ようやく完成。
「う~ん……う~~ん……」
鍛冶場で唸る自分……理由はいうまでもなく弓の製作である。 追加で分かった事として、ドラゴン素材はドラゴン素材としか親和性がないということだ。 合金っぽくすれば融通が効きやすくなるのではないだろうか? と考えて実行したのだが、混ざらずに金属が追い出される……たとえとしては微妙だが、水と油といえばイメージしていただけるだろうか。
「色々面倒くさい……」
そうぼやきつつネットで弓を調べる。 そんな自分の頭の上でピカーシャはスヤスヤ寝ている、起こすのも忍びないので寝かせたままにしているが。 そんな状態で色々な弓の形を眺めている、当然リアルの弓からゲームや小説に登場する弓まで色々と。 あくまで外見に対する刺激が欲しいのでその辺はどうでもいい。
そうしてぱらぱらっと眺めていたのだが……今の材料で作れそうな弓が目に入ってきた。 中央と上下の素材が別々で、この形なら、上下を良くしなるインゴットでつくり、中央を多少しなる再生成する前の黒い状態のインゴットで作る事で再現できるだろう。 そして、弦を張る部分などにドラゴンスケイルを設えて飾りを兼ねさせる。 後は手にもつ部分にドラゴンレザーを巻いておけば良いか。 裁縫スキルはなくても、革を切るぐらいは問題ない。 そこから先のレザーメイルを作ったり、道具を作るとなると裁縫スキルが必要だが。
良くしなる透明度の高い方の黒いインゴットを平らに伸ばし、ある程度長い長方形に整える。 もう一方の多少しなるだけの黒いインゴットは1本の丸い棒にしてから、カタカナの「コ」のような形に曲げていく。 この「コ」を模した先端の上下に、先ほど伸ばした長方形の透明度のある黒いインゴットをくっ付けるのだ。 ぱっと見は漆黒の弓……あれ? それって厨ニっぽいか? まあいいか。
上下のしなる部分の長方形にしたパーツの端に穴を開け、そこにコの形をしたパーツを差し込んで溶接の要領で接着し、その接合面にドラゴンスケイルを埋め込むことでその接着部分を隠す。 緑色のワンポイントみたいな感じである。
ようやく1つの弓の形が出来上がりつつある、後は上下にドラゴンスケイルをくっつけて、弦を張る。 それから数回弦を引き、バランスを取り直し、また弦を張りなおし……それを10回以上繰り返してようやく形が出来上がった。 また、弦も1本だと持たなかったので、3本も張ることになった。 最終点検も繰り返し、試射も繰り返し……出来上がったのは龍の国実装が明後日に迫った日であった。 非常に疲れたのはいうまでもない、量産? 当然お断りである。
ドラゴン・ボウ
狩弓 Atk+67
特殊能力 (ドラゴン・ソウル) (ドラゴン・レギオン) (ドラゴン・ハウリング)
製作評価5
もうね、今使っている弓の威力からみて三倍ですよ。 赤い人もびっくりですよ……しかもアーツ発動不可も無し。 現時点ではユニークアイテムに限りなく近いんじゃないだろうか。 それから特殊能力はかなり独特である。
まず(ドラゴン・ソウル)は、一定確率で放たれた矢が小さなドラゴンに変化して敵に喰らいつくと言う能力、発動確率は体感で20%ほど。 (ドラゴン・レギオン)は(ドラゴン・ソウル)にリンクしている能力で、ソウルが発動した時に40%ぐらいの確率で追加発動し、喰らいつく小さいドラゴンが追加で3匹召喚されるという能力である。 両方発動で4匹のチビドラゴンが襲い掛かるわけでかなり見た目が派手である。
最後の(ドラゴン・ハウリング)は自分の意志で発動することが出来て、放つのは矢ではなく、衝撃波を撃つ特殊能力である。 矢が刺さらない相手でも、衝撃によって攻撃できると言うことで、材料となったグリーン・ドラゴンのドラゴンブレス・劣化版といった所なのだろうか。
いろんな露店を回って情報を集めて、現時点で売られていた弓の中では自分が知る範囲の最高峰はAtk+46の弓が最高だった。 もちろん弓ギルドに居るだろうギルマスお抱えの職人の一品物だったらどうかは知らないが、現時点で存在している弓ではトップクラスだろう。 ──もうしばらくはスミスハンマーを見たくもない。 弓を装備し、町の外に出る……。
「ピカーシャ、お願い」
「ぴゅ」
ぼうん、と言う音と共に本来の大きさに戻るピカーシャ。
「じゃ、寝るからお願いするよ……」
「ぴゅい♪」
普通ログアウトは宿屋でやるものだが……例外が存在する。 そのひとつが寝袋なのだが……ピカーシャに乗って、包まれるとそれと同じ状態が発生する。 つまり、『自分inピカーシャ寝袋』! 利用できるのは自分だけだが。 最近ずーっと小さいひよこ状態に押し込めていたし、その開放をかねている。 そんな贅沢な寝床でログアウトした。
やっと弓が出来ました。 性能が高いのはドラゴン素材が鬼のように強いからです。 また、更新に対して色々ご意見をいただきましたが、今後更新がない時は、三途の川の上を竜巻旋風○で移動中だとおもってください。
スキル
風震狩弓Lv10 蹴撃Lv22 遠視Lv56 製作の指先Lv78 ↑3UP 小盾Lv9
隠蔽Lv41 身体能力強化Lv59 ↑2UP 義賊Lv33 鞭術Lv38
妖精言語Lv99(強制習得)(控えスキルへの移動不可能)
控えスキル
木工Lv39 上級鍛冶Lv36 ↑6UP 薬剤Lv43 上級料理Lv15
ExP 12
所持称号 妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 竜と龍に関わった者 妖精に祝福を受けた者
二つ名 妖精王候補(妬) 戦場の料理人
同行者 青のピカーシャ(アクア) 飛行可能 騎乗可能 戦闘可能 魔法所持

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