甘利明経済財政相は25日、2014年度の経済財政白書を閣議に提出した。日本経済の課題として、少子高齢化や働き手となる年齢層の減少を挙げ、女性や高齢者の就労支援の大切さを強調。子育てしながら働ける環境を整えれば、働く女性を約100万人増やせるとの試算を示した。

 白書では、2030年の労働力人口は約5700万人となり、13年から890万人以上減るとの予測を示した。労働力人口の減少が「国全体の所得を押し下げ、潜在成長率の低下をもたらす可能性もある」と警鐘を鳴らした。

 可能であれば就業したいと考えながら介護や家事などに追われる女性は13年時点で315万人にのぼるという。うち育児のため働くことを諦めている人は105万人とされる。白書は、出産後も女性が働き続けられるよう、保育園を整備したり休みを取りやすくしたりすべきだと提言した。

 ただ、100万人を増やす目標時期は示していない。子育て支援の財源をどう手当てするかが見通せないうえ、休みを取りやすい働き方には企業の理解も欠かせないためだ。(田中美保)