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フランス人教師にきいたフランスの少子化対策の影

夏休みに南フランスに帰っているフランス人の 友人に会いにいきました。

普段はボストンの学校で小学校の先生をしている彼女は、アメリカに来る前は南フランスの田舎の小学校の先生をしていました。南フランスにある世界遺産のそばのすばらしい文化 、温暖な気候、ワインやチーズに、朝には生みたての卵、ほとんど自給自足ができそうなくらいな豊かな生活をしているのに、よくボストンに引っ越してきたね、なんて話していたら、“田舎では、親が子供の教育にあんまり 、興味がない人が多いの。どうしたらもっと改善できるとか、この子のいい所はこんなところだからもっとこうしたらとかいっても、興味のない親が多いの。それに比べれば、ボストンの学校の親達は、私のいってくれることをちゃんときいてくれるし、子供のことを考えている人が多いからやりがいがあるわ。それに、私はもともとここの地域の人間ではないから、いくら上級の試験を受けても、出世できないの。”

うーん、やっぱり田舎は保守的なんですね。。。彼女はチャンレンジャーなので、二人の子供を抱えながらも、2つのマスターをとり、今は学校で教えながら、博士課程にも在籍中、そんな彼女は確かに、田舎のそんな生活には満足がいかないのかもしれません。

“それにね、フランスでは子供が多いほど手当が多くつくので、フランス経済はあんまり上手くいってないけど、出生率は高いわね。私の給料は月2000ユーロだったの。(ちなみに彼女は15年以上先生をしています)ところが、近所にいた子供が3人いる家庭は、両親ともに働かず、生活補助がでて2700ユーロもらっていたわ。税金がそこからひかれることはないし、家賃を払う必要も彼らにはなかった。給料が低くても私は好きな仕事をしているから文句はないのだけど、かわいそうなのは子供達だった。親が子供に興味がないの。秋の新学期には、400ユーロが支給されるんだけど、それは基本的には子供たちが学校でその一年使うものを買うためにもらうものなのに、そのお金は新しい電話やテレビを買う為に使われていたみたい。子供たちがしょっちゅうおなかすかせて、学校にきていたわ。“

“役所の人とかは確認にこないの?”
“彼らにとってはどうでもいいことだったみたい、気にもしてない。きめられたことをしていればそれでおしまいってわけ。”

うーん、どこの国でも同じような問題があるわけですね。結局、(子供でも老人でも)楽して、お金がもらえるのならそのほうがいいということでしょうか。

自分は、彼女のように、教育に対して熱心な先生に教えてもらいたいと思いますが、全ての親がそう思っているわけではない、子供をお金をもらう為の手段にしている人達もいるという現実を知らされてしまったような話でした。

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