事件【堀内恭彦の一筆両断】ストップした総連本部競売、揺らぐ司法への信頼+(3/3ページ)(2014.7.17 17:45

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【堀内恭彦の一筆両断】
ストップした総連本部競売、揺らぐ司法への信頼

2014.7.17 17:45 (3/3ページ)

 結果的には、総連側の主張に配慮して、東京地裁が時間稼ぎをし、最高裁が競売手続にストップをかけたと見られても仕方ありません。仮に、東京地裁が最高裁からの意向を受けて時間稼ぎをしたのだとすれば、それこそ「裁判官の独立」に疑念を抱かせる大問題です。今回の件については、「拉致問題解決のカードとして総連本部を残しておきたい官邸側から裁判所への圧力があったのでは?」「マルナカ側にも何らかの背景があるのでは?」などと様々な憶測が飛び交っていますが、真相は分かりません。

 いずれにせよ、公平・公正であるべき裁判所がイレギュラーな対応をしたのは事実です。法治国家を自認する日本が北朝鮮側に対し、「日本、与(くみ)し易(やす)し」という印象を与えてしまい、今後の日朝政府間協議に良からぬ影響が及ぶことが危惧されます。裁判官と言えども、所詮、人間です。過度な期待や信頼は禁物ですが、今回の裁判所の不可解な一連の動きは、国民の「司法への信頼」という観点からは大きな禍根を残してしまいました。

【プロフィル】堀内恭彦

 ほりうち・やすひこ 昭和40年、福岡市生まれ。福岡県立修猷館高校、九州大学法学部卒。弁護士法人堀内恭彦法律事務所代表。企業法務を中心に民事介入暴力対策、不当要求対策、企業防衛に詳しい。九州弁護士会連合会民事介入暴力対策委員会委員長。日本の伝統と文化を守る「創の会」世話人。趣味はラグビー、ゴルフ。

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