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とあるおっさんのVRMMO活動記 作者:椎名ほわほわ

出国に向けて

 明けて翌日。 指名手配も解除されたようで極端には発つ後を濁さず出て行ける。 色々あったし巻き込まれたが、こんなプレイは早々出来ないはずでそう考えれば……。

 それから手に入った装備を再確認してみたのだが……


 ???の弓 Atk+??? 装備する事を弓から認められていません 特殊効果 ????? ????? ?????


 ドラゴンスケイルアーマー一式

 ヘッドガード Def+?? アーマー Def+?? アーム Def+?? ズボン Def+??シューズ Def+?? 

 フルセット装備ボーナス

 ???????

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 アミュレット・オブ・フェアリーズ

 妖精の加護が込められたアミュレット。

 効果 ????? ????? ????? 妖精の祝福

 と、?????ばっかりでで内容がさっぱり分からない、手抜きではない、断じて。 これは恐らく、防具生産に関する自分のスキルが一切ないから効果を識別できないと予想が出来る。 他の防具生産プレイヤーに鑑定してもらえればはっきりとした数字が分かるのだろうが、こんな装備を見せれば、出処をしつこく聞かれるのは目に見えている……そんな面倒はごめんだ。 アミュレットもアクセサリー知識が無いからだな。

 そうなると弓のほうが謎なのだが、しばらくは放置して様子を見ることにする、レッド・ドラゴンも様子を見ろと言っていたからな。 気がついたときに見れば何かしらの変化があるかもしれない。 どの道ここまで色々能力を秘めている時点で普通の武具とは逸脱しているのは容易に分かるし、今はそれだけ分かっていれば良いだろう。

 装備の確認も終えて、ゆっくりと城下町から出て行く門に歩を進めている。 調味料も買い込んだし、後は北の内陸街、砦街を経由してネクシアからファストに帰るだけだ。 数日前のように慌てて駆け込む必要もなく、ゆっくりと自分のペースで出て行ける、終わったんだな、色々と。

 途中で失っていた弓を城下町の武器屋で購入し、(Atk+22の弓)、城下町北門に到着した時に一度だけ振り返り、妖精城を眺める。 もう二度とあの中に入ることはあるまい……そう思うと感慨深い物だ。

 門番にクィーンから貰った通行証を提示し、門をくぐる。 今日も街はにぎやかだ、その分門をくぐって歩き出すほどに静かになっていくのが良く分かる。 少々物寂しく感じるのも仕方がないかもしれない……。

 長い夢を見終わったような、映画を見終わったような感覚を思い出しつつ、歩を進める。 ここで冒険が終わるわけではないし、また新しい物を見つけに行くためにも歩かなければ始まらない。 腑抜けるのはここまでだ。

「行くのか」

 城下町を出てしばらく歩いていると、突然、後方から男性の声がした。 振り返ると火の様に真っ赤な髪をした1人の男性がそこに居た。

「要領よく生きる奴がいたかと思えば、とことん不器用な奴もいる、面白い物だ」

 言いたい事が良くわからないが……?

「なにか、用事ですか? 先を急ぎたいのですがね?」

 それなりの速度で歩かないと、内陸街にたどり着けない。 そのためにも時間は惜しい。

「忘れ物だ、受け取れ」

 そういって、一通の手紙をこちらに投げ渡してくる。 その手紙を、自分はキャッチし損ねて落としてしまい、慌てて拾い上げる。

「読んでみろ、それぐらいの時間はあるだろう?」

 疑問符を頭に浮かべつつ、一応その手紙を開いてみる。


『わが国には、国で保護しているピカーシャと呼ばれる妖精族の中でも変わり者な鳥に近い存在がおります。 ですがそのうちの1羽、青色の子の1羽が……昨日、天に召され、わが国のピカーシャは8羽になりました。 それを報告いたします』


 ──そうか……そうなってしまった経緯は分からないが、そういう結末を迎えてしまったか……。

「読んだな? 内容は分かったな?」

 赤髪の男は確認をしてくる、それに自分は頷いて答えるのが精一杯だった。 声が出ない。

「そこに書かれていたことは、明日、国民にも発表されるそうだ」

 無言での返答が精一杯だ、自分の表情がもう分からない。 手に持っていた手紙がくしゃりと音を立てる。

「だから、これから見るのは夢なんだそうだ、そう伝えてくれと手紙の主から言われてな」

 そういったかと思うと、赤髪の男性は城下町への道を歩いて立ち去って行く。 それを呆然と見送る自分……ふと、つんつんと背中をつつく感触に気がついた。

「なんだ?」

「ぴゅい♪」

 え? この声は? なんで?

「ピカーシャ!? お前……え?」

「ぴゅいぴゅい♪」

 一鳴きしたピカーシャの羽根の間から一通の手紙が滑り落ちた事に気がついた、拾い上げてみると『アース様へ』とその手紙にはある……。

『これを読んでいるということは、無事合流したと言う事ですね。 私はもう無闇に外に出れなくなりましたが、その子だけは一緒に、故に死亡扱いにしておきました』

 ──ここまで言われれば、断るほうが阿呆だな。

「じゃ、早速乗せてくれ、目的地はファストでお願いするよ」

「ぴゅい♪」
妖精国のお話はこれでひとまずお終い! そして、ここからピカーシャがレギュラー入りです。

スキル

風塵狩弓Lv23 蹴撃Lv22 遠視Lv53 製作の指先Lv58 小盾Lv9
隠蔽Lv41 身体能力強化Lv41 義賊Lv28 鞭術Lv38 
妖精言語Lv99(強制習得)(控えスキルへの移動不可能)

控えスキル

木工Lv39 鍛冶Lv40 薬剤Lv43 上級料理Lv13

ExP 4

所持称号 妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 竜と龍に関わった者 妖精に祝福を受けた者

二つ名 妖精王候補(妬) 戦場の料理人

状態異常 〈虚弱・弱〉〈移動速度15%ダウン〉

同行者 青のピカーシャ(アクア) 飛行可能 騎乗可能 戦闘可能 魔法所持
+注意+
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