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 NHKの経営委員で作家の百田尚樹氏が、番組内でのキャスターの発言に異議を唱えた問題で、百田氏は25日、朝日新聞の電話取材に応じ、「放送が終わった番組について感想を述べただけ。放送前の番組に干渉したわけではなく、放送法に抵触しないのは明白だ」と話した。

 22日のNHK経営委員会で百田氏が問題視したのは、「ニュースウオッチ9」でキャスターが「(在日コリアン1世は)強制的に連れてこられたり、職を求めて移り住んできた人たち」とした発言。百田氏は番組編集を担当する理事らに、「日韓併合後に強制連行は無かった」などと意見を伝えていた。

 百田氏は朝日新聞の取材に対して、「戦時の徴用を強制連行と呼ぶとは、事実関係を調べた上での発言なのかと理事たちに質問した。今後の対応も求めていない」と説明した。

 放送法は委員の個別番組への干渉を禁じている。放送前に意見や注文をすれば、番組内容の改編につながる恐れもある。放送後の番組でも、その後の番組内容に影響が出れば、放送法に抵触したと判断される可能性もある。