沖縄密約文書:不開示確定 最高裁が上告棄却

毎日新聞 2014年07月14日 17時00分(最終更新 07月15日 03時33分)

沖縄密約文書開示訴訟の最高裁判決後、会見で厳しい表情を見せる西山太吉・元毎日新聞記者=東京・霞が関の司法記者クラブで2014年7月14日午後5時21分、藤井達也撮影
沖縄密約文書開示訴訟の最高裁判決後、会見で厳しい表情を見せる西山太吉・元毎日新聞記者=東京・霞が関の司法記者クラブで2014年7月14日午後5時21分、藤井達也撮影

 14日の最高裁判決は、不開示文書が存在することの立証責任を情報公開の請求者側に負わせた。1、2審が請求者側の負担を緩和したと評価されただけに、請求者側に改めて高いハードルを課したといえる。

 1審は、請求者が過去に文書があったことを立証できれば、行政機関がその文書の不存在を立証しない限り「文書保有が続いていると推認される」と国側の反証責任に言及。2審もほぼこの考えを支持した。

 だが、小法廷は国の反証のあり方に触れないまま「文書の有無は個別に検討して推認すべきだ」と指摘。密約文書は限られた担当者だけで管理され、秘密裏に廃棄された可能性があるとした2審の認定に沿って、文書が「ある」とは推認できないと判断した。

 ただ、司法が「文書の廃棄」に言及した事実は重い。最高裁が国に「再調査は不要」とお墨付きを与えたわけでもない。重要な歴史の証拠を闇に葬り去ったまま決着させてしまうことが許されるのか。行政機関は厳格な文書管理を求められていることを再確認する必要がある。【川名壮志】

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