マレーシア航空が追悼式典7月26日 6時09分
ウクライナ東部でマレーシア航空機が撃墜された事件で、マレーシア航空は25日夜、追悼の式典を開き、乗客と乗務員の家族や同僚が犠牲者を悼みました。
マレーシアの首都クアラルンプール近郊で開かれた追悼式典では、犠牲者の家族やマレーシア航空の社員などおよそ300人が参加しました。
会場では、イスラム教や仏教などの指導者がそれぞれ宗教ごとに儀式を執り行ったほか、墜落した旅客機の便名にあたるMH17という文字を表したろうそくがともされ、参加者らが花を手向けていました。
今回の事件では、乗客283人に加え、マレーシア航空のパイロットと客室乗務員15人が犠牲となり、ことし3月に旅客機が行方不明になった惨事に続き、同僚を失った客室乗務員らが涙を流しながら仲間を悼みました。
今回の事件で親しい同僚を失ったという男性の客室乗務員は「彼は出発の直前に『今度、一緒に料理を作ろう』などとメールをくれました。仲間は皆、家族と同じです。4か月前に続いてその家族を亡くし、非常につらいです」と話していました。
一方、女性の客室乗務員は「この悲しみに打ち勝たなければなりません。よいときも悪いときも私は会社を支えます。マレーシア航空は復活します」と、力強く話していました。
調査団の安全確保の方策見いだせず
ウクライナ東部でマレーシア航空機が撃墜された事件で、ウクライナ政府は、国際的な調査に向けて各国と協力する姿勢を強調していますが、東部では親ロシア派の武装集団がむしろ攻勢を強めていて、調査団の安全を確保する方策が見いだせないのが現状です。
ウクライナ東部で今月17日、マレーシア航空の旅客機が撃墜された事件では、乗客乗員298人全員が死亡し、これまでに180人の遺体がオランダへ移送されました。
ウクライナ政府は、オランダやオーストラリアとの間で、現地で調査を行う専門家の安全を確保するため、各国から警察官を派遣することなどで一致し、調査に関するすべての責任はオランダが負うとする合意文書に署名しました。
また、首相代行に指名されたグロイスマン氏は、25日、会見で、各国からの警察官の受け入れについて、「必要な議会手続きを速やかに進める」と述べ、各国と協力する姿勢を強調しました。
しかし、ウクライナの国家安全保障・国防会議の報道官は、25日、親ロシア派の武装集団が東部で攻勢を強め、墜落現場があるドネツク州ではこれまでに住宅地のおよそ4分の1が被害を受けたことを明らかにしました。
マレーシア機の墜落事件の真相究明に向けて国際的な調査が急がれるなか、実際には調査団の安全を確保するための方策が見いだせないのが現状です。
“親ロシア派の通話記録”発表
ウクライナ東部でマレーシア航空機が撃墜された事件で、ウクライナの保安庁は25日、航空機が撃墜される直前に傍受したとする、親ロシア派の武装集団とみられる通話記録を発表し、親ロシア派が撃墜した可能性が高いと改めて主張しました。
この通話記録の中で、親ロシア派の武装集団のメンバーとされる男が「小鳥が飛んできた。今のところ1機だ」と報告したあと、ロシア軍の情報機関員とされる男が「偵察機か大型機か」と尋ね、「雲でよく見えない。高度が高すぎる」と答えています。
そのうえで、ロシア軍の情報機関員とされる男が「上に報告せよ」と答え、撃墜事件が起きたとしています。
保安庁側は、会話を傍受した時刻は撃墜の直前だったと説明し、親ロシア派が撃墜した可能性が高いことを示すものだと主張しています。
この事件では、親ロシア派が掌握する墜落現場付近に調査団が入ることができず、原因究明のための国際的な調査の開始が遅れています。
原因を巡るウクライナとロシアの主張が真っ向から対立し、情報戦が激しさを増しています。
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