「育児は女性」母孤立
本日の朝日新聞が、1面左側と2面全面を使って、シングルマザーの問題を取り上げています。
http://www.asahi.com/articles/ASG7Q132CG7PUHBI023.html
急な仕事で子どもを預けないといけない。ひとり親で収入は少なく、頼れる人も限られている。一体どうすれば良いのか。
3月、インターネットで見つけたベビーシッターに預けた男の子が、遺体で見つかるという痛ましい事件が起きた。横浜市の山田龍琥(りく)くん(当時2)。母親(22)は取材に「助けてあげられなかった。ごめんねってしか、言えないです」と語った。・・・
すでにネット上でも大きな反響があるようなので、ここでは記事の最後に載っているJILPT研究員の周燕飛さんのコメントを:
ネットシッター事件の背景には、働きに出ざるを得ない母子家庭の困窮と、保育サービスの不足がある。
日本のシングルマザーの就業率は極めて高いが、賃金が低く、「働いているのに貧困」というケースが多い。解決策は労働市場を抜本改革して男女間、正規・非正規間の雇用格差を解消することだが、日本には古くからの慣行や文化に根強い支持があり簡単ではない。
母子家庭のうち推定15万世帯は食べるのにも困る「絶対的貧困レベル」で、対策は急務だ。養育費の強制徴収制度を検討したり、貧困層への財政支援を手厚くしたりする必要がある。
ということで、先日出版されたばかりの周さんの本も紹介しておきます。この問題を考える際の必読書です(と販売促進)。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/wlb-ba22.html (シングルマザーに必要なのは、「企業戦士型経済的自立」というよりも「ワーク・ライフ・バランス(WLB)型経済的自立」である@周燕飛)
内容は周さんが過去数年間取り組んできたシングルマザー研究の現段階での集成ですが、経済学的分析を駆使した研究書ではありますが、切れ味の良い周さんらしい記述があちこちにあって面白く読めます。
また、周さんの映像と肉声はこちらをどうぞ:
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