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とあるおっさんのVRMMO活動記 作者:椎名ほわほわ

番外編、コロシアム前

読みたいと言う意見が多かったので書く予定は無かったのですが
ねじ込みました。

なので普段とは書き方が……。
 いよいよ20人の開放者によるPvP大会が明後日に迫っていた。 ネクシアに作られたコロシアムの前は多くの人の熱気に包まれていた、それは何故か。

「入場チケットの購入、および賭けチケットの締め切りはもう目前です、欲しい方はお急ぎを!」

 NPCの売り子が威勢のいい声で販売している。 入場チケットはそのままの意味だが、賭けチケットとは、どのPTが優勝するかをチケットを購入する事で賭け、当たったら賭けチケットを買うのに使われた合計金額を当選チケット所持者で頭割りである。

 これだと胴元の運営には賭けチケットによる儲けが1グローも入らないが、今回はお祭りに近いためか、賭けのほうでお金を胴元として取るつもりは無いようだ。 ちなみにチケットのお値段は、1人1枚限定で入場には300グロー、賭けのほうは2500グローと、賭けのほうはかなり高い。

 が、それでもそこそこ売れているのだから賭けと言うものは恐ろしい。 ちなみにPTはPTリーダーの名前と、PT人数のみが明記されている。

2PT ティーン

3PT グラッド

4PT アヤメ

5PT シルバー

6PT ランダ

 と言う感じである。 人気の方だが、1番人気がグラッドPT,次点がシルバーのPT、対抗がアヤメのPTで、ティーンとランダが穴扱いのようである。

「公式でグラッドが雪辱を果たすんじゃねーの?」

「いや、それならシルバーのほうが果たしたいだろう」

「俺は不遇時代から努力してきたアヤメさんを押すね!」

「ティーンやランダも弱いわけじゃないんだがな、他の面子が悪すぎるだろ」

 大雑把な野次馬の評価はこんな物である。 そしてそれは大雑把ではあるが正当な評価だった。 ただ、強化のされ具合は戦闘開始直後まで分からないし、戦闘の結果なんて蓋を開けなければわからない。 なので、穴のティーンやランダの賭けチケットを買う人もちらほら居たりする。

「で、結局逃げたチキンは誰なんだろうな?」

 大抵この話も出るのがお約束である。

「チキンって訳じゃないだろうけどな、あのダンジョンのソロ、情報があればいけるけど」

「そうそう、1番最初にやる奴は1番偉いんだぜ? それをチキンとか言うほうがチキンだって」

「何だとてめえ!」

 そう、ソロの部分には達成者出場拒否の文字が書かれているのだ。 結局ソロ達成者の存在は誰にも分からず、謎のままだった。

 予想は多くのプレイヤーが立てたが、予想では決め手にならない。 おまけに今回の出場拒否で唯一の証拠である開放者の称号すらソロのプレイヤーは消しさってしまった。 もう特定できる証拠はほぼ完全に消え去っている。

「チキンとかはさておいてさ、これだけの商品をもらえるチャンス、お前らは蹴る事ができるか?」

 棄権者の話で盛り上がっていた人達はこの声に首を振る。

「魔剣だろ、蘇生薬だろ、特殊防具だろ? 俺だったら蹴れないね」

「私も無理、蘇生薬が欲しいし」

「無理だろ、逆に言えばそれを蹴ってまで目立ちたくないってある意味レアなプレイだ」

 基本的にMMOプレイヤーは強さを目指す。 無双プレイでもいい、PvPで勝ちたいでもいい、レア探しをしたいでもいい。 それらをするには結局力が必要なのだ。 そういう遊び方をしたいからこそ、レベルアップをするし武器を探すし防具を作るのだ。

 そしてそれを極めていくと、待っているのは同じ道を選んだものとのぶつかり合いだ。 出し抜くためにも相手より強くなければならない。 特にPvPでは公式大会も開かれる予定になっており、優勝賞金は現金で3000万が出ると発表されている。 ここまでくれば下手なリアルよりもよっぽど熱い競争が発生してくるし、たかがゲームなどど言えなくなって来る。

 まあ、そもそもたかが~だろう? なんていう人はゲームに限らず何事にも、真剣に取り組むことが出来ない人間が言う言葉なのだが。 1つを極める、それがどれだけきついのか。 それを全く理解していないからこそ言える台詞だろう。

 そう言われると、仕事は真剣にやっていると返答する人もいるが、それは話が違う。 その仕事をその業界1位を目指してやってるのか? それぐらい努力してるのか? そういう方面の話である。 遊びだろうが仕事だろうが、そのトップに立つという事は生半可な努力ではたどり着けないのである。

 まあ、そういう裏事情もあって、今回のPvPはその公式大会の前哨戦も兼ねているというのがプレイヤー全体の意見といったところか。 公式大会にエントリーする人は既に1000人を超えており、今回の大会で少しでも上位陣の動きを盗みたいと言う思惑も見て取れる。

 話がややそれてしまったが、そういった話をしたいプレイヤーも集まり、コロシアムの前は熱い熱気に包まれている。 VRではあるが、そこに居るのは間違いなく人間の集まりだった。 大会開始まで後二日。 しかしアースにとっては全く関係のない話である。
短くてごめんなさい、正直再びスランプ中。
リアルでイラつきがかなり酷いので自棄になってもう1つ新作書いちゃうし。
俺は何やってるんだろう。
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