飛行可能 騎乗可能 戦闘可能 魔法所持

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