あの人はなぜいつも楽観的なのか?

起業家を増やすための「楽観脳磨き」のススメ

安倍政権が掲げる「成長戦略」の政策の柱のひとつが「産業の新陳代謝とベンチャーの加速」である。具体的な数値目標として、新規企業の開業率を5%から10%台に倍増するというゴールが掲げられており、さまざまな支援策が実施されているところ。総務省が「変な人」を支援する政策を掲げるなど、支援策は多岐にわたっている。

とはいえ、人々の安定志向は強い。東大卒業生の人気就職先ベスト3(文系)がメガバンク3社であることからもわかるように、大企業人気は強烈だ。多くのベンチャーキャピタルは出資先の少なさに悩んでいる。「今はチャンス。なぜ、みんな起業をしないのか。なぜ東大卒の優秀な人間がメガバンクなのか」。そんな声がいたるところから聞こえてくる。

しかし、である。そもそも、起業家になるかならないかは「脳」が規定しているのだとしたら? そうだとすると、いくら尻を叩いて起業を増やそうとしたって、無理なのである。

楽観的な人は常に楽観的

人間には「楽観脳」が強いタイプと、「悲観脳」が強いタイプがいる。チャーチルは「成功とは、失敗を重ねても熱意を失わない能力のことだ」「楽観主義者はすべての困難の中に好機を見つける」と言ってどんな逆境もはねのけ、偉大な政治家としてその名を留めた。

エジソンは電球の試作の失敗が1万個に達したとき、「失敗したのではない。うまくいかない方法を1万通り見つけただけだ」と言って、ついには電球のもとになるフィラメントを発明する。

「なぜ、世の中には、何が起きてもへこたれず、いつも幸福な人がいるのだろう?」――。欧州最大の脳科学研究ラボといえるオックスフォード大学感情神経科学センターのエレーヌ・フォックス教授は、人々の「心の姿勢(アフェクティブ・マインドセット)」を研究するうちに、脳とのかかわりに興味を持ち、研究テーマの焦点をそこに置くようになる。そして、その研究をわかりやすく書き下ろした本が『脳科学は人格を変えられるか』(文藝春秋)だ。

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