
ありふれた日常を特別な一瞬へと導く魔法のような表現者。
破格の新鋭シンガーソングライター、出現!
石崎ひゅーい。一度耳(目)にすれば忘れられないこの名前は本名。今は亡き母親がデヴィット・ボウイのファンで、その息子がZowie(ゾーイ)という名前だったことから、もじって“Huwie(ひゅーい)”と名付けたのだそう。
「僕が一番影響を受けてるのは、歌手やバンドの誰かとかでなく、母親なんです。星が好きで、宇宙グッズに囲まれて、宇宙まみれみたいな家だったんですよ。母親自身も宇宙人みたいな、魔法使いみたいな、僕の中ではそんなイメージ。音楽もトム・ウェイツやデヴィット・ボウイとかが好きで、デヴィット・ボウイの〈ロックンロール・スーサイド(ロックンロールの自殺者)〉って曲の歌詞が家の窓に彫ってあったり、そんな人でした。言葉とかも普通のお母さん的な感じじゃないんですよ。口じゃ説明しづらいですけど、なんかみんな引き寄せられちゃって、僕よりもうちの母親に会いに来てた。家に帰ると友達が先にいて、ご飯食べながら『ひゅーい、お帰り』みたいな。礼儀には厳しかったけど、『勉強しなさい』って一回も言われたことはなかったし、反抗期もなかったですね。あ、反抗期が全然なかったって曲を最近作りました(笑)」

7/25にリリースされたデビューミニアルバム『第三惑星交響曲』は、その母親が亡くなった時に作った曲。
「〈第三惑星交響曲〉を作る前に、喪失感丸出しの曲を作ってたんですよ。“いなくなっちゃって悲しい”って感じの曲を作ってライブで歌ってたんですけど、それが自分でもしっくりきてなくて、父親にも『そんな曲歌っても母親は喜ばないよ』って言われたりして。〈第三惑星交響曲〉を作るきっかけになりました。死んだ母親のために書いた曲なので、僕の中でも大切な曲だったんですけど、特にこの曲をミニアルバムのリード曲にしたいとは思っていなかったんですよね。なのにスタッフの方々の中で自然に『コレでいこう』って決まったから、まるで魔法みたいですごいなって思ったんですよ。よくぞ選ばれましたって感じ! 〈ひまわり畑の夜〉も母親との話になるんでけど、獅子座流星群を母親と当時の彼女と3人で見たりしてたんですよね。そういう思い出の曲です。」
〈3329人〉〈人間図鑑〉〈僕はサル〉は、本能的な、人間の本質を描いた曲だと感じた。物事の本質は単純なのだから、もっと単純に考えればいいのに、って感じ?
「そんな感じです。思ったことを歌詞や言葉にしようとするとああなるって感じなんですけど。どれも、こういう事を書こう、と思って書かないんですよ。日々生活していく中でたまっているものが、何かのタイミングで、歌詞とメロディになって一緒に出てくるんです。たいていサビとかが出てきて、何だろう?と思って録音しておくんですけど、後で聴き直して、こういうことを言いたいのかも?って膨らませていきます」
文字だけで読むと不思議な世界観なのだけれど、曲になると聴きやすい。
「よくお分かりです!(プロデューサーの)Tomi Yoとずっと二人で作ってるんですけど、膨らます部分はTomi Yoがやってくれるんですよ。超膨らみますよ! 曲ができたらTomi Yoに全部預けるんです。とても信頼していますし、僕を理解してくれているので、曲のイメージとか伝えないんですけど、アレンジとか全部やってくれて、出来上がったものがコレなんですよ。もうOK!OK!みたいな」
どの曲も、視点が主観的なようで客観的なようで、不思議な感じ。聴けば聴くほど、毎回曲に対するイメージが変わる。
「どれもコンセプトを立てて作る訳じゃないし、自分の位置を決めてなくて、〈第三惑星交響曲〉でもAメロBメロは第三者的に見てるのに、サビになると前に出てるなって自分でも思っているんですけど、別にいいやって。ほとんど感覚でしか書いてないので・・・あ、感覚っていうよりは適当かもしれない(笑)。僕は人に影響されやすくて、付き合ってる彼女とかにも影響されちゃうし、趣味とかもどんどん変わっていくんですよね。自分自身これからも変わっていくとは思っていて、だからどんな音楽、ジャンル、どういうことをやるっていうのも決めなくていいやって思ってます。周りは大変かもしれないですけど、でもしっかりした歌があれば、何があっても大丈夫かなって思っていて、むしろそれがなかったら全部ダメだなって思うし。考え込んで作ったり歌ったりしないので、曲が出てこない時は全然でてこなくて、そういう時はもうあきらめて寝ます!出てくるのを待ちます。その部分だけは昔から変わらないですね(笑)。でも、友達が結婚するって時に、その二人のために曲を作ってあげようとか、そんな時はスルッと曲がでてきて、すごくいい曲ができたりするんですよね。リリースする曲もそういうふうにできないもんかなって思いますけど、なかなか難しいんですよね。“ただ二人のためだけに”っていうのが素敵なんですよね、きっと」
(7/31 インタビュー・川口愉生)
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