まず7割作る

何かものを制作するうえで気をつけていることがあるのでメモする。

スケジュール配分について、決まったペースで作業するんじゃなくて、最初に一気に7割まで作るっていうのやってる。

例えば、1ヶ月で30ページの本を作るとする。このとき、1日1ページずつ作るんじゃなくて、最初の1週間で一通りのページを7割の完成度まで作って、残りの3割のブラッシュアップにはそれ以上の時間をかけるようにしてる。図にすると下記のようになる。縦軸が完成度、横軸が時間。(このグラフ作って思い出したけど、数年前にどこかのサイトで見たことある気がしてきた。つまりこの記事もそれの受け売りということになるかもしれない。)

どちらも一見同じ時間で100%の完成度になるけど、左の方で困るのは、バッファが設けられてないということで、進捗が遅れるたびに後半にツケが回ってくる。大抵スケジュール通りにいかないという前提で考えると、ちょっと不安。

右側の進め方でいうと、多少粗削りでもよいので最初にとりあえず7割の完成度まで仕上げて、残りの時間をブラッシュアップに充てる。最初に7割っていうの無理そうな感じがあるけど、モチベーションは時間とともに薄れていくので、モチベーションが新鮮なうちは素早く手を動かせる。

これのメリットは複数あって、とりあえず一通り作っている状態なので締切に間に合わないリスクを減らせるっていうのと、早い段階で完成形が見えてくるので方針転換するときの痛みが少ない。あとブラッシュアップに長く時間を使えるので完成度を上げやすいとか凡ミスが減るとか。

予備校でデッサンを勉強していたときに、まず全体の大まかな印象を描いてから細部を描き込むように習った。手の動かし方はそれと似ているので、デッサンやってるうちに自然と身についたかもしれない。

7割作った後、やってることがあって、それは早めに他人に見せるっていうので、意見言ってくれそうな人に見せてみて反応を観察したり意見を聞くことにしてる。一人でブラッシュアップするのは限界があるので、誰かにレビューしてもらったほうが完成度が上がる。締切ぴったりに完成予定という進め方ではそういうの難しくて、ギリギリになって出来ましたこれ見てくださいとか言っても直す時間がない。

こんなの当たり前だと思う人も多いと思うけど、ぼくも当たり前だと思ってるけど、スケジュール感覚がチームメンバーばらばらで、結局うまく進められなくて失敗した、という経験をぼくは過去何度もしている。なんかそういう前提というか感覚が共有されていたらもうちょっとましになってたと思う。

7割っていうの、制作物によってはもしかしたら相性が悪いジャンルもあるかもしれない。ちょっと例が浮かばないけど、そういう案件は無理しなくていいと思う。手段より目的を優先すべきで、最終的に良い成果物を安全なスケジュールで作るというのが目的なので、それを優先すべきだと思う。