健太郎3連続四球から逆転負け、原監督「勝負していない」
◆中日7―5巨人(26日・ナゴヤドーム)
巨人は救援陣が崩れて中日に逆転負けを喫した。2点のリードで迎えた6回、先発・内海に代わった香月が安打と四球でピンチを背負い、その後、青木を挟んで登板した西村が大乱調。押し出しを含む3連続四球に、森野に走者一掃の二塁打を浴びた。前日(25日)、0―10の惨敗に「語るに足らず」とコメントした原監督。この日も西村に対して「勝負していない」と奮起を促した。
青ざめた顔で、マウンドに立ちつくした。広島・江夏豊ならぬ“西村の21球”は、悪夢そのものだった。6回、マウンドに上がったかつての守護神が、勝ちゲームの流れを壊した。
1点差に詰め寄られた6回2死三塁で登板したが、ストライクが入らない。3連続四球で和田に同点の押し出しを献上。さらに2死満塁から森野には甘いフォークを左中間に走者一掃の二塁打を浴びた。この回、たった2安打で5失点。西村の3つを含めた4四球の走者がすべて本塁にかえった。責任を背負い込んだ右腕は試合後、報道陣の問いかけに、厳しい表情のまま無言を貫いた。
痛恨の逆転負けで、2カード連続の負け越し。これで球宴後は1勝4敗となり、虎の足音が忍び寄ってきた。試合後、原監督は怒りをこらえていたのだろう、顔は真っ赤だった。6回について問われると、責めるよりも“プロとしての姿勢”を説いた。
「我々は勝負しているわけだし、選手も当然、勝負をしているだろう。けれども、ファンの人はたくさん見に来ているわけだし、もし、そういう勝負をしている姿として見えなかったら、これはやはり反省すべきだろうね。選手はその時々に全力で、ベストを尽くして戦えばいい。勝ち負けはベンチが責任を取るわけだから」
西村が相手打者と勝負できていなかったのは明白だった。1軍復帰後5試合目で、初めてリードした場面で出番が来たが、経験豊富な男だけに、言い訳はできない。
この日、巨人投手陣が与えたのは、今季ワーストとなる8四球だった。先発・内海も制球難だった。初回に暴投で同点を許し、3連続四球を与えた。5回2失点でしのいだとはいえ、5安打4四球で105球も費やした。原監督が「前回よりはよかったが、ちょっと球数の部分において、反省すべきところは当然ある」と評したように、もう少し長い回を投げられれば、展開は変わっていたかもしれない。
下位に坂本、阿部、村田を並べてテコ入れした打線は相手の7安打を上回る13安打5点。「語るに足らず」とまで言われた前日の貧打とは姿を変えた。それだけに、自滅の1敗はもったいない。「投打のバランスというのがね…なかなかかみ合っていない」と指揮官も首をひねる。勝負の夏場。巨人があえいでいる。(太田 倫)