三菱東京UFJ銀行は来年4月から、3年を超えて働いた契約社員が定年の60歳まで働ける制度を導入する。現在、契約社員は6カ月や1年ごとに契約を更新するが、希望に応じて定年まで無期限で契約する。雇用環境の改善で人手が不足しつつあるなか、契約社員の待遇を改善し、人材確保につなげる狙いだ。

 三菱東京UFJ銀の従業員4万4900人のうち、契約社員は1万1400人いる。多くは女性で、支店の窓口業務や事務を担当している。このうち9割は来年4月時点で勤続3年超となる。全員が希望すれば1万人以上が無期契約に切り替わる。大手企業でのこうした動きはまだ珍しい。

 契約社員を巡っては、昨年4月施行の改正労働契約法で、企業は5年を超えて働いた契約社員について、2018年4月以降、希望に応じて無期契約に切り替えることが義務づけられた。三菱東京UFJ銀は、同法の条件より前倒しで、より短い勤続年数の契約社員でも無期契約にする。