東北大が、仙台市にある学生寮「明善寮」で飲酒による問題が相次いでいることを理由に、寮生105人全員へ一時退去を通告した。大学は「何度も注意をしてきたが、伝わらなかった。やむを得ない措置」と説明。寮生の代表は「申し訳ない」と話している。

 明善寮には男子の1、2年生が住む。

 昨年11月、学生1人が急性アルコール中毒になり、救急車で病院に運ばれた。全面禁酒となった今年4月以降も、飲酒や嘔吐が繰り返され、6月には保護者から「息子が酒を飲み、失禁をした」と相談があった。大学は事態を重視。9月末までに全員を一時的に退去させることを決めた。学生支援担当の東谷篤志教授によると、2年生が1年生に酒を飲ませる「習慣」があったという。東谷教授は「このままでは死者が出かねない。飲んで当たり前という雰囲気を断ち切る」と説明。希望する寮生には、いったん別の寮に入るよう促すという。