警官も危険ドラッグ、名称を変えて啓発のさなか
2014年7月27日6時0分 スポーツ報知
社会問題化している危険ドラッグで、ついに警察官の逮捕者が出た。愛知県警は26日、薬事法で規制している指定薬物を含む危険ドラッグを所持したとして、同法違反容疑で津島署交通課の巡査部長・北折学容疑者(44)を逮捕した。
逮捕容疑は25日午後2時半ごろ、岐阜県羽島市の路上で「MN―18」と呼ばれる指定薬物を所持した疑い。容疑を認め「ストレス発散のため1年前から使用していた」と供述している。
県警によると、北折容疑者は当直勤務明けで、羽島市内までバイクでツーリングしていた。帰宅途中にかばんを落とし、拾った愛知県一宮市内の薬局従業員が警察官の制服が入っているのに気付き110番。落としたかばんから針のない注射器や空のアンプル(薬液などを入れる容器)31個が見つかり、アンプル内の粉末から「MN―18」が検出された。北折容疑者は「かばんをどこに落としたか覚えていない」と話している。
「指定薬物」とは、危険ドラッグ対策として2007年施行の改正薬事法に基づき始まった制度。厚生労働省が個々の化学物質ごとに人体への影響を確認した上で指定する。「MN―18」は幻覚などの作用があるとされ、14年3月に同省が指定薬物とした。
警察庁などは22日に、関連事件・事故の多発を受けて「脱法ドラッグ」を「危険ドラッグ」に名称変更したばかりだった。その矢先の警察官の失態。愛知県警の伊藤昇一警務部長は「危険ドラッグが社会的に大きな問題となっているなか、警察官が逮捕されたことは誠に遺憾で深くおわびする」とのコメントを出した。