2005年の尼崎JR脱線事故で車両が衝突した尼崎市久々知のマンション(9階建て)について、JR西日本が、高さ4階部分まで残して線路側を壁で遮る‐などとする具体的な整備案を遺族らに示していることが25日分かった。同社はこれまでマンションを一部残し、植栽で覆うなどの複数案を提示してきたが、1案に絞り込んだのは初めて。同社は今回の案について遺族らに意見を聞いた上で、年内にも最終案をまとめる方針。(宮本万里子、金旻革)
今回JR西が示したのは、昨年11月、遺族や負傷者に提示した「1、2階を残す」とする4案とも異なるまったく新しい案。
同社が遺族らに提示した文書によると、マンションを4階まで残し、横幅は1階部分全てを保存▽線路側に壁を設ける▽雨などを防ぐ屋根を設置▽屋根や壁は周囲と調和するよう色、材質などを工夫する‐などの内容。マンションの東側に慰霊碑を設け、北側は壁で覆わずに運転席から事故現場が見え、運転士らが意識できるようにする。
事故現場をめぐっては、同社はこれまで遺族や負傷者に3回アンケートをし、説明会などで意見を聞いてきた。遺族らの中にはマンションの「全保存」や「全撤去」を望む声があり、「一部保存」に賛成の人も具体的な整備方法についての意見は分かれている。
同社は「今回の案はさまざまなご意見を踏まえて検討を深め、現時点で考え得る最良の案」と話している。9月に個別や少人数ごとに説明の場を設けて理解を求めながら、最終案を練るという。
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