済美・安楽、涙の3回戦敗退もスカウトはホッ
夕刊フジ 7月25日(金)16時56分配信
24日の全国高校野球選手権愛媛大会での3回戦で、プロ注目の最速157キロ右腕、安楽智大投手(3年)擁する済美が東温に1−4で敗退した。
「本当に悔しい。自分に甘さがあった。自分の力不足で負けてしまって申し訳ないです」
安楽の目から悔し涙がこぼれた。3回までは4者連続を含む6三振を奪うなど完璧に抑えたが、5回に「初球から狙われると思わなかった」というスクイズで先制を許し、6回にも適時打で失点。9回に2本の適時打で2点を奪われ万事休した。直球の最速は148キロ。126球で11奪三振と能力の高さを見せたが、勝負どころで制球が甘くなり、痛打を浴びた。
複数の球団が最高評価の「特A」にランク付けしている、今秋ドラフトの目玉の夏が早すぎる終わりを迎えたが、スカウト陣からは「むしろホッとした」と安堵のため息がもれている。
「上甲監督は練習試合から投げさせまくっていたからね。本人には気の毒だけど、甲子園に行っていたらと思うと、ちょっと怖くなるよ」
1年時から実力を発揮してきた右腕だが、昨春の選抜大会では5試合で計772球。日米球界で“投げすぎ論争”を呼び、昨夏の甲子園から準決勝前日に休養日が導入されるきっかけにもなった。
代名詞にもなっている157キロの球速は、2年時の夏の県予選で記録したが、それ以降は伸びず。無理がたたったか、昨秋には右腕尺骨神経まひで全治1カ月の故障も経験。今年に限れば、この日に計測した148キロが最速。調子が上がりきっていなかったことをうかがわせていた。
それでも「実力は2年のときで証明済み。即戦力ではないかもしれないが、ドラフトでは間違いなく1位で競合するだろう」とスカウトはいう。悲願の2年連続甲子園出場はならなかったが、剛腕の野球人生は、これからが本番だ。
最終更新:7月25日(金)21時54分
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