北海道で煙霧 大陸の森林火災の影響か7月25日 20時43分
25日午後、北海道の広い範囲で、ちりなどが空気中に漂って視界が悪くなる「煙霧」が観測され、市民などから「煙の臭いがする」といった通報が相次ぎました。
気象台は、大陸で発生した大規模な森林火災の煙が北海道まで流れてきたためではないかとしています。
「煙霧」は巻き上げられたちりなどが空気中に漂って視界が悪くなる気象現象で、25日午後3時ごろには函館市で5キロ、札幌市で7キロにまで視界が低下しました。札幌市消防局によりますと、札幌市では25日午後3時すぎから「煙の臭いがする」といった内容の市民などからの通報が相次ぎ、午後5時現在で30件に上りました。大気汚染物質PM2.5の濃度も上昇し、札幌市内の8か所の観測地点では、午後4時現在の濃度が1立方メートル当たり105マイクログラムから155マイクログラムになるなど、地点によっては午前中の10倍以上になりました。煙霧の原因について、札幌管区気象台は「大陸で大規模な森林火災が発生し、その煙が偏西風に乗って北海道まで流れてきたことによるものではないか」と話しています。
北海道や札幌市は、呼吸器や循環器の病気がある人や、子どもやお年寄りは体調に応じて外出を控えるなど注意するよう呼びかけています。
専門家「北海道に流入しやすい気象条件が重なった」
PM2.5の北海道への影響に詳しい北海道立総合研究機構環境科学研究センターの大塚英幸研究員は「今回、北海道に流れてきているPM2.5は大陸からのものと考えられる。きのう、東シベリアで大規模な山火事があったことが影響していると考えられるがはっきりとした原因はこれから分析したい。PM2.5の濃度が上がりやすいのは、春の黄砂の時期と秋の高気圧に覆われる時期で、この時期としては比較的珍しいが、北海道に流入しやすい気象条件が重なったと考えられる」と話しています。
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