挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
とあるおっさんのVRMMO活動記 作者:椎名ほわほわ

反動

書いている途中でPCが突然再起動……。
お陰でかなりの文章が吹っ飛び、短くなってしまいました。
 翌日ログインし、妖精国を出て行くための準備を行い、宿屋の個室を出る。 その個室を出て鍵を返そうとしたところ、宿屋の主人に止められた。

「アンタ、一体何をやったんだい!? 指名手配されているぞ!?」

「はあ!?」

 宿屋の主人から見せてもらった紙には、自分の似顔絵と妖精の城へ連れてきた者には報奨金が出るとかそういった情報が書かれていた。

「──ほほう、指名手配までしますか……」

 今までいい顔をしすぎたか……コレはもう……

「お仕置きが必要だな、クィーンよ……もうイバラの鞭程度では済まさん……」

 宿屋の主人が「ヒッ!?」とおびえた様な気がしたが今の自分にはどうでもよかった、目指すは妖精城である。

────────────────────────

 所変わって妖精城の王執務室。

「グリーン・ドラゴンの長老よ! コレでもう義理は果たしましたからね! こちらにとっては指名手配なんてやりたくなかったのに!」

 クィーンが半分以上怒りを滲ませて声を張り上げる。

「すまんの、が、こちらにとっても必死でな。 人族の町の方にも同属が向かって料理が得意な人族に『ドラゴン族に料理を作って欲しい』と頼んでみても、信じてもらえぬか、相手にされぬか、怖がられるか、来たら仲間と一緒に討伐するだけと息巻くか……ほとんどの者とは話にならん状態でのう。 特に『そんな存在が居るなら公式に乗っていないのはおかしい』などと訳の分からぬ反応も多い」

 そういってため息をつく。

「結局まともに話が通じるのはあのアースという男のみじゃ、今のところはな。ゆえにあの男に頼らざるを得ない……」

 そこにクィーンの反論が入る。

「とはいえ、極端に追い掛け回しても問題は解決しませんよ! くっ、過去の戦争の歴史がなければ、こんな要求は突っぱねているのに。 昨日はやむを得ず協力しましたが、正直やりすぎたと悔やんでいるのですよ、こちらは!」

 正直、あそこまで追い立てる必要はなかった。 焦りが多分にあったとはいえ昨日の行動を悔やむクィーン、その時だった、派手に自分の執務室の扉が爆音とともに吹き飛んだのは。

「な、何事です! 近衛兵!」

 謎の侵入者に対し戦闘態勢をとる、だが、そこから聞こえてきた声は……。

「呼んでも来ないぞ、近衛兵の皆様は快く通してくれたからな」

 怒気を多分に孕むアースの声だった。

────────────────────────

 目の前にはクィーンと昨日のグリーン・ドラゴンの擬人化した姿の二人がそろっていた、ちょうどいい。

「指名手配までするとはな。 さすがにもういい顔はできん! お仕置きの時間だ、クィーン!」

 今回の件はさすがに笑って許すわけには行かない。 指名手配をされるということは最悪に近い悪党の扱いだ。 さすがにここまでされたら、俺だってキレる。

「ま、待って、それには理由が!」

 クィーンが慌てて何かを言おうとするが、無視する。

「問答無用!」

 クィーンに近寄り、服の胸元を掴んで掴み上げる。

「お前に望むことはたった一つだ! この指輪を俺の指から外せ! お前の意思ではめられた指輪なのだから、お前なら外せるだろう!」

 そのままクィーンを掴んだまま、グリーン・ドラゴンの老人にも宣言する。

「ここまでされた以上、もうドラゴン族に料理を作ることはしない! とっとと立ち去れ! もし力ずくで料理をやらせようというのであれば……勝てる勝てないではない、己の行動の信念のために、お前たちドラゴン族に自分一人であろうと弓を引かせてもらう!」

 そういってグリーン・ドラゴンを睨みつける。

「正気か、人の子よ?」

 グリーン・ドラゴンの老人は苛立ちを含みつつも、静かに聞いてくる。

「当然だ、ドコまでお前たちはずうずうしいのだ! 報酬も出さず、こちらの都合もお構いなく次から次へと要求を積み重ねてくる! 最強ゆえの傲慢が見え隠れしているぞ!」

 俺のこの言葉に、はっきりとした殺意をこちらに向け始めてくるグリーン・ドラゴンの老人。

「ほう、我々が図々しいと言うのか?」

 だがはっきりと言ってやる。

「自国の姫の命を救ってもらっておいて、次から次へと相手の意思や都合を考えずに、要求を重ねていくのがドラゴン族の流儀か? それならすまなかった」

 この俺からの挑発を含んだ言葉で、目の前のグリーン・ドラゴンの目が人の目から爬虫類のあの目に変わる。

「表に出ろ、その体を八つ裂きにしてくれるわ!」

 グリーン・ドラゴンはそう言い出すのだが、はっ、それこそ此方が望む事。 いい加減ここらで釘をさす事をやっておかないと、際限なく料理を要求してくるのはほぼ間違いないだろう。 俺はドラゴンの奴隷でも専属料理人でもない、ゆえに冒険者として、一人の人族として戦うだけだ。

「そのどてっぱらに大穴をあけてやろう!」

 妖精城の裏側にある広い庭にて、最強種ドラゴンと、強さという意味では平凡な冒険者の無謀な戦いが幕を開ける。 勝算なんか当然欠片もない。 だが、一矢だけでもぶち当ててやろうではないか。
次回、ドラゴンとの無謀な戦い。

スキル

風塵狩弓Lv18 蹴撃Lv22 遠視Lv53 製作の指先Lv58 小盾Lv6
隠蔽Lv41 身体能力強化Lv36 義賊Lv28 鞭術Lv37 
妖精言語Lv99(強制習得)(控えスキルへの移動不可能)

控えスキル

木工Lv39 鍛冶Lv40 薬剤Lv43 上級料理Lv13

ExP 4

所持称号 妖精女王すら魅了した者 一人で強者を討伐した者 竜と龍に関わった者  指名手配(妖精国)

二つ名 妖精王候補(妬) 戦場の料理人
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ